17日20時03分=2023年=
「一茶オノマトペ英語俳句70句」
小林一茶がオノマトペを使って詠んだ俳句70句を英訳した冊子「一茶オノマトペ英語俳句70句」を、友人であり先輩である遠藤由明さんからいただいた。これまでブログで連載してきたものをときどき読んでいたが、1冊にまとまると読み応えがある。志保屋書店で1冊1000円で販売している。くわしくはYoshy's Worldか、ここへ。
オノマトペとは、物事の状態を表す擬態語(ふっくら、すべすべなど)、音を言葉で表した擬音語(ガチャン、ドカンなど)、人や動物の発する声を表した擬声語(ワンワン、ブーブー)の3種類に分別される。日本語は比較的使う度合いが高い言語だという。
漫画にもしょっちゅう出てくるし、宮沢賢治はオノマトペを多用する作家として知られている。例えば「風の又三郎」の冒頭からオノマトペの羅列である。
「風の又三郎」 宮沢賢治
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう
一茶は17音という制約のある俳句の中で、オノマトペを多用していて、今回いただいた冊子は、その中から70句を抜き出し、英語訳のほか、注釈、落書き絵画(挿絵)を入れたものだ。くわしくはhttps://www.shihoya.com/%E6%95%99%E9%A4%8A%E6%96%87%E5%8C%96-%E5%8B%95%E7%89%A9-%E9%9B%AA%E6%99%AF%E8%89%B2%E7%AD%89-culture-animals-snow-views/%E4%B8%80%E8%8C%B6%E3%82%AA%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%9A%E4%BF%B3%E5%8F%A570%E5%8F%A5%E8%8B%B1%E8%A8%B3/" target="_blank" title="https://www.shihoya.com/%E6%95%99%E9%A4%8A%E6%96%87%E5%8C%96-%E5%8B%95%E7%89%A9-%E9%9B%AA%E6%99%AF%E8%89%B2%E7%AD%89-culture-animals-snow-views/%E4%B8%80%E8%8C%B6%E3%82%AA%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%9A%E4%BF%B3%E5%8F%A570%E5%8F%A5%E8%8B%B1%E8%A8%B3/">https://www.shihoya.com/%E6%95%99%E9%A4%8A%E6%96%87%E5%8C%96-%E5%8B%95%E7%89%A9-%E9%9B%AA%E6%99%AF%E8%89%B2%E7%AD%89-culture-animals-snow-views/%E4%B8%80%E8%8C%B6%E3%82%AA%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%9A%E4%BF%B3%E5%8F%A570%E5%8F%A5%E8%8B%B1%E8%A8%B3/</a>" target="_blank" title="このリンク">このリンクをクリック。
例えば、〈陽炎(かげろう)のづんづと伸びる葎(むぐら)かな〉は、次のような英文になる。
The shimmering air
Rapidly keeps wild creepers
Growing on and on
俳句は17字だが、英語の場合、アルファベット17字で文が作れるはずもない。また、季語は四季がはっきりしている国でしか意味がないので、意味がない。
だから、英語の俳句は3行の短い詩であり、2行目がやや長めになっている。「短詩」または「三行詩」といった方がいいかもしれない。もちろん、オノマトペをそのまま入れても意味が通じないので、それらしき雰囲気を持つ単語を組み合わせて表現しているようだ(推察)。
表紙には著者(遠藤さん/右)と、校閲を担当した長年英語教師として英語指導一筋に歩んできた荒井豊さんに協力を求めた。
一茶のオノマトペに注目し、それを英訳したというのは、本邦初だと思う。一茶に興味のある方、英語詩や俳句に興味のある方は一読を。
遠藤さんは家業の志保屋書店のほか、LLシホヤ教室を開設し、来年で50周年を迎えるそうだ。
ブログ「Yoshy's World」(http://mpec.blog.fc2.com/)も毎日更新している。
今日の
最低気温11.9度、最高気温16.6度。曇り。
○……昨日、喪中はがき(喪中欠礼)のはがきが2通届いた。二親等以内の親族が亡くなった際に出すのが一般的で、年賀状をやりとりしている人に出す。
11月中旬~12月の始め頃までに出すのが一般的だという。
このはがきが届く頃になると、「そろそろ年賀状を買わなくては」「今年に図案は何にしようかな」などと考えるようになる。


○……大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、今シーズン、最も活躍した選手に贈られるMVP(最優秀選手)に選ばれた。それも満票による大リーグ初の2回目の受賞だ。
今日、午前8時30分前の発表中継を見ていたら、大谷選手はグレーのセーターというラフな格好でソファーに腰掛けて登場。そして、ひざの上には愛犬がいて、なでたり、じゃれ合いながらインタビューに答えた。MVP受賞が発表されると、抱きかかえていた犬とハイタッチするほほえましい場面に和まされた。
犬は「コーイケルホンディエ」という日本に100匹ほどしか登録されていない珍しい犬種だという。
オノマトペとは、物事の状態を表す擬態語(ふっくら、すべすべなど)、音を言葉で表した擬音語(ガチャン、ドカンなど)、人や動物の発する声を表した擬声語(ワンワン、ブーブー)の3種類に分別される。日本語は比較的使う度合いが高い言語だという。
漫画にもしょっちゅう出てくるし、宮沢賢治はオノマトペを多用する作家として知られている。例えば「風の又三郎」の冒頭からオノマトペの羅列である。
「風の又三郎」 宮沢賢治
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
どっどど どどうど どどうど どどう
一茶は17音という制約のある俳句の中で、オノマトペを多用していて、今回いただいた冊子は、その中から70句を抜き出し、英語訳のほか、注釈、落書き絵画(挿絵)を入れたものだ。くわしくはhttps://www.shihoya.com/%E6%95%99%E9%A4%8A%E6%96%87%E5%8C%96-%E5%8B%95%E7%89%A9-%E9%9B%AA%E6%99%AF%E8%89%B2%E7%AD%89-culture-animals-snow-views/%E4%B8%80%E8%8C%B6%E3%82%AA%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%9A%E4%BF%B3%E5%8F%A570%E5%8F%A5%E8%8B%B1%E8%A8%B3/" target="_blank" title="https://www.shihoya.com/%E6%95%99%E9%A4%8A%E6%96%87%E5%8C%96-%E5%8B%95%E7%89%A9-%E9%9B%AA%E6%99%AF%E8%89%B2%E7%AD%89-culture-animals-snow-views/%E4%B8%80%E8%8C%B6%E3%82%AA%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%9A%E4%BF%B3%E5%8F%A570%E5%8F%A5%E8%8B%B1%E8%A8%B3/">https://www.shihoya.com/%E6%95%99%E9%A4%8A%E6%96%87%E5%8C%96-%E5%8B%95%E7%89%A9-%E9%9B%AA%E6%99%AF%E8%89%B2%E7%AD%89-culture-animals-snow-views/%E4%B8%80%E8%8C%B6%E3%82%AA%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%9A%E4%BF%B3%E5%8F%A570%E5%8F%A5%E8%8B%B1%E8%A8%B3/</a>" target="_blank" title="このリンク">このリンクをクリック。
例えば、〈陽炎(かげろう)のづんづと伸びる葎(むぐら)かな〉は、次のような英文になる。
The shimmering air
Rapidly keeps wild creepers
Growing on and on
俳句は17字だが、英語の場合、アルファベット17字で文が作れるはずもない。また、季語は四季がはっきりしている国でしか意味がないので、意味がない。
だから、英語の俳句は3行の短い詩であり、2行目がやや長めになっている。「短詩」または「三行詩」といった方がいいかもしれない。もちろん、オノマトペをそのまま入れても意味が通じないので、それらしき雰囲気を持つ単語を組み合わせて表現しているようだ(推察)。
表紙には著者(遠藤さん/右)と、校閲を担当した長年英語教師として英語指導一筋に歩んできた荒井豊さんに協力を求めた。
一茶のオノマトペに注目し、それを英訳したというのは、本邦初だと思う。一茶に興味のある方、英語詩や俳句に興味のある方は一読を。
遠藤さんは家業の志保屋書店のほか、LLシホヤ教室を開設し、来年で50周年を迎えるそうだ。
ブログ「Yoshy's World」(http://mpec.blog.fc2.com/)も毎日更新している。
今日の足跡
最低気温11.9度、最高気温16.6度。曇り。
○……昨日、喪中はがき(喪中欠礼)のはがきが2通届いた。二親等以内の親族が亡くなった際に出すのが一般的で、年賀状をやりとりしている人に出す。
11月中旬~12月の始め頃までに出すのが一般的だという。
このはがきが届く頃になると、「そろそろ年賀状を買わなくては」「今年に図案は何にしようかな」などと考えるようになる。


○……大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、今シーズン、最も活躍した選手に贈られるMVP(最優秀選手)に選ばれた。それも満票による大リーグ初の2回目の受賞だ。
今日、午前8時30分前の発表中継を見ていたら、大谷選手はグレーのセーターというラフな格好でソファーに腰掛けて登場。そして、ひざの上には愛犬がいて、なでたり、じゃれ合いながらインタビューに答えた。MVP受賞が発表されると、抱きかかえていた犬とハイタッチするほほえましい場面に和まされた。
犬は「コーイケルホンディエ」という日本に100匹ほどしか登録されていない珍しい犬種だという。
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19日19時59分=2023年=
川端康成著の『乙女の港』
10月1日に長岡市栃尾美術館で「中原淳一展」を見た際、川端康成と中原淳一がコンビを組んで書いた少女小説があると分かり、さっそくアマゾンで購入したのが『乙女の港』。半分まで読んでギブアップした。「エス」などの女学生しか分からない同性同士の疑似恋愛などが出てきて、乙女チックすぎて付いていけなかった。本は知り合いの中原淳一ファンにあげてしまった。

作家の瀬戸内寂聴や田辺聖子などは、かつて『乙女の港』を愛読したことを公言している。
瀬戸内寂聴は前書きで、「『乙女の港』が当時非常に受けたのは、女学生同士の親交『エス』を心情的に細やかに描いたからであった。当時は私も徳島高等女学校の女学生で、下駄箱の靴の中に下級生からのラブレターが入っていたり、上級生からは、家政科の時間に作ったお菓子を贈られたりしていた。中学生と女学生の交際などは厳しく禁じられていたので、同性どうしの友情は一種の疑似恋愛であった」とまえがきで述べている。
↓栃尾美術館で開かれた「中原淳一展」

解説によると、『乙女の港』は昭和12~13年に少女雑誌「少女の友」に連載し、女学生の間で大ブームを巻き起こした作品だという。3人の女学生たちの物語で、愛らしい1年生の三千子と、洋子と克子という2人の美しい上級生が織りなす人間模様が、国際都市横浜にあるミッションスクールを舞台に語られる。
今日のライトノベルやアニメのミッションスクール学園ものに相当するのだろう。この小説はそれらの先駆けなのだと思う。
表紙を見て分かるとおり、『乙女の港』ブームには、淳一が描いた表紙や挿絵の魅力も大きく寄与していた。
「エス」について書いておくと、大正~昭和にかけて流行した女学生風俗で、主として上級生と下級生が〈姉妹〉の契りを結び、カップルとして親しく交際することを指す。親しく交わるといっても、手紙の交換をしたり、お揃いの髪型にしたりといった他愛ない交際が中心だが、親友同士とは違う関係である。当時は「男女7歳にして席をおなじうせず」といわれ、男女交際が禁じられていた。男子と女子の学校は別々で、たとえ兄妹であっても、年頃の男女が並んで外を歩くのは憚れることだった。とはいえ、思春期の少年少女は胸をときめかせる対象を求めるのが常。おのずと熱い眼差しは身近にいるすてきな同性へと向けられ、疑似恋愛的な感情を持った。ただし、エスは性的関係を伴うものではなく、同性愛とは異なるという。
この本は中原淳一ファンの女性に差し上げたが、本を持ち歩くだけで恥ずかしく、表紙が見えないように裏返しにして持っていった。
川端康成がこんな小説を書いていたことに一番驚いた。
今日の
最低気温12.0度、最高気温22.4度。晴れ。
↓右側の店が「奥只見ターミナル」

↓名物のダムカレー(左下はダムカード)

○……2020年9月に奥只見湖に行った際、名物のダムカレーを食べた食堂兼土産店の「奥只見ターミナル」が11月5日で閉店するそうだ。新潟日報紙によると、コロナ禍の影響と、後継者不在、施設の老朽化などによるものらしい。
ダム湖畔には、この「奥只見ターミナル」と「奥只見レイクハウス」の2店がある。閉店する「奥只見ターミナル」の方が流行っていたと思うが、内情は分からない。けんちん汁、わっぱめしなどのほか、ダムカレーも人気だった。「奥只見レイクハウス」は残るが、紅葉の最盛期などは混み合うかもしれない。
○……明日から天気は崩れ、金曜、土曜と雨模様になりそうだ。土曜に「越後謙信SAKEまつり」に行こうかと思っていたが、雨なら寒いのでやめる。日曜は天気が回復しそうなので、コシヒカリマラソンに出る友人らの応援に行ってから、SAKEまつりに繰り出そうかと思う。

作家の瀬戸内寂聴や田辺聖子などは、かつて『乙女の港』を愛読したことを公言している。
瀬戸内寂聴は前書きで、「『乙女の港』が当時非常に受けたのは、女学生同士の親交『エス』を心情的に細やかに描いたからであった。当時は私も徳島高等女学校の女学生で、下駄箱の靴の中に下級生からのラブレターが入っていたり、上級生からは、家政科の時間に作ったお菓子を贈られたりしていた。中学生と女学生の交際などは厳しく禁じられていたので、同性どうしの友情は一種の疑似恋愛であった」とまえがきで述べている。
↓栃尾美術館で開かれた「中原淳一展」

解説によると、『乙女の港』は昭和12~13年に少女雑誌「少女の友」に連載し、女学生の間で大ブームを巻き起こした作品だという。3人の女学生たちの物語で、愛らしい1年生の三千子と、洋子と克子という2人の美しい上級生が織りなす人間模様が、国際都市横浜にあるミッションスクールを舞台に語られる。
今日のライトノベルやアニメのミッションスクール学園ものに相当するのだろう。この小説はそれらの先駆けなのだと思う。
表紙を見て分かるとおり、『乙女の港』ブームには、淳一が描いた表紙や挿絵の魅力も大きく寄与していた。
「エス」について書いておくと、大正~昭和にかけて流行した女学生風俗で、主として上級生と下級生が〈姉妹〉の契りを結び、カップルとして親しく交際することを指す。親しく交わるといっても、手紙の交換をしたり、お揃いの髪型にしたりといった他愛ない交際が中心だが、親友同士とは違う関係である。当時は「男女7歳にして席をおなじうせず」といわれ、男女交際が禁じられていた。男子と女子の学校は別々で、たとえ兄妹であっても、年頃の男女が並んで外を歩くのは憚れることだった。とはいえ、思春期の少年少女は胸をときめかせる対象を求めるのが常。おのずと熱い眼差しは身近にいるすてきな同性へと向けられ、疑似恋愛的な感情を持った。ただし、エスは性的関係を伴うものではなく、同性愛とは異なるという。
この本は中原淳一ファンの女性に差し上げたが、本を持ち歩くだけで恥ずかしく、表紙が見えないように裏返しにして持っていった。
川端康成がこんな小説を書いていたことに一番驚いた。
今日の足跡
最低気温12.0度、最高気温22.4度。晴れ。
↓右側の店が「奥只見ターミナル」

↓名物のダムカレー(左下はダムカード)

○……2020年9月に奥只見湖に行った際、名物のダムカレーを食べた食堂兼土産店の「奥只見ターミナル」が11月5日で閉店するそうだ。新潟日報紙によると、コロナ禍の影響と、後継者不在、施設の老朽化などによるものらしい。
ダム湖畔には、この「奥只見ターミナル」と「奥只見レイクハウス」の2店がある。閉店する「奥只見ターミナル」の方が流行っていたと思うが、内情は分からない。けんちん汁、わっぱめしなどのほか、ダムカレーも人気だった。「奥只見レイクハウス」は残るが、紅葉の最盛期などは混み合うかもしれない。
○……明日から天気は崩れ、金曜、土曜と雨模様になりそうだ。土曜に「越後謙信SAKEまつり」に行こうかと思っていたが、雨なら寒いのでやめる。日曜は天気が回復しそうなので、コシヒカリマラソンに出る友人らの応援に行ってから、SAKEまつりに繰り出そうかと思う。
22日22時16分=2023年=
「疼く人」は官能小説ではなかった
2年前、2021年発刊なのに、いまだに人気がある小説「疼(うず)く人」(松井久子著)。友達が貸してくれたのだが、本棚の片隅に置いたまま忘れていた。ようやく、読み始めたが、性描写が具体的(官能的ではない)で、少々驚いた。男の作家が書く性描写(例えば団鬼六や川上宗薫)とまったく違う。男が読んで興奮するような性描写ではない。

タイトルがいい。「疼く人」。本の装丁もいい。「最後のひと」という続編も出て、2作合わせて10万部のヒットだという。続編は86歳の男性との恋愛で、年齢がどんどん上がっていく。さらに続編を出すとしたら100歳超えかも。だって厚生労働省の発表によると、100歳以上の人は、全国で合わせて9万2139人もいるのだから。
登場人物から説明したい。主人公の唐沢燿子(ようこ)は70歳。浮気した夫と離婚後、一人娘を育てながら、一念発起し、テレビドラマの脚本家として第一線で活躍していた。しかし、「唐沢燿子はもう古い」と言われるようになり、仕事がなくなった。仲良しの同級生3人を大事にしながら、料理やアルトサックスを趣味に穏やかな老後を生きようとしている。だが、「自分は、逗子のマンションでひとり老いていき、孤独のなかで死んでいくのだ」「料理を一緒に食べる相手がいたら、もっと美味しいのにと思ってしまう」という一抹の寂しさもある。
同級生は、夫がエリートビジネスマンの広田繁美。不倫40年、独身の武田美希子、夫をがんで亡くし一人で画廊喫茶を営む杉崎潤の3人である。
(注意・以下、結末に触れる部分あり)
突然、燿子にアタックしてきたのが、燿子の脚本のファンだという15歳年下の男、沢渡蓮(55)がFacebookで接触してきた。メッセージのやりとりをするうち、ズブズブと溺れていく。長い間しまい込んでいた「女」が顔を出し、「久しぶりの発情期」だと感じる。女友達から艶っぽくなったと言われ、新しく買ったランジェリーを用意して沢渡と会う日に備えた。
老年男性の性は、谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」をはじめ、いろいろ読んだが、70代の女性を主人公とした恋と性を取り扱った小説は初めて読んだ。女性が老いてもなお「疼く」ことがあるなんて、若い頃は考えもしなかった。自分が年を取ってくると、この小説に書いてあることが理解できる。男も女も死ぬまで「男と女」なのである。
生々しい性描写は、この小説のアピールポイントなのだが、経験豊富な読者にとっては、それほど異常なことではない。蓮が「聖水」を飲む場面も驚くほどアブノーマルなことではない。開高健の短編「一滴の光」(「珠玉」収録)にもある。ただ、入浴時の性器の手入れとか、閉経の感情とか、女性作家ならではの描写は興味深かった。それよりも、連の小学生時代に母子寮で複数のおばさんから弄ばれた性体験の方が面白かった。
死ぬまで続くかと思われた二人の関係は、蓮からの別れのメッセージとFacebook、LINEの閉鎖、削除で突然終わる。その後蓮は建設の仕事で転落死し、おまけに妻もいたという展開。単なる転落死なら、Facebook、LINEを見れば二人の関係は妻にバレてしまう。それを防ぐために、自殺もあり得るという結末になったのだと思う。蓮の妻は本当に二人の関係を知らなかったのかも、分からない。
今日の
最低気温 度、最高気温 度。
○……「疼くひと」の中に二人が初めてのデートで、逗子と鎌倉をドライブする場面がある。映画が大好きな蓮のために、鎌倉にある円覚寺に行く。そこには小津安二郎監督と木下恵介監督の墓があり、二人は手を合わせる。初めてのデートに墓参りというのは面白い。今度、鎌倉に行ったら行ってみたい。
この寺は、小津安二郎監督の「晩春」で、冒頭のお茶会のシーンに登場したという。また、文学では夏目漱石の「門」や川端康成の「千羽鶴」の舞台になり、有島武郎の「或る女」もここで執筆されたという。小津監督の墓の墓碑銘はただ「無」の一文字だという。道路1本を隔てた向かい側は木下監督の墓があり、「木下家の墓」と刻まれている。
それと、茅ヶ崎には遺族から、亡くなるまでの16年間を過ごした邸宅が寄贈され、「開高健記念館」として開設された。そこにも行ってみたい。茅ヶ崎は桑田佳祐の出身地でもあり、今年10年ぶりに凱旋ライブをやった。ライブも見たい。
◇円覚寺
所在地:神奈川県鎌倉市山之内409
電話:0467-22-0478
◇開高健記念館
所在地:神奈川県茅ヶ崎市東海岸南6丁目6-64
電話:0467-87-0567
開館日:金・土・日曜日の3日間と祝祭日
入館料:200円

タイトルがいい。「疼く人」。本の装丁もいい。「最後のひと」という続編も出て、2作合わせて10万部のヒットだという。続編は86歳の男性との恋愛で、年齢がどんどん上がっていく。さらに続編を出すとしたら100歳超えかも。だって厚生労働省の発表によると、100歳以上の人は、全国で合わせて9万2139人もいるのだから。
登場人物から説明したい。主人公の唐沢燿子(ようこ)は70歳。浮気した夫と離婚後、一人娘を育てながら、一念発起し、テレビドラマの脚本家として第一線で活躍していた。しかし、「唐沢燿子はもう古い」と言われるようになり、仕事がなくなった。仲良しの同級生3人を大事にしながら、料理やアルトサックスを趣味に穏やかな老後を生きようとしている。だが、「自分は、逗子のマンションでひとり老いていき、孤独のなかで死んでいくのだ」「料理を一緒に食べる相手がいたら、もっと美味しいのにと思ってしまう」という一抹の寂しさもある。
同級生は、夫がエリートビジネスマンの広田繁美。不倫40年、独身の武田美希子、夫をがんで亡くし一人で画廊喫茶を営む杉崎潤の3人である。
(注意・以下、結末に触れる部分あり)
突然、燿子にアタックしてきたのが、燿子の脚本のファンだという15歳年下の男、沢渡蓮(55)がFacebookで接触してきた。メッセージのやりとりをするうち、ズブズブと溺れていく。長い間しまい込んでいた「女」が顔を出し、「久しぶりの発情期」だと感じる。女友達から艶っぽくなったと言われ、新しく買ったランジェリーを用意して沢渡と会う日に備えた。
老年男性の性は、谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」をはじめ、いろいろ読んだが、70代の女性を主人公とした恋と性を取り扱った小説は初めて読んだ。女性が老いてもなお「疼く」ことがあるなんて、若い頃は考えもしなかった。自分が年を取ってくると、この小説に書いてあることが理解できる。男も女も死ぬまで「男と女」なのである。
生々しい性描写は、この小説のアピールポイントなのだが、経験豊富な読者にとっては、それほど異常なことではない。蓮が「聖水」を飲む場面も驚くほどアブノーマルなことではない。開高健の短編「一滴の光」(「珠玉」収録)にもある。ただ、入浴時の性器の手入れとか、閉経の感情とか、女性作家ならではの描写は興味深かった。それよりも、連の小学生時代に母子寮で複数のおばさんから弄ばれた性体験の方が面白かった。
死ぬまで続くかと思われた二人の関係は、蓮からの別れのメッセージとFacebook、LINEの閉鎖、削除で突然終わる。その後蓮は建設の仕事で転落死し、おまけに妻もいたという展開。単なる転落死なら、Facebook、LINEを見れば二人の関係は妻にバレてしまう。それを防ぐために、自殺もあり得るという結末になったのだと思う。蓮の妻は本当に二人の関係を知らなかったのかも、分からない。
今日の足跡
最低気温 度、最高気温 度。
○……「疼くひと」の中に二人が初めてのデートで、逗子と鎌倉をドライブする場面がある。映画が大好きな蓮のために、鎌倉にある円覚寺に行く。そこには小津安二郎監督と木下恵介監督の墓があり、二人は手を合わせる。初めてのデートに墓参りというのは面白い。今度、鎌倉に行ったら行ってみたい。
この寺は、小津安二郎監督の「晩春」で、冒頭のお茶会のシーンに登場したという。また、文学では夏目漱石の「門」や川端康成の「千羽鶴」の舞台になり、有島武郎の「或る女」もここで執筆されたという。小津監督の墓の墓碑銘はただ「無」の一文字だという。道路1本を隔てた向かい側は木下監督の墓があり、「木下家の墓」と刻まれている。
それと、茅ヶ崎には遺族から、亡くなるまでの16年間を過ごした邸宅が寄贈され、「開高健記念館」として開設された。そこにも行ってみたい。茅ヶ崎は桑田佳祐の出身地でもあり、今年10年ぶりに凱旋ライブをやった。ライブも見たい。
◇円覚寺
所在地:神奈川県鎌倉市山之内409
電話:0467-22-0478
◇開高健記念館
所在地:神奈川県茅ヶ崎市東海岸南6丁目6-64
電話:0467-87-0567
開館日:金・土・日曜日の3日間と祝祭日
入館料:200円
11日21時07分=2023年=
椎名誠の『奇食珍食糞便録』
友人が一冊の本を持ってきて「面白いから読んで」と言って置いていった。1か月以上も本棚に置きっぱなしだったが、1週間ほど前に半日かけて読了した。本は椎名誠の『奇食珍食糞便録』(集英社新書)である。

椎名誠は小説家であるが、『あやしい探検隊』シリーズなど、日本各地、世界各地の特に辺境に赴いて体験を書いた旅行記が面白い。この本もその一冊。
第1章はこの本の白眉である「世界糞便録」。中国の開放便所、別名「ニーハオトイレ」から始まる。仕切りも扉もなく強烈な臭気が漂う便所。1981年の上海の状況で、2000年代に入ってようやく空港トイレに個室ができたという。コロナ禍になる直前、中国の三国志巡りで旅行したが、ニーハオトイレはなかった。ホテルのトイレはもちろんきれいだし、高速道路などの公衆トイレは、臭いがあり壊れている便器も多少あったが、酷い状況ではなかった。国民が豊かになり、近代化が進んだおかげだろう。
椎名氏は書く。「哺乳類のなかでも、紙で尻を拭かないと最後の始末ができないのは人間だけだ」と。我が家の犬を見ると、排便の時間が非常に短い。サッと済ませる。「動物は糞をしているときがいちばん敵に襲われやすい不用心な姿勢である」「弱い草食動物、ウサギとか鹿などは走りながら糞をすることができる」と書く。ふーん(糞)。
敦煌でのうじ虫がうごめくトイレ。チベット自治区での屋根の上にある開放便所。インド、パキスタン、スリランカ、ネパール、ミャンマー、インドネシアなどの「腰巻き文化圏」での男の「すわりしょんべん」。パプア・ニューギニアでは豚の餌となるジャングル野糞。メナム川に突き出したタイの厠は高床式。便座がないヤクーツクの便所。極寒地での排尿の大変さ。イルクーツクの糞便山盛りトイレなど、世界のトイレで自ら体験した事実を描いた。
第2章は「奇食珍食」。ベトナムの毒蛇コブラサンドやヘビの刺し身。中国の蛇ラーメン。南米のワニやアルマジロ料理。昆虫食で有名な長野で食べた馬の睾丸の刺し身。与那国島のヤシガニの臓物料理。カンボジアでの昆虫(タガメ、バッタ、カマキリなど)のから揚げ。有明海のイソギンチャクの刺し身「わけのしんすけ」(若いやつのケツの穴)など、読むだけで気持ちが悪くなる料理が満載だ。

ところで、私もこのようなヘンな本を、いっぱい持っている。興味のある方は探してみて。ほとんどがAmazonで買える。
◇『厠まんだら』(雪華社)
李家正文による東西のトイレの歴史とエピソードを集めた本。厠(かわや)はトイレのこと。
◇『トイレット文化考』(雪華社)
中国やヨーロッパを中心にしたトイレの発達史。文献や文学作品、考古学的出土品を博捜して概観する。古代オリエントや地中海世界における水洗便所の発達など。李家正文著。
◇『江戸のおトイレ』(新潮選書)
世界に冠たるリサイクル都市だった江戸のトイレ事情を古川柳と絵図で解き明かす。渡辺信一郎著。長屋の雪隠、外出先や遊女屋などを貴重な資料からひもといていく。
◇『桃源華洞(とうげんかどう)』(イースト・プレス)
昭和初期の謎の教養人、龍王山人が、古今東西の文献をあさり、生涯をかけて書いた女性の「あそこ」の研究書である。
◇『陰名語彙(いんめいごい)』(慶友社)
中野栄三著の三部作の一冊である。『桃源華洞』の第1章に「名称について」という項があるが、この本は男女のあそこの名称だけで1冊の本に仕立ててある。あそこの名称651語が1冊に収録されている辞典である。
◇『全国マン・チン分布考』(インターナショナル新書)
『全国アホ・バカ分布考』の著者松本修が、全国市町村アンケートを基に、女陰・男根の分布図を作成し、分析を行った本。
◇『体にいい寄生虫』(ワニブックス)
藤田紘一郎著。寄生虫を愛するあまり、自分の体で飼い始めてしまったカイチュウ博士。ヒロミちゃんにサトミちゃんと名前も付けて、大まじめに人体実験を試みた。花粉症やアトピーも寄生虫で克服できると解く。
藤田さんの寄生虫関係の本は5冊ほど読んだが、この本しか本棚に見当たらない…。だれかに貸した覚えが…。
今日の
最低気温26.1度、最高気温36.8度。晴れ。10日連続の猛暑日。台風第7号の進路が気になる。

○……2年前、東京で亡くなった同級生の墓参りに上越市の寺町に行ってきた。まだ、お盆には早いが、所用で出かける用事があるため、早めの墓参りだ。一緒に音楽活動をしていた友人も新幹線で駆けつけてくれた。帰省客で満席だったそうだ。
墓に花を供えて、冥福を祈った。亡くなるとわかっていれば、頻繁に会いに行ったのに。一緒にギターを演奏できたのに。同級生が一人、また一人と亡くなるのは切ない。
墓参りの後はビールを飲みながら、現況報告やら、思い出話やらに花が咲き、盛りだくさんで語り尽くせなかった。明日は早い出発なので、早めに切り上げたが、運転代行に電話したら営業は午後7時からだという。仕方なく、1時間ほど車の中でテレビを見て待った。
◯……所用のため、12日~15日までブログを休みます。

椎名誠は小説家であるが、『あやしい探検隊』シリーズなど、日本各地、世界各地の特に辺境に赴いて体験を書いた旅行記が面白い。この本もその一冊。
第1章はこの本の白眉である「世界糞便録」。中国の開放便所、別名「ニーハオトイレ」から始まる。仕切りも扉もなく強烈な臭気が漂う便所。1981年の上海の状況で、2000年代に入ってようやく空港トイレに個室ができたという。コロナ禍になる直前、中国の三国志巡りで旅行したが、ニーハオトイレはなかった。ホテルのトイレはもちろんきれいだし、高速道路などの公衆トイレは、臭いがあり壊れている便器も多少あったが、酷い状況ではなかった。国民が豊かになり、近代化が進んだおかげだろう。
椎名氏は書く。「哺乳類のなかでも、紙で尻を拭かないと最後の始末ができないのは人間だけだ」と。我が家の犬を見ると、排便の時間が非常に短い。サッと済ませる。「動物は糞をしているときがいちばん敵に襲われやすい不用心な姿勢である」「弱い草食動物、ウサギとか鹿などは走りながら糞をすることができる」と書く。ふーん(糞)。
敦煌でのうじ虫がうごめくトイレ。チベット自治区での屋根の上にある開放便所。インド、パキスタン、スリランカ、ネパール、ミャンマー、インドネシアなどの「腰巻き文化圏」での男の「すわりしょんべん」。パプア・ニューギニアでは豚の餌となるジャングル野糞。メナム川に突き出したタイの厠は高床式。便座がないヤクーツクの便所。極寒地での排尿の大変さ。イルクーツクの糞便山盛りトイレなど、世界のトイレで自ら体験した事実を描いた。
第2章は「奇食珍食」。ベトナムの毒蛇コブラサンドやヘビの刺し身。中国の蛇ラーメン。南米のワニやアルマジロ料理。昆虫食で有名な長野で食べた馬の睾丸の刺し身。与那国島のヤシガニの臓物料理。カンボジアでの昆虫(タガメ、バッタ、カマキリなど)のから揚げ。有明海のイソギンチャクの刺し身「わけのしんすけ」(若いやつのケツの穴)など、読むだけで気持ちが悪くなる料理が満載だ。

ところで、私もこのようなヘンな本を、いっぱい持っている。興味のある方は探してみて。ほとんどがAmazonで買える。
◇『厠まんだら』(雪華社)
李家正文による東西のトイレの歴史とエピソードを集めた本。厠(かわや)はトイレのこと。
◇『トイレット文化考』(雪華社)
中国やヨーロッパを中心にしたトイレの発達史。文献や文学作品、考古学的出土品を博捜して概観する。古代オリエントや地中海世界における水洗便所の発達など。李家正文著。
◇『江戸のおトイレ』(新潮選書)
世界に冠たるリサイクル都市だった江戸のトイレ事情を古川柳と絵図で解き明かす。渡辺信一郎著。長屋の雪隠、外出先や遊女屋などを貴重な資料からひもといていく。
◇『桃源華洞(とうげんかどう)』(イースト・プレス)
昭和初期の謎の教養人、龍王山人が、古今東西の文献をあさり、生涯をかけて書いた女性の「あそこ」の研究書である。
◇『陰名語彙(いんめいごい)』(慶友社)
中野栄三著の三部作の一冊である。『桃源華洞』の第1章に「名称について」という項があるが、この本は男女のあそこの名称だけで1冊の本に仕立ててある。あそこの名称651語が1冊に収録されている辞典である。
◇『全国マン・チン分布考』(インターナショナル新書)
『全国アホ・バカ分布考』の著者松本修が、全国市町村アンケートを基に、女陰・男根の分布図を作成し、分析を行った本。
◇『体にいい寄生虫』(ワニブックス)
藤田紘一郎著。寄生虫を愛するあまり、自分の体で飼い始めてしまったカイチュウ博士。ヒロミちゃんにサトミちゃんと名前も付けて、大まじめに人体実験を試みた。花粉症やアトピーも寄生虫で克服できると解く。
藤田さんの寄生虫関係の本は5冊ほど読んだが、この本しか本棚に見当たらない…。だれかに貸した覚えが…。
今日の足跡
最低気温26.1度、最高気温36.8度。晴れ。10日連続の猛暑日。台風第7号の進路が気になる。

○……2年前、東京で亡くなった同級生の墓参りに上越市の寺町に行ってきた。まだ、お盆には早いが、所用で出かける用事があるため、早めの墓参りだ。一緒に音楽活動をしていた友人も新幹線で駆けつけてくれた。帰省客で満席だったそうだ。
墓に花を供えて、冥福を祈った。亡くなるとわかっていれば、頻繁に会いに行ったのに。一緒にギターを演奏できたのに。同級生が一人、また一人と亡くなるのは切ない。
墓参りの後はビールを飲みながら、現況報告やら、思い出話やらに花が咲き、盛りだくさんで語り尽くせなかった。明日は早い出発なので、早めに切り上げたが、運転代行に電話したら営業は午後7時からだという。仕方なく、1時間ほど車の中でテレビを見て待った。
◯……所用のため、12日~15日までブログを休みます。
13日22時07分=2023年=
村上春樹の新刊「街とその不確かな壁」
村上春樹の6年ぶりの長編小説『街とその不確かな壁』が今日4月13日、全国発売された。と書いてみたが、『騎士団長殺し』からもう6年も経つとは月日のたつのは早い(それだけ年をとったわけだ)。
新刊は661ページの大冊。『騎士団長殺し』は上下巻に分けたが、今回は分厚い1冊だった。

↓この厚さにびっくり

日経.comによると、小説は3部から成り立ち「1部は1980年に発表した中編を全面的に書き直した内容で、主人公の「私」が、10代の頃に思いを寄せた女性から聞いた高い壁のある幻想的な街に入り込む。2部では現実世界に戻り、福島県の小さな町の図書館長となって不思議な体験をする」と書いてあった。
明日以降、楽しみながら少しずつ読む予定だ。買う前は1冊2970円という価格を高く感じたが、装丁の素晴らしさと、紙の手触りが良く、納得した。
価格が高いので、地元の書店で買って地元にお金を落とそうと思い、Amazonに予約しないでおいた。初版30万部と聞き、仕事帰りに買っても余裕かなと思ったが、念のため電話を入れると、「2冊しか入荷せず、売り切れた」とのこと。
いわゆる「街の本屋」さんがどんどん無くなっていく理由が分かった。“必ず売れる本”が入荷しないのでは、客が離れていくのは仕方ない。
仕方なく、大型書店に電話を入れ、取り置きしてもらい、発売初日に本を手にいれた。ファンは初日に買うことに意味があるのだ。
今日の
最低気温4.3度、最高気温19.0度。晴れ。

○……今日は、昨日に続き、北海道から九州にかけて黄砂が飛来した。それほどひどくはなかったが、上越市の里山である南葉山がぼんやり霞んで見えた。上空で舞っているようだ。
16日の日曜に再び黄砂が飛来するそうだ。
新刊は661ページの大冊。『騎士団長殺し』は上下巻に分けたが、今回は分厚い1冊だった。

↓この厚さにびっくり

日経.comによると、小説は3部から成り立ち「1部は1980年に発表した中編を全面的に書き直した内容で、主人公の「私」が、10代の頃に思いを寄せた女性から聞いた高い壁のある幻想的な街に入り込む。2部では現実世界に戻り、福島県の小さな町の図書館長となって不思議な体験をする」と書いてあった。
明日以降、楽しみながら少しずつ読む予定だ。買う前は1冊2970円という価格を高く感じたが、装丁の素晴らしさと、紙の手触りが良く、納得した。
価格が高いので、地元の書店で買って地元にお金を落とそうと思い、Amazonに予約しないでおいた。初版30万部と聞き、仕事帰りに買っても余裕かなと思ったが、念のため電話を入れると、「2冊しか入荷せず、売り切れた」とのこと。
いわゆる「街の本屋」さんがどんどん無くなっていく理由が分かった。“必ず売れる本”が入荷しないのでは、客が離れていくのは仕方ない。
仕方なく、大型書店に電話を入れ、取り置きしてもらい、発売初日に本を手にいれた。ファンは初日に買うことに意味があるのだ。
今日の足跡
最低気温4.3度、最高気温19.0度。晴れ。

○……今日は、昨日に続き、北海道から九州にかけて黄砂が飛来した。それほどひどくはなかったが、上越市の里山である南葉山がぼんやり霞んで見えた。上空で舞っているようだ。
16日の日曜に再び黄砂が飛来するそうだ。
03日14時22分=2023年=
「角栄に花束を」第8巻 いよいよ本領発揮
田中角栄の半生を描く漫画「角栄に花束を」の第8巻が出た。1951年9月8日、日本が米国の占領政策の終わりを告げる「サンフランシスコ平和条約」に署名し、“独立国家”となったことから始まる。このとき、ソ連は13もの修正案を出し、大反対したのだった。だが、48の連合国は修正案を否決した。いよいよ田中角栄の活躍が始まる。

その頃、角栄は長岡市にいて、長岡鉄道の電化工事を無事に完成させていた。角栄は工事費の半分の6500万円の融資しか受けられなかった。だが、角栄は「6500万円おりた時点で、既に俺たちの勝ちだったんだ」という。なぜなら、金が尽きて工事が中断したら融資は焦げ付く。「追加融資は必ずしてくる」と読んでいたのだ。
条約が発効されて、GHQは解散。「GHQ」の略は「ゴー・ホーム・クイックリー」だとさ(笑)。だが、GHQに公職追放されていた政治家が戻ってきて主導権争いが始まるのも見えてきた。その一人、先代の自由党総裁の鳩山一郎は吉田茂から総理の座を戻してもらうつもりだった。
↓新潟県内も多く登場する第8巻

↓奥只見ダム(2020年9月撮影)

その頃、角栄は只見川にいた。新潟県初代の民選知事、岡田正平とともに、只見川に21ものダムを作る計画に動いていた。ダムは岡田知事と角栄がタッグを組んで進められた。ダムを完成させたい岡田知事は自由党の内紛について探りを入れてくるが、角栄はそれを見抜き、吉田総理が先制攻撃をしかけてくるだろうと話す。
その先制攻撃は1951年12月25日、クリスマスの朝だった。閣僚を全員集め、夕方には新内閣を発足。これが「クリスマス内閣改造」である。
話はこれからもっと面白くなる。つづきは、買ってお読みください。
今日の
最低気温1.0度、最高気温9.7度。晴れ。上越市高田の積雪7cm、妙高市新井の積雪40cm。
↓これが可搬式オービス


○……スピード違反を取り締まる可搬式オービスが配備していないのは、全国で本県だけだったとは知らなかった。その実証実験が昨日、新潟市で行われたというニュースを見た。
可搬式オービスは1人でも取り締まりができるという。すごい合理化である。違反したらその場ではなく、後日通知が来るという。「パトカーを止める場所がない狭い場所でも取り締まりが可能」だという。

オービスを見た時点でもうアウトだろうな。オービスがある場所の手前に看板が出されるそうなので、気をつけなくては。
○……妙高市柳田町の「松茶屋」が先月末ごろから、予告や張り紙もせずに店を閉めている。繁盛店なのにどうしてか不思議だった。いろいろなうわさが飛び交っていた。
今日、店の入口にいってみたら「スタッフ不足のため、3月5日まで臨時休業しています。3月6日(月)から営業再開致します」という張り紙が出ていた。今後は、ラーメンを運ぶ配膳ロボットでも導入したらどうか。

その頃、角栄は長岡市にいて、長岡鉄道の電化工事を無事に完成させていた。角栄は工事費の半分の6500万円の融資しか受けられなかった。だが、角栄は「6500万円おりた時点で、既に俺たちの勝ちだったんだ」という。なぜなら、金が尽きて工事が中断したら融資は焦げ付く。「追加融資は必ずしてくる」と読んでいたのだ。
条約が発効されて、GHQは解散。「GHQ」の略は「ゴー・ホーム・クイックリー」だとさ(笑)。だが、GHQに公職追放されていた政治家が戻ってきて主導権争いが始まるのも見えてきた。その一人、先代の自由党総裁の鳩山一郎は吉田茂から総理の座を戻してもらうつもりだった。
↓新潟県内も多く登場する第8巻

↓奥只見ダム(2020年9月撮影)

その頃、角栄は只見川にいた。新潟県初代の民選知事、岡田正平とともに、只見川に21ものダムを作る計画に動いていた。ダムは岡田知事と角栄がタッグを組んで進められた。ダムを完成させたい岡田知事は自由党の内紛について探りを入れてくるが、角栄はそれを見抜き、吉田総理が先制攻撃をしかけてくるだろうと話す。
その先制攻撃は1951年12月25日、クリスマスの朝だった。閣僚を全員集め、夕方には新内閣を発足。これが「クリスマス内閣改造」である。
話はこれからもっと面白くなる。つづきは、買ってお読みください。
今日の足跡
最低気温1.0度、最高気温9.7度。晴れ。上越市高田の積雪7cm、妙高市新井の積雪40cm。
↓これが可搬式オービス


○……スピード違反を取り締まる可搬式オービスが配備していないのは、全国で本県だけだったとは知らなかった。その実証実験が昨日、新潟市で行われたというニュースを見た。
可搬式オービスは1人でも取り締まりができるという。すごい合理化である。違反したらその場ではなく、後日通知が来るという。「パトカーを止める場所がない狭い場所でも取り締まりが可能」だという。

オービスを見た時点でもうアウトだろうな。オービスがある場所の手前に看板が出されるそうなので、気をつけなくては。
○……妙高市柳田町の「松茶屋」が先月末ごろから、予告や張り紙もせずに店を閉めている。繁盛店なのにどうしてか不思議だった。いろいろなうわさが飛び交っていた。
今日、店の入口にいってみたら「スタッフ不足のため、3月5日まで臨時休業しています。3月6日(月)から営業再開致します」という張り紙が出ていた。今後は、ラーメンを運ぶ配膳ロボットでも導入したらどうか。
07日21時17分=2023年=
中村天風の「天風哲学」
中村天風(てんぷう)という人物をご存知だろうか。1968年に92歳で亡くなっているので、既に半世紀以上経っている。
日清・日露戦争当時は軍事探偵(スパイ)として諜報活動していた。戦後は不治の病であった結核(奔馬性肺結核)にかかるが、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家、医者を訪ねて問うが答えを得られず、失意のなかを帰国の途中、途中エジプトのカイロでヨガの指導者カリアッパ師と邂逅。ヒマラヤの麓で指導を受け健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるが、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その哲学は「天風哲学」と呼ばれ、東郷平八郎、原敬、北村西望、松下幸之助、本田宗一郎、宇野千代、双葉山、稲盛和夫、広岡達朗、海外ではロックフェラー3世など多くの著名人が教えの心身統一法を学び、影響を受けた。
何冊かを買い込んできたが、最初に読む一冊は「運命を拓く 天風瞑想録」(講談社)という本だ。これで天風哲学の一端を学び、次は心身統一法を学ぼうと思う。

380ページの本を、行ったり戻ったりして、きちんと理解しながら読み進め、気になった言葉を書きとめた。こんなにじっくり、1ページ1ページ本を読んだことはない。人によって、心にズシンとくる言葉は違うはずだ。このメモを参考に、本書を読まれることをお勧めしたい。難しい言葉や哲学が出てくるが、実際に講演などで話した言葉なので、難しいところは言い方を変えて話しているので、哲学書を読むような難しさはない。
この本の前書き部分に「天風会」の杉山彦一会長が、天風の一生のダイジェストを26ページにわたって書いている。ここを読んだだけで、中村天風の波乱万丈の人生が分かる。まさにすごい人だ。
読み終わって、「宇宙とはなにか」「神はいるのか」「生命とは何か」「言葉の重要さ」「心の強さ」などを学んだ。
◆「運命を拓く 天風瞑想録」読書メモ(かっこ内はページ)
◇第1章 生命の力
・心というものは、万物を産み出す宇宙本体の有する無限の力を、自分の生命の中へ受け入れるパイプと同様である、ということである。(48)
・「人間の生命に与えられた生きる力というものは、肉体にあるのではなく、霊魂という気の中にある」(45)
・「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」(46)
・宇宙エネルギーには建設の法則を行なう力と、破壊の法則を行なう力がある、いわゆるプラスとマイナスである。この建設と破壊の比例配合が常にプラスが勝っているときは建設の作用が現実に行なわれる。あの人は丈夫だ、あの人は運がいいというのは、宇宙エネルギーの受け入れた結果にプラスの多いときである。マイナスの要素が多く働くと、破壊の作用が行われ、運が悪くなり、健康も悪くなる。(47)
・宇宙エネルギーの受け入れ過程は、脳髄から神経系統に受け入れられて、それから肉体に伝えられ、我々が現象界にその命を活かす道具として与えられている肉体を活動させているのである。(48)
・心が積極か、消極かという態度に応じて、宇宙霊はそれに順応して働き出し、その人生を良くも悪くもするのである。(51)
・元気という気が出たときに、人間と宇宙霊とが完全に結び付いたことになるからである。(52)
◇第2章 人生を支配する法則
・自然界と称するところの眼に見える宇宙ができあがるまでには、眼に見えない宇宙が、その以前からすでに厳として存在していたに相違いないのである。これを考えなければいけない。なぜならば無から有は生じないからである。この目に見えないものから、目に見えるものを作った、幽玄微妙な事実こそ、宇宙霊が偉大なる霊智的大生命を持つ証拠である。であるから宇宙の最初は、ただこの宇宙霊のみであったといえる。(74)
・自分というものは、一人でいるのではない。常に宇宙霊というものに包まれていて、しかも宇宙霊は全知全能の力を持っている。それと結びついている生命を自分が持っているのである。(79)
◇第3章 潜在意識とその性能
・異なる意識の領域とは、「潜在意識」と「実在意識」という二つの意識である。(81)
・生まれながらにして宇宙霊から分与されているこの偉大な力は、人間の潜在意識の中に充満しているからこそ、この偉大なる力を発動させて人生を雄大に荘厳に活きねば嘘である。(90)
◇第4章 言葉と人生
・「お前は自分の使っている言葉によって自分の気持ちが駄目にされたり、あるいは非常に鼓舞奨励されたりする直接的な事実を少しも考えていないなあ」(95)
・積極的な言葉を表現した場合には、生命の一切が極めて状態の良い事実になって現れてくる。けれども、万が一、消極的な怒り、悲しみ、悶え、迷い、そして悩みが遠慮なく口から出されるという場合には、もう恐ろしい結果を神経系統の生活機能に与えてしまうのである。(99)
・常に言葉に慎重な注意を払い、いかなる時にも積極的以外の言葉を使わぬように心がけることである。…期せずして健康も運命も完全になる。(101)
・言葉は、人生を左右する力のある哲学であり、科学であるということがいえる。(111)
・何とか銭を貯めて、老後を楽にしよう、なんて考え方をしようとすると、造物主は、苦労しないで楽が出来るように、すぐ墓場に持っていってしまうよ!(113)
◇第五章 大いなる悟り
・真剣に気づかねばならないことは、人間の心の大きさある。果てしない大宇宙よりも、人間の心の方が偉大であるということである。(119)
・造物主の無限の力を正しく自覚し、同時にその無限の力を、心の働きと力で、人の命の中へ受け入れ、万物の霊長たる資格を完全に発揮し、同時に、造物主主心持ちである進化向上に順応し、人という人の間を睦まじく、造り上げていくために、こうした偉大な心が与えられているのである。(121)
・哲学的にいうなら、あなた方の自我の中には、造物主の無限の属性が、宿っている。(122)
・人間として考えなければならない一番必要なことは、どんな場合があろうとこの、造物主との自分の生命との結び目を堅固に確保することである。この結び目を堅固に保たないと、病が出たり不運が来たりするのである。(123)
・健康が悪くなるのも、運命が悪くなるのも、もとは自分にあるのだ。天に向って唾したのが降りかかってきたのだ。(127)
・病になったならば、病をむしろ忘れるくらいな気持ちになりなさい。(130)
・自分の心の持ち方さえ積極的であれば、その心の中にいただいた生命の力というものは逃げやしない。消極的になったら水を入れた桶に穴を開けたと同じようになってしまう。(130)
◇第6章 「人生と運命」
・運命には二種類あることを知らないのだ。すなわち天命と宿命というものがある。天命は絶対で、宿命は相対的なものである。もっと判りやすくいうなら、天命というものはどうすることも出来ない。しかし、宿命というのは、人間の力で打ち開いて行くことが出来るものである。(136)
・文化の世の中に、いまだに易がどうだ、占いがどうだ、拝み屋がどうだ、八卦がどうだ……と、バカバカしく下らないことをいっている者が、なんと多いことか。(139)
・一年が約三百六十五日四分の一、それだけかかって、太陽を中心に廻っている地球に、日がいいとか悪いとかあるわけがない。(140)
・良い運命の主人公として活きていきたかったら、何を措いてもまず、心を積極的にすることに注意深くし、始終自分の心を監督して行かなくてはならない。(147)
・宿命統制にもう一つ必要なことがある。それは常に、心の中に感謝と歓喜の感情を、もたせるよう心がけることである。(147)
・卑劣な気持ち、弱い気持ち、憎み、妬み、悔みの気持ちや、また怒り、悲しみ、怖れ、という気持ちや言葉は、その人々の血液に毒素を生じ、生理的な不調和をきたす。(149)
・たとえどんな病があろうと生きているということは何とありがたいことじゃないか。(151)
・こうして生きていることに対する歓喜の気持ちをもとう。ただし歓喜といっても厳密にいうと、二種類ある。肉体的歓喜と精神的歓喜である。…肉体的歓喜も人生に必要なものではあるが、本質的に比較すると精神的歓喜の方が遥かに高い価値をもつ。(153)
・「人生は心一つの置きどころ」(135)
・私は毎晩の寝がけに「今日一日、本当にありがとうございました。本当に嬉しく、ありがたく、これからやすませていただきます」。鏡を前に置いて、顔を写して、じいっと顔を見て、「お前は信念が、強くなる!」と一言いって、床の中に入る。(139)
・ふたたびは 来らんものを 今日の日は
ただ ほがらかに 活きてぞ たのし
悲しくば あす悲しまめ 今日の日は
光うるおしく 吾れを 照らすを(160)
◇第七章 「人間の生命の本来の面目」
・いくつになっても、いかなる場合も、自己向上を怠らないようにすること、これが自分の生命の本来の理想的な活き方なのだ。そういう気持ちを持っていると、いつまで年老いても、極めて壮健で元気よく、人並み以上の若さと溌剌さに満たされ、その生命というものは、活躍してくれるのである。(175)
・自己向上の意欲の薄くなった人は、どうしても老衰を早める。そうなる理由は、造物主から与えられる。生命を支える活力を受け入れる口をわざわざ自分で塞いでいるからだ。(176)
・この世の中に造糞器は要らない。(178)
・学生なんかは、「いやだなあ。試験のために、しょっちゅう勉強しなければならない」というが、試験を受けるために勉強しているんじゃない。自己を向上させるために、勉強するんだから、試験は楽しいものでなくてはいけない。試験がなければ、自分が進歩したかどうかわからないじゃないか。(182)
◇第八章 「人生の羅針盤」
・理解と自覚とはまったく違う。理解というのは、ただわかったというだけであり、自覚というのは、本当に自分の魂に受け入れたということなのである。(188)
・迷信は文化民族の恥辱である。それは信念がなく、心が消極的になっているから、そのような迷信などに走るのだ。(202)
・信念、それは人生を動かす羅針盤のごとき尊いものである。(206)
◇第九章 「第一義的な活き方」
・凡人というものは、環境をやたらに呪い、運命をやたらに悲観することのみを人生の毎日にしている人が多くはないか。そういう人間は、たとえどんなに金が出来ようが、どんなに境遇がよくなろうが、そんなに自分が高まろうが本当の幸福は感じない。(219)
・自分の心が幸福を呼ばなければ、幸福は来やしない(219)
・金魚を見ろ。金魚は鉢の中に飼われて自由は利かない。そして不平不満をいわない。(221)
・生きていることを、ただありがたく感謝しなさい!(224)
・歓喜の世界に悲哀はなく、感謝の世界には不満はない。(226)
・たとい身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。(239)
・一切の苦しみをも、なお楽しみとなすの強きを心にもたせよう。(240)
◇第十章 「恐怖への戒め」
・人事世事一切の出来事に対して、物を怖れるという気持ちくらい、価値のない結果を人生にもたらすものはない。(244)
◇第十一章 「勇気と不幸福撃退」
・第一に必要なことは、何事にもやたらに悲観したり心配したりして、すべてのことを消極的に思ったり考えたりすることを止めることである。(258)
・この大宇宙の中には精気というものがあって、その精気の中には、積極の気と消極の気が入り混って、遍満している。その気が人間の心の中の気分と常に同化的に働いている。積極的なことを考えればプラス(正)の気が入ってくるし、消極的の気分になればマイナス(負)の気が入ってくる。(262)
・人生には特に病が生じたり、運命が悪くなったときは、ひとしおその生命の力をより強くする必要があるときなのである。何でもないときは、さもあらばあれ、病や運命が悪くなったときには、そのときこそ、生命を守る戦いを開始しなければならないのだ。(263)
・人間の生命の本体というものは、形ある肉体ではない。ちょっと考えると、形のある肉体であるかのごとく見えるが、実は形の見えない気の中にあるのである。(265)
・頑健な肉体を持たず、見るからに弱々しい体であっても、相当に長生きし、世の中のために仕事をなしている人が、昔から随分といる。イマヌエル・カントや、ヘレン・ケラーや平田篤胤、貝原益軒というような人は、その代表的な人達だ。(261)
◇第十二章 「理想と想像」
・理想というものは立派な“宗教”である。(276)
・だから、立派な理想を持つ人は、神や仏という目標を定めて、信仰なんかする必要はない。(277)
・現代人の信仰なるものは、いつもいうとおり、第二義的なものばかりであるといっても決して言い過ぎではないような、神や仏にすがりつき、依頼するというな、実に横着で、打算的な態度で信仰している。神詣でや仏参りをしても、まず頼むことは自分のことである。「どうか丈夫でありますように。商売繁盛するように」と。無事息災、家内安全、商売繁盛……他人のことなんかちっとも考えやしない。神詣でや仏参りに、自分を捨てて、他の人の幸福を希求するような祈りをしている人は、ほとんどいやしない。)278)
・神や仏の前で、もし頼むことがあるとすれば、「この世の中の多くの人々が、もっともっと幸福に活きられるように見守って下さい」ということ。これ以外は頼むことはない。(278)
◇第十三章 「一念不動」
・折あるごとに、自分の希望するところ、求むるところのものを「実現する!実現する」と繰り返して自分自身にいう。すでに、その求むるところのものを、半ば以上、自分のものにしたのと同様の道筋に入ったのである。そしてその後は、ひたすらに信念を堅固にし、これを繰り返していると、宇宙霊は、自然的な経路で、自動的にその求むることを実現してくるのである。(228)
今日の
最低気温2.0度、最高気温11.2度。晴れ。
↓良寛牛乳ソフト

○……良寛牛乳を製造販売している出雲崎町の「良寛」が事業を停止したという。上越地方のスーパーでも販売されている。昨年8月に「出雲崎ストリートジャズ」を聴きに出雲崎天領の里に行った際、良寛牛乳を使った名物の「良寛コーヒーソフトクリーム」(450円)を食べた。1日600個も売れるヒット商品になったのに、牛乳が供給されなくなれば販売できなくなるかも。
ストリートジャズの近くで開かれていた「こだわり出雲崎産フェア」で、良寛牛乳の“きき牛乳”が行われていた。最初に良寛牛乳を飲み、次に良寛牛乳を含む3種類の牛乳を飲んで、どれが良寛牛乳か当てるもの。良寛牛乳は特有の甘さと後味があり、かなり自信をもって「これです」と言ったら、「大当たり」だったのを思い出す。
上越でも、塚田牛乳が平成19年(2007年)、廃業してしている。コーヒー牛乳の味は忘れられない(新潟市の塚田牛乳とは違う会社)。
日清・日露戦争当時は軍事探偵(スパイ)として諜報活動していた。戦後は不治の病であった結核(奔馬性肺結核)にかかるが、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家、医者を訪ねて問うが答えを得られず、失意のなかを帰国の途中、途中エジプトのカイロでヨガの指導者カリアッパ師と邂逅。ヒマラヤの麓で指導を受け健康を回復し悟りを得たとされる。日本に帰国後、一時は実業界で成功を収めるが、自身の経験と悟りを伝えるために講演活動を開始。その哲学は「天風哲学」と呼ばれ、東郷平八郎、原敬、北村西望、松下幸之助、本田宗一郎、宇野千代、双葉山、稲盛和夫、広岡達朗、海外ではロックフェラー3世など多くの著名人が教えの心身統一法を学び、影響を受けた。
何冊かを買い込んできたが、最初に読む一冊は「運命を拓く 天風瞑想録」(講談社)という本だ。これで天風哲学の一端を学び、次は心身統一法を学ぼうと思う。

380ページの本を、行ったり戻ったりして、きちんと理解しながら読み進め、気になった言葉を書きとめた。こんなにじっくり、1ページ1ページ本を読んだことはない。人によって、心にズシンとくる言葉は違うはずだ。このメモを参考に、本書を読まれることをお勧めしたい。難しい言葉や哲学が出てくるが、実際に講演などで話した言葉なので、難しいところは言い方を変えて話しているので、哲学書を読むような難しさはない。
この本の前書き部分に「天風会」の杉山彦一会長が、天風の一生のダイジェストを26ページにわたって書いている。ここを読んだだけで、中村天風の波乱万丈の人生が分かる。まさにすごい人だ。
読み終わって、「宇宙とはなにか」「神はいるのか」「生命とは何か」「言葉の重要さ」「心の強さ」などを学んだ。
◆「運命を拓く 天風瞑想録」読書メモ(かっこ内はページ)
◇第1章 生命の力
・心というものは、万物を産み出す宇宙本体の有する無限の力を、自分の生命の中へ受け入れるパイプと同様である、ということである。(48)
・「人間の生命に与えられた生きる力というものは、肉体にあるのではなく、霊魂という気の中にある」(45)
・「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」(46)
・宇宙エネルギーには建設の法則を行なう力と、破壊の法則を行なう力がある、いわゆるプラスとマイナスである。この建設と破壊の比例配合が常にプラスが勝っているときは建設の作用が現実に行なわれる。あの人は丈夫だ、あの人は運がいいというのは、宇宙エネルギーの受け入れた結果にプラスの多いときである。マイナスの要素が多く働くと、破壊の作用が行われ、運が悪くなり、健康も悪くなる。(47)
・宇宙エネルギーの受け入れ過程は、脳髄から神経系統に受け入れられて、それから肉体に伝えられ、我々が現象界にその命を活かす道具として与えられている肉体を活動させているのである。(48)
・心が積極か、消極かという態度に応じて、宇宙霊はそれに順応して働き出し、その人生を良くも悪くもするのである。(51)
・元気という気が出たときに、人間と宇宙霊とが完全に結び付いたことになるからである。(52)
◇第2章 人生を支配する法則
・自然界と称するところの眼に見える宇宙ができあがるまでには、眼に見えない宇宙が、その以前からすでに厳として存在していたに相違いないのである。これを考えなければいけない。なぜならば無から有は生じないからである。この目に見えないものから、目に見えるものを作った、幽玄微妙な事実こそ、宇宙霊が偉大なる霊智的大生命を持つ証拠である。であるから宇宙の最初は、ただこの宇宙霊のみであったといえる。(74)
・自分というものは、一人でいるのではない。常に宇宙霊というものに包まれていて、しかも宇宙霊は全知全能の力を持っている。それと結びついている生命を自分が持っているのである。(79)
◇第3章 潜在意識とその性能
・異なる意識の領域とは、「潜在意識」と「実在意識」という二つの意識である。(81)
・生まれながらにして宇宙霊から分与されているこの偉大な力は、人間の潜在意識の中に充満しているからこそ、この偉大なる力を発動させて人生を雄大に荘厳に活きねば嘘である。(90)
◇第4章 言葉と人生
・「お前は自分の使っている言葉によって自分の気持ちが駄目にされたり、あるいは非常に鼓舞奨励されたりする直接的な事実を少しも考えていないなあ」(95)
・積極的な言葉を表現した場合には、生命の一切が極めて状態の良い事実になって現れてくる。けれども、万が一、消極的な怒り、悲しみ、悶え、迷い、そして悩みが遠慮なく口から出されるという場合には、もう恐ろしい結果を神経系統の生活機能に与えてしまうのである。(99)
・常に言葉に慎重な注意を払い、いかなる時にも積極的以外の言葉を使わぬように心がけることである。…期せずして健康も運命も完全になる。(101)
・言葉は、人生を左右する力のある哲学であり、科学であるということがいえる。(111)
・何とか銭を貯めて、老後を楽にしよう、なんて考え方をしようとすると、造物主は、苦労しないで楽が出来るように、すぐ墓場に持っていってしまうよ!(113)
◇第五章 大いなる悟り
・真剣に気づかねばならないことは、人間の心の大きさある。果てしない大宇宙よりも、人間の心の方が偉大であるということである。(119)
・造物主の無限の力を正しく自覚し、同時にその無限の力を、心の働きと力で、人の命の中へ受け入れ、万物の霊長たる資格を完全に発揮し、同時に、造物主主心持ちである進化向上に順応し、人という人の間を睦まじく、造り上げていくために、こうした偉大な心が与えられているのである。(121)
・哲学的にいうなら、あなた方の自我の中には、造物主の無限の属性が、宿っている。(122)
・人間として考えなければならない一番必要なことは、どんな場合があろうとこの、造物主との自分の生命との結び目を堅固に確保することである。この結び目を堅固に保たないと、病が出たり不運が来たりするのである。(123)
・健康が悪くなるのも、運命が悪くなるのも、もとは自分にあるのだ。天に向って唾したのが降りかかってきたのだ。(127)
・病になったならば、病をむしろ忘れるくらいな気持ちになりなさい。(130)
・自分の心の持ち方さえ積極的であれば、その心の中にいただいた生命の力というものは逃げやしない。消極的になったら水を入れた桶に穴を開けたと同じようになってしまう。(130)
◇第6章 「人生と運命」
・運命には二種類あることを知らないのだ。すなわち天命と宿命というものがある。天命は絶対で、宿命は相対的なものである。もっと判りやすくいうなら、天命というものはどうすることも出来ない。しかし、宿命というのは、人間の力で打ち開いて行くことが出来るものである。(136)
・文化の世の中に、いまだに易がどうだ、占いがどうだ、拝み屋がどうだ、八卦がどうだ……と、バカバカしく下らないことをいっている者が、なんと多いことか。(139)
・一年が約三百六十五日四分の一、それだけかかって、太陽を中心に廻っている地球に、日がいいとか悪いとかあるわけがない。(140)
・良い運命の主人公として活きていきたかったら、何を措いてもまず、心を積極的にすることに注意深くし、始終自分の心を監督して行かなくてはならない。(147)
・宿命統制にもう一つ必要なことがある。それは常に、心の中に感謝と歓喜の感情を、もたせるよう心がけることである。(147)
・卑劣な気持ち、弱い気持ち、憎み、妬み、悔みの気持ちや、また怒り、悲しみ、怖れ、という気持ちや言葉は、その人々の血液に毒素を生じ、生理的な不調和をきたす。(149)
・たとえどんな病があろうと生きているということは何とありがたいことじゃないか。(151)
・こうして生きていることに対する歓喜の気持ちをもとう。ただし歓喜といっても厳密にいうと、二種類ある。肉体的歓喜と精神的歓喜である。…肉体的歓喜も人生に必要なものではあるが、本質的に比較すると精神的歓喜の方が遥かに高い価値をもつ。(153)
・「人生は心一つの置きどころ」(135)
・私は毎晩の寝がけに「今日一日、本当にありがとうございました。本当に嬉しく、ありがたく、これからやすませていただきます」。鏡を前に置いて、顔を写して、じいっと顔を見て、「お前は信念が、強くなる!」と一言いって、床の中に入る。(139)
・ふたたびは 来らんものを 今日の日は
ただ ほがらかに 活きてぞ たのし
悲しくば あす悲しまめ 今日の日は
光うるおしく 吾れを 照らすを(160)
◇第七章 「人間の生命の本来の面目」
・いくつになっても、いかなる場合も、自己向上を怠らないようにすること、これが自分の生命の本来の理想的な活き方なのだ。そういう気持ちを持っていると、いつまで年老いても、極めて壮健で元気よく、人並み以上の若さと溌剌さに満たされ、その生命というものは、活躍してくれるのである。(175)
・自己向上の意欲の薄くなった人は、どうしても老衰を早める。そうなる理由は、造物主から与えられる。生命を支える活力を受け入れる口をわざわざ自分で塞いでいるからだ。(176)
・この世の中に造糞器は要らない。(178)
・学生なんかは、「いやだなあ。試験のために、しょっちゅう勉強しなければならない」というが、試験を受けるために勉強しているんじゃない。自己を向上させるために、勉強するんだから、試験は楽しいものでなくてはいけない。試験がなければ、自分が進歩したかどうかわからないじゃないか。(182)
◇第八章 「人生の羅針盤」
・理解と自覚とはまったく違う。理解というのは、ただわかったというだけであり、自覚というのは、本当に自分の魂に受け入れたということなのである。(188)
・迷信は文化民族の恥辱である。それは信念がなく、心が消極的になっているから、そのような迷信などに走るのだ。(202)
・信念、それは人生を動かす羅針盤のごとき尊いものである。(206)
◇第九章 「第一義的な活き方」
・凡人というものは、環境をやたらに呪い、運命をやたらに悲観することのみを人生の毎日にしている人が多くはないか。そういう人間は、たとえどんなに金が出来ようが、どんなに境遇がよくなろうが、そんなに自分が高まろうが本当の幸福は感じない。(219)
・自分の心が幸福を呼ばなければ、幸福は来やしない(219)
・金魚を見ろ。金魚は鉢の中に飼われて自由は利かない。そして不平不満をいわない。(221)
・生きていることを、ただありがたく感謝しなさい!(224)
・歓喜の世界に悲哀はなく、感謝の世界には不満はない。(226)
・たとい身に病があっても、心まで病ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。(239)
・一切の苦しみをも、なお楽しみとなすの強きを心にもたせよう。(240)
◇第十章 「恐怖への戒め」
・人事世事一切の出来事に対して、物を怖れるという気持ちくらい、価値のない結果を人生にもたらすものはない。(244)
◇第十一章 「勇気と不幸福撃退」
・第一に必要なことは、何事にもやたらに悲観したり心配したりして、すべてのことを消極的に思ったり考えたりすることを止めることである。(258)
・この大宇宙の中には精気というものがあって、その精気の中には、積極の気と消極の気が入り混って、遍満している。その気が人間の心の中の気分と常に同化的に働いている。積極的なことを考えればプラス(正)の気が入ってくるし、消極的の気分になればマイナス(負)の気が入ってくる。(262)
・人生には特に病が生じたり、運命が悪くなったときは、ひとしおその生命の力をより強くする必要があるときなのである。何でもないときは、さもあらばあれ、病や運命が悪くなったときには、そのときこそ、生命を守る戦いを開始しなければならないのだ。(263)
・人間の生命の本体というものは、形ある肉体ではない。ちょっと考えると、形のある肉体であるかのごとく見えるが、実は形の見えない気の中にあるのである。(265)
・頑健な肉体を持たず、見るからに弱々しい体であっても、相当に長生きし、世の中のために仕事をなしている人が、昔から随分といる。イマヌエル・カントや、ヘレン・ケラーや平田篤胤、貝原益軒というような人は、その代表的な人達だ。(261)
◇第十二章 「理想と想像」
・理想というものは立派な“宗教”である。(276)
・だから、立派な理想を持つ人は、神や仏という目標を定めて、信仰なんかする必要はない。(277)
・現代人の信仰なるものは、いつもいうとおり、第二義的なものばかりであるといっても決して言い過ぎではないような、神や仏にすがりつき、依頼するというな、実に横着で、打算的な態度で信仰している。神詣でや仏参りをしても、まず頼むことは自分のことである。「どうか丈夫でありますように。商売繁盛するように」と。無事息災、家内安全、商売繁盛……他人のことなんかちっとも考えやしない。神詣でや仏参りに、自分を捨てて、他の人の幸福を希求するような祈りをしている人は、ほとんどいやしない。)278)
・神や仏の前で、もし頼むことがあるとすれば、「この世の中の多くの人々が、もっともっと幸福に活きられるように見守って下さい」ということ。これ以外は頼むことはない。(278)
◇第十三章 「一念不動」
・折あるごとに、自分の希望するところ、求むるところのものを「実現する!実現する」と繰り返して自分自身にいう。すでに、その求むるところのものを、半ば以上、自分のものにしたのと同様の道筋に入ったのである。そしてその後は、ひたすらに信念を堅固にし、これを繰り返していると、宇宙霊は、自然的な経路で、自動的にその求むることを実現してくるのである。(228)
今日の足跡
最低気温2.0度、最高気温11.2度。晴れ。
↓良寛牛乳ソフト

○……良寛牛乳を製造販売している出雲崎町の「良寛」が事業を停止したという。上越地方のスーパーでも販売されている。昨年8月に「出雲崎ストリートジャズ」を聴きに出雲崎天領の里に行った際、良寛牛乳を使った名物の「良寛コーヒーソフトクリーム」(450円)を食べた。1日600個も売れるヒット商品になったのに、牛乳が供給されなくなれば販売できなくなるかも。
ストリートジャズの近くで開かれていた「こだわり出雲崎産フェア」で、良寛牛乳の“きき牛乳”が行われていた。最初に良寛牛乳を飲み、次に良寛牛乳を含む3種類の牛乳を飲んで、どれが良寛牛乳か当てるもの。良寛牛乳は特有の甘さと後味があり、かなり自信をもって「これです」と言ったら、「大当たり」だったのを思い出す。
上越でも、塚田牛乳が平成19年(2007年)、廃業してしている。コーヒー牛乳の味は忘れられない(新潟市の塚田牛乳とは違う会社)。
14日20時19分=2022年=
西村京太郎の「急行奥只見殺人事件」
今から37年前の1985年に刊行された西村京太郎のトラベルミステリー「急行奥只見殺人事件」を再読した。というのは、今週末に福島県の只見線へ乗りに行くからだ。

只見線は2011年7月の新潟・福島豪雨で鉄橋の流失や線路の崩壊など甚大な被害を受けた。この区間で3つの橋が流され、約11年にわたり不通となり、代行バスの運行が続いていた。それが今年10月1日に会津川口~只見間が復旧され、会津若松ー小出間の延長135.2kmが完全復旧となったのだ。
国有数の秘境路線と言われ、「好きなJRローカル線」の第1位に選ばれたこともある。紅葉の時期は少し過ぎてしまったが、「思い立ったが吉日」。只見線に初めて乗ることに決めた。
時刻表などを調べているうちに、以前読んだ「急行奥只見殺人事件」を思い出し、何となくページをめくっていたら、面白くて一晩で最後まで読み通してしまった。
トリックに使われる急行「奥只見」はすでに走っていない。急行「奥只見」は小出ではなく、浦佐駅から出発する。その浦佐で最初の殺人事件が発生。一方、会津若松の鶴ヶ城では男が堀に転落死した。さらに浦佐と会津若松の間の奥只見郷でも男の水死体があがった。1つの路線で立て続けに起きた殺人事件。地元の福島県警は、会津若松で起きた一件を、事故死としてしか見ていない。
それぞれの死体の中からなぜか見つかった「ラムネ菓子」は、どんな意味があるのか。警察との軋轢を乗り越えて、十津川警部達が辿りついた真実とは?というストーリー。
背後には男同士の嫉妬、男だけの会員制クラブを守りたいプライドなどの愛憎劇があり、後半はひとひねりのある展開となる。
ところで、西村京太郎のトラベルミステリーは、その地域の名物や歴史などをさりげなく織り込んでいて、旅情がかき立てられる。本作では、鶴ヶ城はもとより、白虎隊、会津歴史館、飯盛山、東山温泉、大湯温泉、野口英世、奥只見郷、入広瀬の山菜共和国、大内宿などが出てくる。
事件捜査のため、会津若松駅に着いた十津川警部たちは、田楽がおいしい店として「満田(みつた)屋」が実名で出てくる。「さといも、こんにゃく、にしん、餅など、その場で焼いて、秘伝の味噌をつけて、食べさせる」と書いてある。この店はぜひ行ってみたい。
今日の
最低気温 度、最高気温 度。

○……友人からもらった静岡特産の「次郎柿」。日本三大柿の一つだという。とても大きく、四角い形。さっそく食べてみると、カリカリ、コリコリした食感で、上品な甘さである。
○……8日はインフルエンザの予防注射、11日は人間ドックだった。来月7日にはコロナワクチンの注射(5回目)と続く。コロナの感染者が徐々に増えてきた。この冬をなんとか乗りきらなければ。

只見線は2011年7月の新潟・福島豪雨で鉄橋の流失や線路の崩壊など甚大な被害を受けた。この区間で3つの橋が流され、約11年にわたり不通となり、代行バスの運行が続いていた。それが今年10月1日に会津川口~只見間が復旧され、会津若松ー小出間の延長135.2kmが完全復旧となったのだ。
国有数の秘境路線と言われ、「好きなJRローカル線」の第1位に選ばれたこともある。紅葉の時期は少し過ぎてしまったが、「思い立ったが吉日」。只見線に初めて乗ることに決めた。
時刻表などを調べているうちに、以前読んだ「急行奥只見殺人事件」を思い出し、何となくページをめくっていたら、面白くて一晩で最後まで読み通してしまった。
トリックに使われる急行「奥只見」はすでに走っていない。急行「奥只見」は小出ではなく、浦佐駅から出発する。その浦佐で最初の殺人事件が発生。一方、会津若松の鶴ヶ城では男が堀に転落死した。さらに浦佐と会津若松の間の奥只見郷でも男の水死体があがった。1つの路線で立て続けに起きた殺人事件。地元の福島県警は、会津若松で起きた一件を、事故死としてしか見ていない。
それぞれの死体の中からなぜか見つかった「ラムネ菓子」は、どんな意味があるのか。警察との軋轢を乗り越えて、十津川警部達が辿りついた真実とは?というストーリー。
背後には男同士の嫉妬、男だけの会員制クラブを守りたいプライドなどの愛憎劇があり、後半はひとひねりのある展開となる。
ところで、西村京太郎のトラベルミステリーは、その地域の名物や歴史などをさりげなく織り込んでいて、旅情がかき立てられる。本作では、鶴ヶ城はもとより、白虎隊、会津歴史館、飯盛山、東山温泉、大湯温泉、野口英世、奥只見郷、入広瀬の山菜共和国、大内宿などが出てくる。
事件捜査のため、会津若松駅に着いた十津川警部たちは、田楽がおいしい店として「満田(みつた)屋」が実名で出てくる。「さといも、こんにゃく、にしん、餅など、その場で焼いて、秘伝の味噌をつけて、食べさせる」と書いてある。この店はぜひ行ってみたい。
今日の足跡
最低気温 度、最高気温 度。

○……友人からもらった静岡特産の「次郎柿」。日本三大柿の一つだという。とても大きく、四角い形。さっそく食べてみると、カリカリ、コリコリした食感で、上品な甘さである。
○……8日はインフルエンザの予防注射、11日は人間ドックだった。来月7日にはコロナワクチンの注射(5回目)と続く。コロナの感染者が徐々に増えてきた。この冬をなんとか乗りきらなければ。
13日21時55分=2022年=
朝鮮戦争が勃発!「角栄に花束を」7巻
私が生まれる前の朝鮮戦争や特需などの時代の雰囲気が、迫力ある漫画で迫ってくる。角栄が炭菅疑獄の裁判で逆転無罪を勝ち取り、いよいよ政治家としての力を発揮していく。待望の第7巻だ。

第7巻は東西冷戦のさなかの1950年(昭和25年)、北朝鮮軍が韓国に侵攻し朝鮮戦争が勃発するところから始まる。日本は軍需品の一大生産地になり、特需で湧く。
米軍は朝鮮戦争で手一杯で、GHQは日本に「警察予備隊」を作れと厳命する。日本は日清、日露の2つの戦争で国家予算の何十倍もの国債を発行し、戦費を外国から調達した。その償還時期が迫っていた。債務不履行の道があったが、角栄は大反対。「貸した金は忘れろ。だが、借りた金は絶対忘れるな」と。日本の復興には国家としての信用が必要だと説く。
力を発揮し始めた角栄の元には連日陳情客が押しかけた。ある日、傾きかけた長岡鉄道の社長になってくれとの陳情。考えた挙げ句、角栄は引き受ける。“電化の神”衆議院議員の西村英一の協力を得るが、職人気質で、車両も整流器もすべて西村が選定するという。社長として株主総会に出た角栄は「俺だって(赤字路線の社長なんか)やりたかねぇや。俺がやめたら長鉄は廃線。アンタらの株券も紙くずだ」と大演説をぶつ。そして「長岡鉄道を立て直すことができなかったら、二度と故郷の土は踏まねぇ」と。
株主総会の雰囲気は一変するが、朝鮮戦争で物資が不足し、インフレで工賃がうなぎ上り。「お金はどうするか」と迫られる。資金は池田勇人が作ろうとしている日本開発銀行から借りる算段。しかし、GHQから横槍が入り、半分しか融資が受けられない。だが、無事に日本開発銀行が設立され、着工にこぎつける。
角栄は炭菅疑獄の裁判で逆転無罪を勝ち取る。
サンフランシスコ講和会議(第二次大戦を終結させるため、日本と連合国との間で行われた会議)が大詰めの中、角栄の師であり、衆議院議長だった幣原喜重郎が亡くなる。そして、アメリカのトルーマン大統領は、GHQの最高司令官マッカーサー元帥を解任した。中国が朝鮮戦争に参戦し、さらにはソ連が背後にいる。世界戦争になるおそれがあるためだ。
講和会議では植民地のインドネシアを失ったオランダが反対した。インドネシアはスカルノ(のちの大統領)により独立してしまったのだ。旧日本軍人が独立を支援したこともあり、対日感情は最悪。そこで、日本第2位の面積を持つ八郎潟の干拓工事を、埋め立て技術に優れたオランダに任せる作戦だ。
そしてソ連が講和会議に出席するという連絡が入り、雲行きが怪しくなる。果たして、日本は講和条約を締結し、悲願の日本国独立(主権回復)を勝ち取れるのか。
来春の第8巻発刊までのお楽しみ。
今日の
最低気温11.9度、最高気温20.6度。曇り。
○……今秋、初めての栗ご飯。うまいなぁ。塩味の付け方が肝心。米1合に対し、塩(自然塩)は小さじ1強ぐらいがベストだな。
○……岸田内閣は、支持率が最低となり、いつまでもつのだろう。岸田首相は国会などで「検討する」と答えるだけで「検討使」というあだ名が付いた。
円の暴落やインフレに何の手も打たない。旧統一教会とかかわる官僚や自民党員にも何もしない。安倍元首相と旧統一教会との関係を調査しない。国葬だけは強行した。コロナ対策は行き当たりばったり。

第7巻は東西冷戦のさなかの1950年(昭和25年)、北朝鮮軍が韓国に侵攻し朝鮮戦争が勃発するところから始まる。日本は軍需品の一大生産地になり、特需で湧く。
米軍は朝鮮戦争で手一杯で、GHQは日本に「警察予備隊」を作れと厳命する。日本は日清、日露の2つの戦争で国家予算の何十倍もの国債を発行し、戦費を外国から調達した。その償還時期が迫っていた。債務不履行の道があったが、角栄は大反対。「貸した金は忘れろ。だが、借りた金は絶対忘れるな」と。日本の復興には国家としての信用が必要だと説く。
力を発揮し始めた角栄の元には連日陳情客が押しかけた。ある日、傾きかけた長岡鉄道の社長になってくれとの陳情。考えた挙げ句、角栄は引き受ける。“電化の神”衆議院議員の西村英一の協力を得るが、職人気質で、車両も整流器もすべて西村が選定するという。社長として株主総会に出た角栄は「俺だって(赤字路線の社長なんか)やりたかねぇや。俺がやめたら長鉄は廃線。アンタらの株券も紙くずだ」と大演説をぶつ。そして「長岡鉄道を立て直すことができなかったら、二度と故郷の土は踏まねぇ」と。
株主総会の雰囲気は一変するが、朝鮮戦争で物資が不足し、インフレで工賃がうなぎ上り。「お金はどうするか」と迫られる。資金は池田勇人が作ろうとしている日本開発銀行から借りる算段。しかし、GHQから横槍が入り、半分しか融資が受けられない。だが、無事に日本開発銀行が設立され、着工にこぎつける。
角栄は炭菅疑獄の裁判で逆転無罪を勝ち取る。
サンフランシスコ講和会議(第二次大戦を終結させるため、日本と連合国との間で行われた会議)が大詰めの中、角栄の師であり、衆議院議長だった幣原喜重郎が亡くなる。そして、アメリカのトルーマン大統領は、GHQの最高司令官マッカーサー元帥を解任した。中国が朝鮮戦争に参戦し、さらにはソ連が背後にいる。世界戦争になるおそれがあるためだ。
講和会議では植民地のインドネシアを失ったオランダが反対した。インドネシアはスカルノ(のちの大統領)により独立してしまったのだ。旧日本軍人が独立を支援したこともあり、対日感情は最悪。そこで、日本第2位の面積を持つ八郎潟の干拓工事を、埋め立て技術に優れたオランダに任せる作戦だ。
そしてソ連が講和会議に出席するという連絡が入り、雲行きが怪しくなる。果たして、日本は講和条約を締結し、悲願の日本国独立(主権回復)を勝ち取れるのか。
来春の第8巻発刊までのお楽しみ。
今日の足跡
最低気温11.9度、最高気温20.6度。曇り。
○……今秋、初めての栗ご飯。うまいなぁ。塩味の付け方が肝心。米1合に対し、塩(自然塩)は小さじ1強ぐらいがベストだな。
○……岸田内閣は、支持率が最低となり、いつまでもつのだろう。岸田首相は国会などで「検討する」と答えるだけで「検討使」というあだ名が付いた。
円の暴落やインフレに何の手も打たない。旧統一教会とかかわる官僚や自民党員にも何もしない。安倍元首相と旧統一教会との関係を調査しない。国葬だけは強行した。コロナ対策は行き当たりばったり。
15日21時54分=2022年=
お盆は音楽と本三昧
公私ともお世話になっていた人が今年2月に若くして亡くなり、もう半年が過ぎた。本と音楽を趣味にしていた人で、膨大な本とCDがダンボールに何十箱も残され、1か月ほど前に自宅を訪ね、その一部をいただいてきた。形見分けみたいなものだろうか。

コロナ感染も県内で毎日3000人前後が出ているし、今年のお盆は墓参り以外はどこにも行かなかったので、頂いてきたダンボール箱1箱分の本の一部を読み、CDを聴いて過ごした。
本は怪奇ミステリーが中心で趣味があまり合わなかったが、江戸川乱歩、遠藤周作、阿刀田高、西村賢太、倉橋由美子などをいただいてきた。
CDはジャズだけ選んできた。渡辺貞夫、椎名豊、ジミー・スコット、スタン・ゲッツなど。
どの本もCDもきれいで、大切にされていたことがわかる。CDの中にライブのチケットが入っていたのもあった。いつも本の話ばかりだったので、ジャズが好きだということをあまり知らなかった。一度、ジャズのライブに行きたかったな。
大切にしてきた本を読み、音楽を聴いてあげるのが一番の供養ではないだろうか。
今日の
最低気温23.7度、最高気温32.1度。雨のち曇り。
○……今日は 77回目の「終戦の日」。「終戦記念日」という人もいるけれど、抵抗感がある。広島と長崎に原爆が投下された6日と9日を「原爆記念日」という人はもっといやだ。

○……初めてコインランドリーのスニーカーランドリーを使ってみた。スニーカーは一度に2足入れることができる。200円を投入すれば、20分でクリーニングが完了。その後、靴の乾燥機に入れて40分(200円)で乾く。スニーカーは見違えるようにきれいになったが、染み付いた汚れは取れなかった。汚れたらすぐに洗うということか。

コロナ感染も県内で毎日3000人前後が出ているし、今年のお盆は墓参り以外はどこにも行かなかったので、頂いてきたダンボール箱1箱分の本の一部を読み、CDを聴いて過ごした。
本は怪奇ミステリーが中心で趣味があまり合わなかったが、江戸川乱歩、遠藤周作、阿刀田高、西村賢太、倉橋由美子などをいただいてきた。
CDはジャズだけ選んできた。渡辺貞夫、椎名豊、ジミー・スコット、スタン・ゲッツなど。
どの本もCDもきれいで、大切にされていたことがわかる。CDの中にライブのチケットが入っていたのもあった。いつも本の話ばかりだったので、ジャズが好きだということをあまり知らなかった。一度、ジャズのライブに行きたかったな。
大切にしてきた本を読み、音楽を聴いてあげるのが一番の供養ではないだろうか。
今日の足跡
最低気温23.7度、最高気温32.1度。雨のち曇り。
○……今日は 77回目の「終戦の日」。「終戦記念日」という人もいるけれど、抵抗感がある。広島と長崎に原爆が投下された6日と9日を「原爆記念日」という人はもっといやだ。

○……初めてコインランドリーのスニーカーランドリーを使ってみた。スニーカーは一度に2足入れることができる。200円を投入すれば、20分でクリーニングが完了。その後、靴の乾燥機に入れて40分(200円)で乾く。スニーカーは見違えるようにきれいになったが、染み付いた汚れは取れなかった。汚れたらすぐに洗うということか。