31日22時13分=2015年=
期待外れだったかも。金沢21世紀美術館
期待してたのにな。いろいろ展示内容などを調べたりしたのが逆効果だった。いわば、手品のたねを知ってしまったような感じ。今回の金沢旅行で、目的の一つだったのに、ぜんぜん見に行った感動がない。
年間150万人の入館者数を誇る地方美術館のトップランナーで、展覧会をやっていなくても1日3000人以上が来るという金沢観光の核になっている美術館だ。
確かに丸い建物は斬新だし、現代アートを身近に感じさせるというコンセプトも面白い。有料ゾーンと無料ゾーンがあるのも素晴らしい。現代アートなら作品の収集資金は少なくて済むし、金沢という伝統工芸が盛んな都市に、いろいろな刺激を与えることができると思う。
↓スイミングプール(地上から)

↓スイミングプール(地下から)

「スイミングプール」(レアンドロ・エルリッヒ作)だって、ニュースでいやになるほど見ている。確かに不思議な光景だが、だからどうしたんだ、という感じ。

「三原色のガラスを組み合わせた家」(オラファー・エリアソン作)も面白いが、三原色の勉強をしているのと変わらない。これを芸術とするのは、どうなのか。単なる建築じゃだめなのか。
↓四角く切り取られた空

ジェームズ・タレル作の空がぽっかり開いている立方体の部屋。この部屋自体が作品で、変わりゆく空がパレットでもある。それはそれで分かるのだが、事前に勉強して知ってしまったので、感動はない。
↓12本のラッパ

フローリアン・クラール作の12本ラッパは、なにがすごいのだろう。公園の遊具と何ら変わりない。

1階と地下1階を結ぶエレベーターも芸術なのかな。円筒形のエレベーター室が油圧で伸縮することで昇降する。上から吊るされていないので、不思議な感覚が味わえる。現代美術の作品よりも、単なる美しい機械であること自体が芸術になっている。これが一番面白かった。
「3.11以後の建築」という有料の展覧会をやっていて、大枚1000円出して見てきたが、むしろこちらの方を無料にしたほうがいいと思った。
最低気温2.6度、最高気温23.4度。曇り。
最高気温が23.4度まで上がり、とても暖かい一日だった。外でもコートがいらない。
今日で3月が終わり、明日から4月。

「文芸たかだ」336号が発刊され、今日事務局へ受け取りに行ってきた。市川リンタロウさんの「父 市川信夫 追悼」という文が巻頭にあった。
映画ファンが書き綴る「キネマ ノスタルジア」は、映画好きな信濃毎日新聞記者の櫻井卓児さんが、富山県氷見市の日本一小さな映画館「氷見キネマ」について書いている。これを読んでいたら、訪ねてみたい気持ちが強くなった。

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年間150万人の入館者数を誇る地方美術館のトップランナーで、展覧会をやっていなくても1日3000人以上が来るという金沢観光の核になっている美術館だ。
確かに丸い建物は斬新だし、現代アートを身近に感じさせるというコンセプトも面白い。有料ゾーンと無料ゾーンがあるのも素晴らしい。現代アートなら作品の収集資金は少なくて済むし、金沢という伝統工芸が盛んな都市に、いろいろな刺激を与えることができると思う。
↓スイミングプール(地上から)

↓スイミングプール(地下から)

「スイミングプール」(レアンドロ・エルリッヒ作)だって、ニュースでいやになるほど見ている。確かに不思議な光景だが、だからどうしたんだ、という感じ。

「三原色のガラスを組み合わせた家」(オラファー・エリアソン作)も面白いが、三原色の勉強をしているのと変わらない。これを芸術とするのは、どうなのか。単なる建築じゃだめなのか。
↓四角く切り取られた空

ジェームズ・タレル作の空がぽっかり開いている立方体の部屋。この部屋自体が作品で、変わりゆく空がパレットでもある。それはそれで分かるのだが、事前に勉強して知ってしまったので、感動はない。
↓12本のラッパ

フローリアン・クラール作の12本ラッパは、なにがすごいのだろう。公園の遊具と何ら変わりない。

1階と地下1階を結ぶエレベーターも芸術なのかな。円筒形のエレベーター室が油圧で伸縮することで昇降する。上から吊るされていないので、不思議な感覚が味わえる。現代美術の作品よりも、単なる美しい機械であること自体が芸術になっている。これが一番面白かった。
「3.11以後の建築」という有料の展覧会をやっていて、大枚1000円出して見てきたが、むしろこちらの方を無料にしたほうがいいと思った。
最低気温2.6度、最高気温23.4度。曇り。
最高気温が23.4度まで上がり、とても暖かい一日だった。外でもコートがいらない。
今日で3月が終わり、明日から4月。

「文芸たかだ」336号が発刊され、今日事務局へ受け取りに行ってきた。市川リンタロウさんの「父 市川信夫 追悼」という文が巻頭にあった。
映画ファンが書き綴る「キネマ ノスタルジア」は、映画好きな信濃毎日新聞記者の櫻井卓児さんが、富山県氷見市の日本一小さな映画館「氷見キネマ」について書いている。これを読んでいたら、訪ねてみたい気持ちが強くなった。

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30日23時01分=2015年=
五木寛之と金沢(2)
今月出たばかりの本「五木寛之の金沢さんぽ」は、雑誌や新聞に書かれているエッセーなどをまとめたものである。北陸新幹線の金沢までの延伸にあわせて出版されたものだろうか。1967年から2010年までに書かれたものである。
さて、五木さんの本に書かれている金沢市の主計町(かずえまち)巡りの続き。上越市高田も城下町で古いものがいろいろ残っているが、金沢はやはり「加賀百万石」。歴史の厚みが違う。
↓金沢蓄音機館

↓蓄音機館の内部(ホームページより)

さて、金沢蓄音機館はとても素晴らしかった。五木さんはこのように書いてある。「赤レンガのユニークな外壁の目立つモダンな建物の前に出る。これが金沢蓄音器館だ。金沢といえば、堂々たる博物館や、格調ある美術館ばかりが連想されるが、この親しみやすいミュージアムは、金沢の新しい顔のひとつだろう」。
ここでは蓄音機600台を収蔵し、常時150台を展示している。SPレコード約2万枚が収蔵されているそうだ。八日市屋浩志氏のコレクションを核にして、2001年7月に開館している。何と言っても、エジソン社の初期の蓄音機をはじめ、歴代の蓄音機の音を実際に聞けるのが素晴らしい。
毎日3回、実演をやっていて、その15分前に入館してラッキーだった。30分間に10台ほどの蓄音機にSPレコードをかけて説明しながら実演してくれた。当時1台1000円という豪邸が買えた値段のイギリス製蓄音機の音量の大きさには驚いた。雪村いづみの「セブンティーン」はよかったし、紙製のラッパで聞いたビング・クロスビーの優しい歌声にはうっとりした。
↓あうん堂の店内

↓あうん堂の古書

↓あうん堂のコーヒー(東出ブレンド)。本の形をしているクッキーはすごく固いが味が良い

浅野川を渡って「あうん堂」という古書店兼カフェにも行ってきた。本には「昨夜、主計町から中の橋をわたり、静かな暗い町を歩いた。その闇の中に一点ぼうっと白い灯がともっている。虫のように惹きよせられていくと、古本屋『あうん堂』という店だった。とてもユニークな古書店兼カフェである」とある。コーヒー、固いクッキーはおいしかった。古書も店主の趣味が分かるようなテーマで集められていた。以前から欲しかった「値段の風俗史」の続編、続々編を買ってきた。
店主によると、ある日五木さんがふらっとやってきて、2時間ぐらい滞在してランチも食べていったのが最初だという。記念写真も見せてもらった。
金沢には醤油屋さんがたくさんある。金沢さんぽには次のように書かれている。「江戸初期の時代から大野に醤油の製造が根づく。往時は五十一軒もの製造所が煙突を並べていたという。現在でも二十数軒の醤油製造業が、頑固に手づくりの味を伝えて、全国で五本の指に数えられる生産地であるらしい。……土産の醤油を沢山買い込んだ。関東の塩からい味でなく、タマリのねっとりとした味でもなく、俗に『うま味』といわれる風流な味が、大野の醤油の持ち味であるらしい。指につけてなめると、じつに奥ゆきのある味である。これだけで酒の肴ににも、食事の友(おかず)にもなりそうだ」。
↓直源の店頭(直江屋源兵衛)

↓店内

↓直源の醤油「もろみの雫」

最近、ベビースターラーメンに「直源醤油味」が出たこともあり、店頭で直売もしている「直源醤油」に立ち寄った。なにせ400年の伝統の味である。金沢には多くの料亭、寿司屋があるので、このような昔ながらの味を守っている醤油が生き残ったのだろう。
店頭では味見もさせてくれる。値段は高いが本当に味わい深く、素晴らしい。醤油以外にも、ドレッシングや煎餅などもあった。「もろみの雫」やドレシングなど、土産用に何本か買い込んだ。
↓金沢蓄音器館の公式サイト
http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/
↓「あうん堂」の公式サイト
http://www.aun-do.info/
↓直源醤油の公式サイト
http://www.naogen.co.jp/
最低気温5.4度、最高気温13.9度。曇り。もやがかかっていた。
今日はTシャツとカーディガンだけで過ごしたほど、暖かかった。相変わらず花粉がひどく、マスクが欠かせない。

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さて、五木さんの本に書かれている金沢市の主計町(かずえまち)巡りの続き。上越市高田も城下町で古いものがいろいろ残っているが、金沢はやはり「加賀百万石」。歴史の厚みが違う。
↓金沢蓄音機館

↓蓄音機館の内部(ホームページより)

さて、金沢蓄音機館はとても素晴らしかった。五木さんはこのように書いてある。「赤レンガのユニークな外壁の目立つモダンな建物の前に出る。これが金沢蓄音器館だ。金沢といえば、堂々たる博物館や、格調ある美術館ばかりが連想されるが、この親しみやすいミュージアムは、金沢の新しい顔のひとつだろう」。
ここでは蓄音機600台を収蔵し、常時150台を展示している。SPレコード約2万枚が収蔵されているそうだ。八日市屋浩志氏のコレクションを核にして、2001年7月に開館している。何と言っても、エジソン社の初期の蓄音機をはじめ、歴代の蓄音機の音を実際に聞けるのが素晴らしい。
毎日3回、実演をやっていて、その15分前に入館してラッキーだった。30分間に10台ほどの蓄音機にSPレコードをかけて説明しながら実演してくれた。当時1台1000円という豪邸が買えた値段のイギリス製蓄音機の音量の大きさには驚いた。雪村いづみの「セブンティーン」はよかったし、紙製のラッパで聞いたビング・クロスビーの優しい歌声にはうっとりした。
↓あうん堂の店内

↓あうん堂の古書

↓あうん堂のコーヒー(東出ブレンド)。本の形をしているクッキーはすごく固いが味が良い

浅野川を渡って「あうん堂」という古書店兼カフェにも行ってきた。本には「昨夜、主計町から中の橋をわたり、静かな暗い町を歩いた。その闇の中に一点ぼうっと白い灯がともっている。虫のように惹きよせられていくと、古本屋『あうん堂』という店だった。とてもユニークな古書店兼カフェである」とある。コーヒー、固いクッキーはおいしかった。古書も店主の趣味が分かるようなテーマで集められていた。以前から欲しかった「値段の風俗史」の続編、続々編を買ってきた。
店主によると、ある日五木さんがふらっとやってきて、2時間ぐらい滞在してランチも食べていったのが最初だという。記念写真も見せてもらった。
金沢には醤油屋さんがたくさんある。金沢さんぽには次のように書かれている。「江戸初期の時代から大野に醤油の製造が根づく。往時は五十一軒もの製造所が煙突を並べていたという。現在でも二十数軒の醤油製造業が、頑固に手づくりの味を伝えて、全国で五本の指に数えられる生産地であるらしい。……土産の醤油を沢山買い込んだ。関東の塩からい味でなく、タマリのねっとりとした味でもなく、俗に『うま味』といわれる風流な味が、大野の醤油の持ち味であるらしい。指につけてなめると、じつに奥ゆきのある味である。これだけで酒の肴ににも、食事の友(おかず)にもなりそうだ」。
↓直源の店頭(直江屋源兵衛)

↓店内

↓直源の醤油「もろみの雫」

最近、ベビースターラーメンに「直源醤油味」が出たこともあり、店頭で直売もしている「直源醤油」に立ち寄った。なにせ400年の伝統の味である。金沢には多くの料亭、寿司屋があるので、このような昔ながらの味を守っている醤油が生き残ったのだろう。
店頭では味見もさせてくれる。値段は高いが本当に味わい深く、素晴らしい。醤油以外にも、ドレッシングや煎餅などもあった。「もろみの雫」やドレシングなど、土産用に何本か買い込んだ。
↓金沢蓄音器館の公式サイト
http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/
↓「あうん堂」の公式サイト
http://www.aun-do.info/
↓直源醤油の公式サイト
http://www.naogen.co.jp/
最低気温5.4度、最高気温13.9度。曇り。もやがかかっていた。
今日はTシャツとカーディガンだけで過ごしたほど、暖かかった。相変わらず花粉がひどく、マスクが欠かせない。

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29日23時17分=2015年=
五木寛之と金沢(1)
「金沢」というとどんな作家が思い浮かぶだろうか。金沢の三文豪といえば泉鏡花、徳田秋声、室生犀星。いずれも明治の文豪で、いまはあまり読まれていない。考えてみると、泉鏡花なら「婦系図」と「高野聖」、室生犀星なら詩集ぐらいしか読んでいない。恥ずかしくも徳田秋声は読んだことがない。私の年代でこんなものだから、若い人は名前さえ知らないのではないだろうか。
金沢にゆかりがある現役作家なら、何と言っても五木寛之だろう。五木さんは福岡県生まれだが、金沢で若い頃を過ごし、『さらばモスクワ愚連隊』『蒼ざめた馬を見よ』『青春の門』などの代表作、エッセーの『風に吹かれて』などを書いている。その後も金沢を度々訪れ、泉鏡花文学賞の選考委員も第1回からずっと務めている。いわば「第二の故郷」である。

今年3月10日に出たばかりの単行本「五木寛之の金沢さんぽ」(講談社)を読み、この中に出てくる主計町(かずえまち)を中心に文学散歩に行ってきた。
本によると、「金沢には現在、三つの郭がある。東、西、主計町、の三郭(さんかく)である。浅野川の両岸に、東と主計町、犀川にそって西の郭となる」。主計町は浅野川沿いにあり、昔ながらの郭の雰囲気としては、一番残っているのではないか。とても情緒がある所である。
↓浅野川沿いにある主計町

↓浅野川と、趣がある浅野川大橋

↓五木さんの「浅野川暮色」の文学碑

主計町(かずえまち)加賀藩士・富田主計(とだかずえ)の屋敷があったことに由来するという。昭和45(1970)年に住居表示整備で尾張町2丁目の一部となり、伝統の地名が消滅した。しかし、旧町名復活運動が起き、平成11年に29年ぶりに復活した。全国初の旧町名復活だという。
↓くらがり坂

金沢さんぽに「主計町の裏に一つの坂がある。いまは石段になっているが、昔は丸太の段が続く抜け道のような狭い坂だった。すぐ上が久保市乙剣宮の社殿である。巨大なケヤキの陰になって昼でも暗い。俗に『くらがり坂』という。鏡花はこの坂をのぼりおりして小学校に通った。『穴のような』坂、と彼は書いている。『くらがり坂』とは言いいえて妙だ」とある、くらがり坂に行ってみた。家と家に挟まれた坂で、薄暗く、情緒がある坂である。
↓泉鏡花記念館

「泉鏡花記念館」にも立ち寄った。泉鏡花の生家跡に建てられてもので、鏡花もこの坂を良く歩いたという。この坂の名は作品にも度々登場するという。ボランティアさんの説明を聞いて、泉鏡花は大衆文学作家だったということが良くわかった。だが、今では旧字旧かななのでちょっと読めない。「婦系図」をずいぶん苦労して読んだ記憶がある。
↓あかり坂

↓あかり坂の碑

五木さんが名付けた坂も近くにある。「あかり坂」である。「私はなぜか闇に吸い込まれていくような『くらがり坂』よりも、海底から水上に浮かび上がる感覚の『あかり坂』のほうが気に入っているのだ。『まゆ月』の前から『一葉』のほうへ少し歩くと、右手に狭い狭い道があり、そこから階段がのびている。階段の手前に『「あかり坂』と刻んだ石がいつ頃からか置かれた」とある坂だ。少し迷ったが、もらった地図を便りに、探し当てた。
↓金沢文芸館

さて、本命は「金沢文芸館」。ここには全国で唯一の「五木寛之文庫」がある。全著作のほか、愛用品や記念品などが展示されている。五木さんの直筆原稿を初めて見ることができた。五木さんはワープロやパソコンは使わず、原稿用紙に書いている。万年筆だったり、ボールペンだったり。やや右上がりの字だが、読みづらくはない。原稿用紙を使う作家がどんどん少なくなっていく。五木さんの世代が亡くなったら、このように展示することもできなくなってしまう。
五木さんの本によると、これまで文学記念館のたぐいは一様に辞退してきたという。なぜかというと「私は自分の恥ずかしい作家生活を、きれいにイレーズして世を去りたいという願望が、ずっと心の中にある」「語り部は騙り部である。いわば文章の詐欺師だ。なんとか今日まで世間をうまく騙しおえたのだから、バレないうちにさっさとこの世を辞退したいと、ひそかに思い続けていた」とある。五木さんは根無し草(デラシネ)であるから、足跡を残したくないこともあるのだろう。
「生きた創作の現場の空気を伝えることこそ、文庫の展示にはふさわしい」として、ゲラに朱を入れた格闘のあとなども、展示されている。五木ファンなら、訪れる価値が十分にある。
明日は続編。
最低気温5.1度、最高気温17.4度。上越市では雨は降らなかったようだが、金沢は午前を中心に小雨に見舞われた。
金沢には「弁当忘れても傘を忘れるな」という言い伝えがあるそうだ。その意味では、金沢らしさを味わえたということになる。

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金沢にゆかりがある現役作家なら、何と言っても五木寛之だろう。五木さんは福岡県生まれだが、金沢で若い頃を過ごし、『さらばモスクワ愚連隊』『蒼ざめた馬を見よ』『青春の門』などの代表作、エッセーの『風に吹かれて』などを書いている。その後も金沢を度々訪れ、泉鏡花文学賞の選考委員も第1回からずっと務めている。いわば「第二の故郷」である。

今年3月10日に出たばかりの単行本「五木寛之の金沢さんぽ」(講談社)を読み、この中に出てくる主計町(かずえまち)を中心に文学散歩に行ってきた。
本によると、「金沢には現在、三つの郭がある。東、西、主計町、の三郭(さんかく)である。浅野川の両岸に、東と主計町、犀川にそって西の郭となる」。主計町は浅野川沿いにあり、昔ながらの郭の雰囲気としては、一番残っているのではないか。とても情緒がある所である。
↓浅野川沿いにある主計町

↓浅野川と、趣がある浅野川大橋

↓五木さんの「浅野川暮色」の文学碑

主計町(かずえまち)加賀藩士・富田主計(とだかずえ)の屋敷があったことに由来するという。昭和45(1970)年に住居表示整備で尾張町2丁目の一部となり、伝統の地名が消滅した。しかし、旧町名復活運動が起き、平成11年に29年ぶりに復活した。全国初の旧町名復活だという。
↓くらがり坂

金沢さんぽに「主計町の裏に一つの坂がある。いまは石段になっているが、昔は丸太の段が続く抜け道のような狭い坂だった。すぐ上が久保市乙剣宮の社殿である。巨大なケヤキの陰になって昼でも暗い。俗に『くらがり坂』という。鏡花はこの坂をのぼりおりして小学校に通った。『穴のような』坂、と彼は書いている。『くらがり坂』とは言いいえて妙だ」とある、くらがり坂に行ってみた。家と家に挟まれた坂で、薄暗く、情緒がある坂である。
↓泉鏡花記念館

「泉鏡花記念館」にも立ち寄った。泉鏡花の生家跡に建てられてもので、鏡花もこの坂を良く歩いたという。この坂の名は作品にも度々登場するという。ボランティアさんの説明を聞いて、泉鏡花は大衆文学作家だったということが良くわかった。だが、今では旧字旧かななのでちょっと読めない。「婦系図」をずいぶん苦労して読んだ記憶がある。
↓あかり坂

↓あかり坂の碑

五木さんが名付けた坂も近くにある。「あかり坂」である。「私はなぜか闇に吸い込まれていくような『くらがり坂』よりも、海底から水上に浮かび上がる感覚の『あかり坂』のほうが気に入っているのだ。『まゆ月』の前から『一葉』のほうへ少し歩くと、右手に狭い狭い道があり、そこから階段がのびている。階段の手前に『「あかり坂』と刻んだ石がいつ頃からか置かれた」とある坂だ。少し迷ったが、もらった地図を便りに、探し当てた。
↓金沢文芸館

さて、本命は「金沢文芸館」。ここには全国で唯一の「五木寛之文庫」がある。全著作のほか、愛用品や記念品などが展示されている。五木さんの直筆原稿を初めて見ることができた。五木さんはワープロやパソコンは使わず、原稿用紙に書いている。万年筆だったり、ボールペンだったり。やや右上がりの字だが、読みづらくはない。原稿用紙を使う作家がどんどん少なくなっていく。五木さんの世代が亡くなったら、このように展示することもできなくなってしまう。
五木さんの本によると、これまで文学記念館のたぐいは一様に辞退してきたという。なぜかというと「私は自分の恥ずかしい作家生活を、きれいにイレーズして世を去りたいという願望が、ずっと心の中にある」「語り部は騙り部である。いわば文章の詐欺師だ。なんとか今日まで世間をうまく騙しおえたのだから、バレないうちにさっさとこの世を辞退したいと、ひそかに思い続けていた」とある。五木さんは根無し草(デラシネ)であるから、足跡を残したくないこともあるのだろう。
「生きた創作の現場の空気を伝えることこそ、文庫の展示にはふさわしい」として、ゲラに朱を入れた格闘のあとなども、展示されている。五木ファンなら、訪れる価値が十分にある。
明日は続編。
最低気温5.1度、最高気温17.4度。上越市では雨は降らなかったようだが、金沢は午前を中心に小雨に見舞われた。
金沢には「弁当忘れても傘を忘れるな」という言い伝えがあるそうだ。その意味では、金沢らしさを味わえたということになる。

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28日21時40分=2015年=
本業よりうまい? 富寿しのラーメン

上越市の「富寿し」と言えば、県内・県外だけではなく、海外(シンガポール)にも名がとどろく名店だ。その富寿しで本業外のラーメンを出しているという(餃子もメニューにある)。それも南本町店だけで、すこぶるうまいらしい。
ラーメンは600円だが、握り寿司とラーメン、ミニサラダがセットになったランチ(800円)がお得だと聞いたので、さっそく行ってきた。このセットは土曜、日曜でもやっている。
店はほぼ満席。女性グループやら、家族やら、さまざまだ。駐車場にあまり車がなかったので、近所の人が多いのだろうか。昼からビールを次々頼んでいるテーブルもある。
ラーメンのスープは醤油味で、色は薄めで透き通っている。一口飲んでみると、深いコクと味わいがある。実にうまい。専業のラーメン店顔負けである。魚介系のスープだろう。寿司に使った魚のアラを使っているのか。具はチャーシューとメンマ、わかめ、かまぼこである。麺は普通だ。
もちろん、富寿しなので、にぎり寿司は文句なくうまい。+100円で、ラーメンと海鮮丼のセットにもなる。平日は日替わりランチ(800円)があって、握りか丼に、小鉢、サラダ、デザート、味噌汁が付いてお得だ。「にぎり御膳」(925円)は、握りに茶碗蒸し、唐揚げ(または豆腐ハンバーグ)、サラダ、小鉢、味噌汁が付く豪華版だ。ランチは午前11時から午後2時まで。値段は税別。
↓富寿し南本町店のメニュー
http://www.tomizushi.com/wp/wp-content/uploads/2014/06/minamihoncho_lunch1405.pdf
最低気温1.3度、最高気温19.0度。晴れ。
先日、高田の料亭で出た刺し身。見た目も美しく、味も絶品だった。


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27日22時58分=2015年=
妙高戸隠連山国立公園を正式に指定

今朝はきれいに晴れ上がって、青空をバックにした妙高連山が美しかった。今日3月27日は、妙高市、糸魚川市と長野県の4市町村にまたがる「妙高戸隠連山国立公園」が正式指定となったのだ。まさに指定を祝うかのような晴天だった。
妙高市役所正面に懸垂幕が下げられた様子をテレビのニュースでやっていた。国立公園の名前に「妙高」の名が入ったことは素晴らしい。「上信越高原国立公園」というのと「妙高戸隠連山国立公園」では、重みが全然違う。北陸新幹線の「かがやき」は素通りになったが、今回はピタッと着地が決まった。
全国で32番目の国立公園となったが、果たしてこれがどんなメリットがあるかというとニュースを聞いただけでは分からない。確かにイメージは向上するし、利用者も多くなるだろう。そして、自然保護が進み、乱開発が防げるだろう。だが、規制に伴う経済的損失もあるだろうし、許認可手続きが複雑になるだろう。ごみ問題の解決なども必要になる。メリットばかりではないことを肝に銘じるべきだ。
↓空から見た上信越高原国立公園~妙高・戸隠地域(妙高市作製)
最低気温1.0度、最高気温16.1度。晴れ。
妙高市(新井消防署観測)の雪は、昨日3月26日に積雪ゼロになった。いよいよ春である。


↓これはソメイヨシノじゃなくてウスカンザクラ

高田公園ではお花見の準備が本格的に始まった。開幕の4月3日はもうすぐ。開花もその頃になるだろうか。
公園にはぼんぼりが立ち並び、土産店も並んできた。今年は新幹線効果もあるだろうし、どのくらいの人がやってくるだろうか。
↓高田城百万人観桜会の公式サイト
http://www.joetsu-kanko.net/kanoukai/

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26日22時58分=2015年=
小林聡美さんの本2冊 三谷幸喜との結婚生活の一部始終も
先日、大林宣彦の講演会があり、尾道三部作の第1作「転校生」が上映された。その主演が小林聡美さん。そして、昨年の日本映画で多くの映画賞を受賞した「紙の月」でお局銀行員を演じベテランの味を出していた。その小林聡美さんが、エッセーの本をたくさん出しているというのを知った。

Amazonで探してみたら、1円(送料込みで251円)の単行本が何冊かあった。「マダム小林の優雅な生活」(1998年)と、「ワタシは最高にツイている」(2007年)の2冊を注文した。それが届いた。
小林さんは1995年に映画監督の三谷幸喜さんと結婚し、2011年に離婚している。つまり、この2冊は結婚している間の作品ということになる。
軽いエッセーで、200ページ超の本である。速読法を少しかじっているので、難しくない本なら読むのは早い。1冊30分ほどだから、2冊で1時間。名文とはいかないが、ユーモアたっぷりの軽妙な文体で、楽しかった。
「マダム小林の優雅な生活」では顔の大きさについて書いた「流行遅れ」、四方春美に間違えられる話「函館の女」、怪しげな英語教室に通った話「とりあえずネイティブへの道」が面白かった。
「ワタシは最高にツイている」では、映画「かもめ食堂」の舞台裏を書いた「ヘルシンキでの撮影事情」が興味深かった。「島で映画の撮影」は「めがね」(2007年)のことを書いたのだと思う。
最低気温0.8度、最高気温10.6度、曇り。
今日の午後は暖かかった。
夜は町内会の新旧役員の引き継ぎ会。酒を飲みながら、町内会の在り方などを話し合った。

Amazonで探してみたら、1円(送料込みで251円)の単行本が何冊かあった。「マダム小林の優雅な生活」(1998年)と、「ワタシは最高にツイている」(2007年)の2冊を注文した。それが届いた。
小林さんは1995年に映画監督の三谷幸喜さんと結婚し、2011年に離婚している。つまり、この2冊は結婚している間の作品ということになる。
軽いエッセーで、200ページ超の本である。速読法を少しかじっているので、難しくない本なら読むのは早い。1冊30分ほどだから、2冊で1時間。名文とはいかないが、ユーモアたっぷりの軽妙な文体で、楽しかった。
「マダム小林の優雅な生活」では顔の大きさについて書いた「流行遅れ」、四方春美に間違えられる話「函館の女」、怪しげな英語教室に通った話「とりあえずネイティブへの道」が面白かった。
「ワタシは最高にツイている」では、映画「かもめ食堂」の舞台裏を書いた「ヘルシンキでの撮影事情」が興味深かった。「島で映画の撮影」は「めがね」(2007年)のことを書いたのだと思う。
最低気温0.8度、最高気温10.6度、曇り。
今日の午後は暖かかった。
夜は町内会の新旧役員の引き継ぎ会。酒を飲みながら、町内会の在り方などを話し合った。
25日22時15分=2015年=
後半は「進撃の巨人」? ディズニー映画「イントゥ・ザ・ウッズ」
【評】★5つが最高 ☆は半分
★★☆

赤ずきん、シンデレラなどの主人公のその後を描いたブロードウェイの人気ミュージカルを、ディズニーが実写映画化した作品との謳い文句だった。それが、なんともダークな味付けで、これがディズニー?と疑うほど。途中でハッピーエンドになり、これで終わりかと思ったら、そこからがグダグダ。なんと「進撃の巨人」の女型が出てきで、ドシンドシンと地響きをたてて歩く。そして、なんとなく登場人物が寄り添っただけで終わるへんなラスト……。なんじゃこりゃ。
ジョニー・デップのオオカミ役というのも良くわからない。全然オオカミではなく、そのままなのだ。ジョニー・デップの顔を出したいだけのことか。J-MAXシアターで上映中だが、1日6回上映である。やっぱり、ジョニー・デップ目当てなのか。メリル・ストリープは熱演だが、力が入りすぎていて見ていて笑える。
「何が正しくて、何が間違いか」を問う「羅生門」的なものがテーマだとしたら、かなり駄作。だって、巨人の宝物を盗み、殺したのを正当化しているのだから。巨人は全然悪者ではないのだ。
「ジャックと豆の木」「赤ずきん」「シンデレラ」「ラプンツェル」という4つの物語が同時進行し、それが一つに集結していく前半は、けっこう面白かったのに……。なぜか、後半は「進撃の巨人」になってしまった。細かい点をいちいち指摘するのはやめるが、突っ込みどころ満載の映画だった。
それに、シンデレラの靴の場面で、足の指を切ったり、かかとを削ったりする場面など、まるで「残酷なグリム童話」みたい。これがディズニーかと疑うほどだった。ミュージカルにした意味もぜんぜんない。
↓公式サイト
http://www.disney.co.jp/movie/woods.html
↓予告編動画
最低気温1.3度、最高気温8.1度。雪一時雨のち曇り。まさに「なごり雪」の一日。これが最後だろうか。
春休みに入ると、アニメや子供向けの映画が多くなり、見たい作品がなくなる。有効期限が4月末の無料券が1枚あるけど、何を見たらいいのか。
そうだ!アカデミー作品賞など4部門をとった「バードマン」が4月10日公開だっけ。こりゃ楽しみ。

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★★☆

赤ずきん、シンデレラなどの主人公のその後を描いたブロードウェイの人気ミュージカルを、ディズニーが実写映画化した作品との謳い文句だった。それが、なんともダークな味付けで、これがディズニー?と疑うほど。途中でハッピーエンドになり、これで終わりかと思ったら、そこからがグダグダ。なんと「進撃の巨人」の女型が出てきで、ドシンドシンと地響きをたてて歩く。そして、なんとなく登場人物が寄り添っただけで終わるへんなラスト……。なんじゃこりゃ。
ジョニー・デップのオオカミ役というのも良くわからない。全然オオカミではなく、そのままなのだ。ジョニー・デップの顔を出したいだけのことか。J-MAXシアターで上映中だが、1日6回上映である。やっぱり、ジョニー・デップ目当てなのか。メリル・ストリープは熱演だが、力が入りすぎていて見ていて笑える。
「何が正しくて、何が間違いか」を問う「羅生門」的なものがテーマだとしたら、かなり駄作。だって、巨人の宝物を盗み、殺したのを正当化しているのだから。巨人は全然悪者ではないのだ。
「ジャックと豆の木」「赤ずきん」「シンデレラ」「ラプンツェル」という4つの物語が同時進行し、それが一つに集結していく前半は、けっこう面白かったのに……。なぜか、後半は「進撃の巨人」になってしまった。細かい点をいちいち指摘するのはやめるが、突っ込みどころ満載の映画だった。
それに、シンデレラの靴の場面で、足の指を切ったり、かかとを削ったりする場面など、まるで「残酷なグリム童話」みたい。これがディズニーかと疑うほどだった。ミュージカルにした意味もぜんぜんない。
↓公式サイト
http://www.disney.co.jp/movie/woods.html
↓予告編動画
最低気温1.3度、最高気温8.1度。雪一時雨のち曇り。まさに「なごり雪」の一日。これが最後だろうか。
春休みに入ると、アニメや子供向けの映画が多くなり、見たい作品がなくなる。有効期限が4月末の無料券が1枚あるけど、何を見たらいいのか。
そうだ!アカデミー作品賞など4部門をとった「バードマン」が4月10日公開だっけ。こりゃ楽しみ。

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24日21時39分=2015年=
朝ドラ「マッサン」の原作「リタの鐘が鳴る」

途切れ途切れながらも、これまでなんとか見てきた朝ドラの「マッサン」も、あと1週間。ウイスキーづくりに情熱を注ぐ夫、竹鶴政孝を愛し、支え続けたスコットランド女性のリタ(ドラマではエリー)の生涯を描いてきた。その原作が「リタの鐘が鳴る」(早瀬利之著・朝日文庫)である。ドラマに併せて20年前の本が文庫で復刊したのだという。
前に買っておいたのだが、ドラマが終わらないうちにと思い、急遽読んだ。京都や鎌倉での生活など、ドラマにない部分も多かった。細かい部分ではドラマとずいぶん違う点も多い。ドラマはあくまでもドラマであり、史実とは違うのだった。
二人の出会いは、ようやく今ごろになってやっているが、最初は余り描かれなかった。この本にはくわしく書かれている。そして、結婚してから日本にやってくる。リバプールからニューヨークまで船で10日間、ニューヨークからシアトルまで鉄道で10日間(アメリカではリタのイギリス英語が通じない)、そこから横浜まで2週間の船旅である。現代では信じられない長旅であり、東洋の果ての「未知の国」に旅立つにあたって、リタは親と生き別れを覚悟したのだと思う。竹鶴政孝26歳、リタ24歳の秋のことだった。
それにしても、当時の日本は男尊女卑であり、男は仕事で女は家事と育児の時代。外で男は遊んでも当然という時代に、二人は生涯清らかな愛を貫き通した。マッサンとリタは互いに信頼し会い、理解し会い、尊敬しあっていた。あの時代に対等な夫婦関係を築いていたのが、このドラマの大きな魅力だと思う。そして、リタは山内一豊の妻でもかなわないほど、夫を陰で支え続けてきた存在だったのもすごい。スコットランド女性の底力なのか。
本のタイトルは、北海道の余市蒸留所で、朝8時、昼12時、終業時間の5時の3回、リタの鳴らすカウベルが響き、余市の人々は「リタの鐘」と呼んだことによる。
ドラマではエマ(リマ)は渡米することになっているが、この本ではリマは突然失踪してしまい、その後のことは書かれていない。真相はどうなのだろう。
さて、ドラマはNHKだけに、販売のサントリー、品質のニッカをどのように描くかに興味を持っていた。ニッカが3級ウイスキーを出すとき、他のウイスキーを偽物のように言っていたのが面白かった。現在はサントリーの「響」、ニッカの「余市」は世界一のウイスキーとなったが、一流になるまでのアプローチの違いだということか。
このドラマでジャパニーズ・ウイスキーが見直されてきたとしたらうれしい。
最低気温0.5度、最高気温5.2度。雪。
再び冬がやってきた感じ。10cmほど積もっただろうか。
これで最後の雪になるといいのだが。
先日、車のタイヤを替えたばかり。この程度の雪で助かった。

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23日21時57分=2015年=
野球シーンが最高の映画「KANO~1931海の向こうの甲子園~」
【評】★5つが最高
★★★★

去年から今年にかけて野球映画が多い。昨年末にはカナダで活躍した日系移民のチームを描いた「バンクーバーの朝日」が公開された。そして、今度は甲子園で準優勝した台湾チームの話「KANO~1931海の向こうの甲子園~」である。ほかに、かつての球児たちが甲子園に再挑戦する話「アゲイン 28年目の甲子園」もある(上越での上映予定はないが)。
「バンクーバーの朝日」は期待はずれ。何と言っても野球シーンが面白くない。ドキドキハラハラしないのだ。野球映画は試合の場面が命だ。その点、J-MAXシアターで2週間限定で公開された「KANO~1931海の向こうの甲子園~」は素晴らしかった。3時間超という長い映画だったが、全然長さを感じさせない。
この映画で描いているのは、日本統治下の1931年に台湾代表として見事甲子園出場を果たし、決勝まで進出した台南州立嘉義農林学校の実話である。永瀬正敏が鬼監督の近藤を熱演し、彼の妻を坂井真紀が好演。日本人、台湾育ちの漢人、台湾原住民の混成チームであり、弱小チームだった嘉義農林野球部を新監督が率いて、猛特訓でそれぞれ能力を発揮させる。「甲子園」を合言葉に、一歩ずつ目標に近づいていく。
1929年、日本統治下の台湾の嘉義農林高校(通称:嘉農=かのう)の弱小野球部に、日本人の監督・近藤兵太郎(永瀬正敏)がやって来る。本作は、甲子園を目指す近藤監督のもと、猛練習に励んだ日本人、漢民族、原住民の混成チームが1931年夏の甲子園で準優勝した実話を映画化したものだ。
野球の場面が素晴らしい。プレーシーンを編集でごまかしていないし、選手の動きも本物だ。わくわくするような試合展開は、実際のスコアに忠実だという。球場も高雄市に空襲前の甲子園を再現して作ったというからすごい。日本と台湾でこのような歴史があったことを初めて知ったし、甲子園の長い歴史を感じた。
それにしても、甲子園初出場で準優勝するのだから、たいしたものだ。クライマックスで音楽をやめて無音にしたのが印象的だった。
↓八田與一は大沢たかおが演じた

↓烏山頭貯水池が完成し、通水した場面

野球以外では「烏山頭(うさんとう)ダム」のことが出てくる。台湾台南市官田区にあり旧称は烏山頭貯水池。1920年に着工し1930年に完成した。当時は、東洋一とされた台湾初期のダムの一つである。日本人技術者の八田與一(はった・よいち)により計画され、嘉南平原の農業灌漑をするため建設された。嘉南平野を、不毛の地から大穀倉地帯に変えた人物なのだ。八田與一の名は日本人にあまり知られていないが、台湾の農業に多大な貢献をした人として、神様のような存在なのだ。台湾の教科書に日本人の偉人として掲載されているそうだ。
甲子園での準優勝、そして八田與一の偉業。台湾旅行をして実感したが、台湾の人が日本人に好意的なのも、この映画を見るとよく分かる。
↓予告編
↓公式サイト
http://kano1931.com/
最低気温0.2度、最高気温6.5度。曇り一時雪。
菓心亭かまだの迫力満点のシュークリーム。これを一口で食べることができたらすごい。


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去年から今年にかけて野球映画が多い。昨年末にはカナダで活躍した日系移民のチームを描いた「バンクーバーの朝日」が公開された。そして、今度は甲子園で準優勝した台湾チームの話「KANO~1931海の向こうの甲子園~」である。ほかに、かつての球児たちが甲子園に再挑戦する話「アゲイン 28年目の甲子園」もある(上越での上映予定はないが)。
「バンクーバーの朝日」は期待はずれ。何と言っても野球シーンが面白くない。ドキドキハラハラしないのだ。野球映画は試合の場面が命だ。その点、J-MAXシアターで2週間限定で公開された「KANO~1931海の向こうの甲子園~」は素晴らしかった。3時間超という長い映画だったが、全然長さを感じさせない。
この映画で描いているのは、日本統治下の1931年に台湾代表として見事甲子園出場を果たし、決勝まで進出した台南州立嘉義農林学校の実話である。永瀬正敏が鬼監督の近藤を熱演し、彼の妻を坂井真紀が好演。日本人、台湾育ちの漢人、台湾原住民の混成チームであり、弱小チームだった嘉義農林野球部を新監督が率いて、猛特訓でそれぞれ能力を発揮させる。「甲子園」を合言葉に、一歩ずつ目標に近づいていく。
1929年、日本統治下の台湾の嘉義農林高校(通称:嘉農=かのう)の弱小野球部に、日本人の監督・近藤兵太郎(永瀬正敏)がやって来る。本作は、甲子園を目指す近藤監督のもと、猛練習に励んだ日本人、漢民族、原住民の混成チームが1931年夏の甲子園で準優勝した実話を映画化したものだ。
野球の場面が素晴らしい。プレーシーンを編集でごまかしていないし、選手の動きも本物だ。わくわくするような試合展開は、実際のスコアに忠実だという。球場も高雄市に空襲前の甲子園を再現して作ったというからすごい。日本と台湾でこのような歴史があったことを初めて知ったし、甲子園の長い歴史を感じた。
それにしても、甲子園初出場で準優勝するのだから、たいしたものだ。クライマックスで音楽をやめて無音にしたのが印象的だった。
↓八田與一は大沢たかおが演じた

↓烏山頭貯水池が完成し、通水した場面

野球以外では「烏山頭(うさんとう)ダム」のことが出てくる。台湾台南市官田区にあり旧称は烏山頭貯水池。1920年に着工し1930年に完成した。当時は、東洋一とされた台湾初期のダムの一つである。日本人技術者の八田與一(はった・よいち)により計画され、嘉南平原の農業灌漑をするため建設された。嘉南平野を、不毛の地から大穀倉地帯に変えた人物なのだ。八田與一の名は日本人にあまり知られていないが、台湾の農業に多大な貢献をした人として、神様のような存在なのだ。台湾の教科書に日本人の偉人として掲載されているそうだ。
甲子園での準優勝、そして八田與一の偉業。台湾旅行をして実感したが、台湾の人が日本人に好意的なのも、この映画を見るとよく分かる。
↓予告編
↓公式サイト
http://kano1931.com/
最低気温0.2度、最高気温6.5度。曇り一時雪。
菓心亭かまだの迫力満点のシュークリーム。これを一口で食べることができたらすごい。


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- 大林宣彦監督の記念碑的作品「転校生」 (2015/03/19)
- 大林宣彦監督の映画上映、講演会。そして懇親会 (2015/03/15)
22日22時41分=2015年=
【閉店】「Cafe and Bar Chaya」のなつかし給食ランチ
【閉店】2016年夏に閉店しました。
上越市富岡の「上越の湯」内の「Cafe and Bar Chaya」がリニューアルした。それまで回転寿司だった場所だ。3月20日にリニューアルオープンし、今日までの3日間、料理が全品半額という大盤振る舞い。上越地域で毎日アップしている数少ないブログの一つで、グルメやアウトドア情報では随一の「上越に暮らすtakeさんの忘我混沌な日常」(http://take118.blog118.fc2.com/)で紹介されていたので、ラストチャンスの今日、仕事だったが、昼休みに行ってきた。
ランチメニューは、定番のパスタセット(1200円と950円)、そして「懐かし給食セット」(770円)、「おすすめランチ」(680円)があった。
↓「懐かし給食Aセット」

今回は「懐かし給食セット」を選択。Aセットはソフト麺、Bセットは揚げパンである。ソフト麺がメインディッシュのAセットを選択した。ソフト麺とおかず2種類、牛乳(ミルメーク付き)、冷凍みかんのセットである。いずれも、アルマイトの食器とトレーに入って出てくる。
私の小学校時代は、牛乳ではなく脱脂粉乳だった。中学になって少しずつ牛乳の割合が増え、最後には牛乳だけになった。ミルメークは当時なかった。脱脂粉乳を飲みやすくする添加剤である。
ソフト麺は強力粉を使った学校給食独特の麺。だが、当時はパン食が主体だったので、ソフト麺はあまり食べた記憶がない。もう少しあとの年代だろう。だがその後、給食の試食などの機会で食べていると思う。ビニールの袋入りで、ふにゃふにゃした食感の麺である。ミートソースがたっぷりだったのがうれしい。
冷凍みかんも給食に出ただろうか。冷凍みかんというと、駅で売っていたのを思い出す。何個かが網袋に入っていた。冷凍みかんと駅弁、お茶(ビニールの急須入り)が駅弁の定番だった。
揚げパンは小学校、中学校を通じ、楽しみの一つだった。今はココアをまぶしたり、きな粉をまぶしたり、いろいろなバージョンがあるようだ。当時は砂糖まぶししか食べたことがない。ランチは、ソフト麺じゃなくて、揚げパンにすればよかったかな。

【サイト内関連記事】
◇なつかしい給食の揚げパン(2011年10月12日)
http://8446.blog79.fc2.com/blog-entry-1435.html
最低気温3.2度、最高気温16.7度。曇り。

新潟にいるトリマーの長女が帰ってきていて、愛犬のトリミング中。犬にとってトリミングは迷惑なようだ。「何でこんなことしてるの。もういやだよー。何とかしてよー」という顔をしている。

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上越市富岡の「上越の湯」内の「Cafe and Bar Chaya」がリニューアルした。それまで回転寿司だった場所だ。3月20日にリニューアルオープンし、今日までの3日間、料理が全品半額という大盤振る舞い。上越地域で毎日アップしている数少ないブログの一つで、グルメやアウトドア情報では随一の「上越に暮らすtakeさんの忘我混沌な日常」(http://take118.blog118.fc2.com/)で紹介されていたので、ラストチャンスの今日、仕事だったが、昼休みに行ってきた。
ランチメニューは、定番のパスタセット(1200円と950円)、そして「懐かし給食セット」(770円)、「おすすめランチ」(680円)があった。
↓「懐かし給食Aセット」

今回は「懐かし給食セット」を選択。Aセットはソフト麺、Bセットは揚げパンである。ソフト麺がメインディッシュのAセットを選択した。ソフト麺とおかず2種類、牛乳(ミルメーク付き)、冷凍みかんのセットである。いずれも、アルマイトの食器とトレーに入って出てくる。
私の小学校時代は、牛乳ではなく脱脂粉乳だった。中学になって少しずつ牛乳の割合が増え、最後には牛乳だけになった。ミルメークは当時なかった。脱脂粉乳を飲みやすくする添加剤である。
ソフト麺は強力粉を使った学校給食独特の麺。だが、当時はパン食が主体だったので、ソフト麺はあまり食べた記憶がない。もう少しあとの年代だろう。だがその後、給食の試食などの機会で食べていると思う。ビニールの袋入りで、ふにゃふにゃした食感の麺である。ミートソースがたっぷりだったのがうれしい。
冷凍みかんも給食に出ただろうか。冷凍みかんというと、駅で売っていたのを思い出す。何個かが網袋に入っていた。冷凍みかんと駅弁、お茶(ビニールの急須入り)が駅弁の定番だった。
揚げパンは小学校、中学校を通じ、楽しみの一つだった。今はココアをまぶしたり、きな粉をまぶしたり、いろいろなバージョンがあるようだ。当時は砂糖まぶししか食べたことがない。ランチは、ソフト麺じゃなくて、揚げパンにすればよかったかな。

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http://8446.blog79.fc2.com/blog-entry-1435.html
最低気温3.2度、最高気温16.7度。曇り。

新潟にいるトリマーの長女が帰ってきていて、愛犬のトリミング中。犬にとってトリミングは迷惑なようだ。「何でこんなことしてるの。もういやだよー。何とかしてよー」という顔をしている。

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