31日22時06分=2020年=
映画「アジアの純真」 蓮池透さんがゲストトークでアブナイ話連発
戦後75年の戦争映画特集3本目の映画は「アジアの純真」(2009年)。1日3本+トーク3本はきつい。腰も尻も目も疲れ果てた。
↓予告編動画
映画は北朝鮮による日本人の拉致が明るみに出た2002年の話。ある街で朝鮮学校の女子生徒がチマ・チョゴリを着ていたことで日本人の暴漢に絡まれて刺される。だが誰も助けようとしない。双子の妹は、現場にいながら助けようとしなかった少年を引きつれて、社会への復讐を決行する。最初にターゲットになったのは、拉致被害者家族の男性。そのモデルは、拉致被害者蓮池薫さんの兄の蓮池透さんなのだ。
映画終了後のトークでは、蓮池透さんと、脚本を書いた井上淳一の応酬が面白かった。蓮池透さんは、2015年に『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)という本を出していて、これまで「拉致は国家テロ」「北朝鮮への経済制裁を行え」などと過激な発言をしていた。
↓蓮池さんは右から2人目

トークは安倍首相が辞意を表明した8月29日の翌日でもあり、安倍首相をこきおろしていた蓮池さんのトークは「おもしろいだろう」と期待していた。
蓮池さんは冒頭、映画を見てショックで「あの頃の僕は毒ガスを投げられてもしょうがなかった」と言った。最近は対話路線に変節していて、当時を「あまりにも無知だった」と反省していた。
だが、対話路線になったとは言え、マスコミには出ない裏事情がいろいろと出て、おもしろいというか、なるほどなと思った。
その一つが風評被害。「帰ってきた人間は政府からものすごい手厚い保護を受けていると、何億ももらっているんじゃないかと。私にまで月々何十万ももらっていると思われている」と切り出した。
「帰ってきたときの食費は1円も出してくれなかった。実際、国が支援しているのは、当時で1人月額13万円で、自立して所得が入ったら、それから減額しますと。生活保護のようなものだ」と言う。外食に行けば「政府の支援で外食?」、旅行へ行けば「税金で旅行ですか」と言われる。間違ってもパチンコやパチスロには行けない。拉致被害者は日本に帰ってきたのに、精神的には解放されていないのだ。
北朝鮮については「悪いのはほんの一握りの人で、あとは普通の人。(弟の薫さんから)お世話になった人、お礼を言いたい人もいる」と言われた。拉致帰国者が北朝鮮を悪く言わない理由だ。
安倍首相が辞任表明で、「拉致問題を解決できなかったことは痛恨の極み」と言ったが、蓮池さんは「そんなに拉致問題に真摯に向き合ってきたのか」と言う。29日も新聞社から電話があって「安倍さんの8年間にわたる拉致問題への評価は」と聞かれたが、「評価のしようがありません」と答えたそうだ。
その時、「でもお金は使っているみたいですよ」と。安倍さんが作った拉致問題対策本部と拉致担当大臣の今年度の年間予算は18億円。この6年間で情報収集、分析に52億円も使った。だが、具体的な内容は外交上の問題なので言えないと。「違う。やってないから言えないんでしょ」と。「魔法の言葉」で我々は20年近く騙されてきたと話す。
日本の政治について「沖縄にしろ、改憲にしろ、全部“北朝鮮の脅威だ”と言っておけばいいわけですよ。ところがトランプ氏と金正恩が仲良くしだしちゃったから、矛先を北朝鮮から韓国に変えただけ。悪者にして叩けば、それで溜飲を下げる人たちがいる。韓国と喧嘩状態になっていること自体が拉致問題のやる気がないのに等しい」と毒舌はとどまることを知らない。
マスコミ報道にも触れ、田原総一朗が「死んでる」と言って裁判になって100万円取られたことを取り上げ、「マスコミはネガティブなことを怖くて書けない」と痛い所を突く。
この他、家族会の裏側、政治的駆け引き、早紀江さんの本音など、ここに書けないオフレコ話が満載。
最後に、「拉致被害者の最高齢は95歳。最年少は横田めぐみさんの56歳。時間がこれだけ経ってしまったことを、現実のものとして捉えて、より現実的な方策をとらないといけない。外交問題まで発展しちゃったのだから、総理が判断して、これを北朝鮮側とコンセンサスを得ていなければ、いくらやったって解決しない」と述べる。
要するに「決着」の定義をした上で、対話しなくてはならないという。100%日本側が満足する結果はありえないのだから、現実的にみて、どういう状態が「決着」なのか定義することは大事ではないか。拉致問題が政治に利用されることなく、真の解決に向かって、現実的な方策がとられることを期待したい。
今日の
最低気温25.0度、最高気温29.2度。曇りで午前中は一時雨。気温が30度を割ると、ずいぶん涼しくなった感じがする。
○……豊島園が今日で閉園だという。それで思い出したのが、ロシア語同時通訳の米原万里さんの本「ガサネッタ&シモネッタ」。
時間との勝負である同時通訳で、ユーモアやダジャレが一番困るという。ある会合で、「失楽園」と「豊島園」を題材としたユーモアスピーチがあったが、ニュアンスを説明する時間はない。さあ、どうするか。
スピーチの内容は、「失楽園」が中年の男にも人気で、映画館に大勢押し寄せているという情報が入った。だが、実際に行ってみると、そこは年配女性ばかりの「豊島園」だったという話。
○……知遊堂で本を買って、PayPayで支払ったら、3等に当たった。支払い額の5%を獲得。
↓予告編動画
映画は北朝鮮による日本人の拉致が明るみに出た2002年の話。ある街で朝鮮学校の女子生徒がチマ・チョゴリを着ていたことで日本人の暴漢に絡まれて刺される。だが誰も助けようとしない。双子の妹は、現場にいながら助けようとしなかった少年を引きつれて、社会への復讐を決行する。最初にターゲットになったのは、拉致被害者家族の男性。そのモデルは、拉致被害者蓮池薫さんの兄の蓮池透さんなのだ。
映画終了後のトークでは、蓮池透さんと、脚本を書いた井上淳一の応酬が面白かった。蓮池透さんは、2015年に『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)という本を出していて、これまで「拉致は国家テロ」「北朝鮮への経済制裁を行え」などと過激な発言をしていた。
↓蓮池さんは右から2人目

トークは安倍首相が辞意を表明した8月29日の翌日でもあり、安倍首相をこきおろしていた蓮池さんのトークは「おもしろいだろう」と期待していた。
蓮池さんは冒頭、映画を見てショックで「あの頃の僕は毒ガスを投げられてもしょうがなかった」と言った。最近は対話路線に変節していて、当時を「あまりにも無知だった」と反省していた。
だが、対話路線になったとは言え、マスコミには出ない裏事情がいろいろと出て、おもしろいというか、なるほどなと思った。
その一つが風評被害。「帰ってきた人間は政府からものすごい手厚い保護を受けていると、何億ももらっているんじゃないかと。私にまで月々何十万ももらっていると思われている」と切り出した。
「帰ってきたときの食費は1円も出してくれなかった。実際、国が支援しているのは、当時で1人月額13万円で、自立して所得が入ったら、それから減額しますと。生活保護のようなものだ」と言う。外食に行けば「政府の支援で外食?」、旅行へ行けば「税金で旅行ですか」と言われる。間違ってもパチンコやパチスロには行けない。拉致被害者は日本に帰ってきたのに、精神的には解放されていないのだ。
北朝鮮については「悪いのはほんの一握りの人で、あとは普通の人。(弟の薫さんから)お世話になった人、お礼を言いたい人もいる」と言われた。拉致帰国者が北朝鮮を悪く言わない理由だ。
安倍首相が辞任表明で、「拉致問題を解決できなかったことは痛恨の極み」と言ったが、蓮池さんは「そんなに拉致問題に真摯に向き合ってきたのか」と言う。29日も新聞社から電話があって「安倍さんの8年間にわたる拉致問題への評価は」と聞かれたが、「評価のしようがありません」と答えたそうだ。
その時、「でもお金は使っているみたいですよ」と。安倍さんが作った拉致問題対策本部と拉致担当大臣の今年度の年間予算は18億円。この6年間で情報収集、分析に52億円も使った。だが、具体的な内容は外交上の問題なので言えないと。「違う。やってないから言えないんでしょ」と。「魔法の言葉」で我々は20年近く騙されてきたと話す。
日本の政治について「沖縄にしろ、改憲にしろ、全部“北朝鮮の脅威だ”と言っておけばいいわけですよ。ところがトランプ氏と金正恩が仲良くしだしちゃったから、矛先を北朝鮮から韓国に変えただけ。悪者にして叩けば、それで溜飲を下げる人たちがいる。韓国と喧嘩状態になっていること自体が拉致問題のやる気がないのに等しい」と毒舌はとどまることを知らない。
マスコミ報道にも触れ、田原総一朗が「死んでる」と言って裁判になって100万円取られたことを取り上げ、「マスコミはネガティブなことを怖くて書けない」と痛い所を突く。
この他、家族会の裏側、政治的駆け引き、早紀江さんの本音など、ここに書けないオフレコ話が満載。
最後に、「拉致被害者の最高齢は95歳。最年少は横田めぐみさんの56歳。時間がこれだけ経ってしまったことを、現実のものとして捉えて、より現実的な方策をとらないといけない。外交問題まで発展しちゃったのだから、総理が判断して、これを北朝鮮側とコンセンサスを得ていなければ、いくらやったって解決しない」と述べる。
要するに「決着」の定義をした上で、対話しなくてはならないという。100%日本側が満足する結果はありえないのだから、現実的にみて、どういう状態が「決着」なのか定義することは大事ではないか。拉致問題が政治に利用されることなく、真の解決に向かって、現実的な方策がとられることを期待したい。
今日の足跡
最低気温25.0度、最高気温29.2度。曇りで午前中は一時雨。気温が30度を割ると、ずいぶん涼しくなった感じがする。
○……豊島園が今日で閉園だという。それで思い出したのが、ロシア語同時通訳の米原万里さんの本「ガサネッタ&シモネッタ」。
時間との勝負である同時通訳で、ユーモアやダジャレが一番困るという。ある会合で、「失楽園」と「豊島園」を題材としたユーモアスピーチがあったが、ニュアンスを説明する時間はない。さあ、どうするか。
スピーチの内容は、「失楽園」が中年の男にも人気で、映画館に大勢押し寄せているという情報が入った。だが、実際に行ってみると、そこは年配女性ばかりの「豊島園」だったという話。
○……知遊堂で本を買って、PayPayで支払ったら、3等に当たった。支払い額の5%を獲得。
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- 戦時下の女としての目覚め描く「この国の空」 (2020/08/30)
- 坂口安吾原作の映画「戦争と一人の女」 (2020/08/29)
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30日21時41分=2020年=
戦時下の女としての目覚め描く「この国の空」
高田世界館の戦争映画特集2本目は、朝ドラのヒロイン、二階堂ふみ主演の「この国の空」。2015年公開の作品で、キネマ旬報ベスト・テン7位。高田世界館の椅子はクッションがあまりなく、2本目となると尻と腰が痛くなってくる。
谷崎潤一郎賞を受賞した高井有一の同名小説を映画化した作品。戦時下で、恋も知らない若い女と妻子持ちの男が互いを求めるさまを、荒井晴彦監督が濃密に描き出した。その荒井晴彦監督がトークショーに出演し、舞台裏を語った。

映画の舞台は終戦も近い昭和20年。東京・杉並の住宅に母(工藤夕貴)と暮らす19歳の里子(二階堂ふみ)が主人公。隣家には妻子を疎開させた銀行支店長の市毛(長谷川博己)が一人で暮らしており、里子は彼の身の回りの世話をしているうちにひかれていく。日に日に戦況が悪化し、自分は男性と結ばれることのないまま死ぬのだろうかという不安を覚えた里子は、次第に女として目覚めていく。
荒井晴彦監督は脚本の名手で、安吾の「不連続殺人事件」(1977年)やら、「時代屋の女房」(1983年)、「ヴァイブレータ」(2003年)、「海を感じる時」(2014年)、「さよなら歌舞伎町」(2015年)、「幼な子われらに生まれ」(2017年)、「火口のふたり」(2019年)などを手掛けている。「この国の空」は1997年以来の監督作品。

上映後のトークショーで、荒井晴彦監督は「脚本賞を取れるような本だが、誰が見るんだ」と思ったが「自分で撮ればいいじゃないかと思った」と監督をやった経緯を述べた。「19歳の女の子が“戦争が終わってほしくない”と思うことから戦後が見えるのではないか」と制作意図を述べた。
映画の最後に里子が「私の戦争はこれから始まる」というテロップは蛇足的にも見えたが、これについて監督は「あそこだけ、俺のオリジナル」だという。
またタイトルバックに茨木のり子の有名な詩「わたしが一番きれいだったとき」が使われている。それについては「屋上屋を重ねると言われたことはある。蛇足かわからないが、1億円も金を使ったので不安だし、確信犯としてやった」と述べ、会場から爆笑が起きた。
長谷川博己、二階堂ふみのキャスティングについては、「長谷川博己はNHKのドラマでおばさんたちに人気があり、頼もうかなと思った。女性は裸になってくれることが前提なので、“愛の渦”で脱いだ門脇麦で行こうと思ったがスケジュールが合わなかった」という。
二階堂ふみについて「バストトップはだめだと聞いていたが、現場へ入ればなんとかなるんじゃないかと。おっぱいだめなら脇毛を撮ろうとしたが……」と舞台裏の秘話。でも、背後からのヌードはあったし、工藤夕貴の脇毛シーンはあったぞ。これが、処女喪失の場面が淡白だった理由だ。
戦時中でも、いろいろなものを食べるシーンがあった。「戦時中でも食料が豊富だったじゃないか、と言われるが、配給があった戦時中よりも、外地から兵隊が戻ってきた戦後のほうがなかった。きれいな服を着ていると言われたが、日本中に爆弾が落ちたわけではない」と述べた。
劇中で、原爆被害を避けるため、白い服を着る場面があったが、なるほどと思った。これが「言葉を撮る」ということらしい。
↓サイン会も行われた

↓「この国の空」予告
今日の
最低気温26.9度、最高気温34.4度。晴れ。猛暑日は免れたが暑い一日。
○……10日ぐらいウクレレを弾かないでいたら、4曲ほど暗譜していたはずの曲が弾けなくなってしまった。また、楽譜を見て練習しないと記憶が戻らない。記憶力も若い頃と違う。筋力が落ちるのも早いし、これが老化ということか。
○……裏庭のミョウガもそろそろ終わり。最後のミョウガを取るためにTシャツに短パンという格好で収穫したら、右腕の至るところが虫に食われてしまった。蚊ではなく、ダニのような感じ。ただれたように皮膚が腫れている。あまりにかゆいので、ドラッグストアにかゆみ止めを買いに行った。ミョウガは5個ほどしか取れず、高いミョウガについてしまった。
谷崎潤一郎賞を受賞した高井有一の同名小説を映画化した作品。戦時下で、恋も知らない若い女と妻子持ちの男が互いを求めるさまを、荒井晴彦監督が濃密に描き出した。その荒井晴彦監督がトークショーに出演し、舞台裏を語った。

映画の舞台は終戦も近い昭和20年。東京・杉並の住宅に母(工藤夕貴)と暮らす19歳の里子(二階堂ふみ)が主人公。隣家には妻子を疎開させた銀行支店長の市毛(長谷川博己)が一人で暮らしており、里子は彼の身の回りの世話をしているうちにひかれていく。日に日に戦況が悪化し、自分は男性と結ばれることのないまま死ぬのだろうかという不安を覚えた里子は、次第に女として目覚めていく。
荒井晴彦監督は脚本の名手で、安吾の「不連続殺人事件」(1977年)やら、「時代屋の女房」(1983年)、「ヴァイブレータ」(2003年)、「海を感じる時」(2014年)、「さよなら歌舞伎町」(2015年)、「幼な子われらに生まれ」(2017年)、「火口のふたり」(2019年)などを手掛けている。「この国の空」は1997年以来の監督作品。

上映後のトークショーで、荒井晴彦監督は「脚本賞を取れるような本だが、誰が見るんだ」と思ったが「自分で撮ればいいじゃないかと思った」と監督をやった経緯を述べた。「19歳の女の子が“戦争が終わってほしくない”と思うことから戦後が見えるのではないか」と制作意図を述べた。
映画の最後に里子が「私の戦争はこれから始まる」というテロップは蛇足的にも見えたが、これについて監督は「あそこだけ、俺のオリジナル」だという。
またタイトルバックに茨木のり子の有名な詩「わたしが一番きれいだったとき」が使われている。それについては「屋上屋を重ねると言われたことはある。蛇足かわからないが、1億円も金を使ったので不安だし、確信犯としてやった」と述べ、会場から爆笑が起きた。
長谷川博己、二階堂ふみのキャスティングについては、「長谷川博己はNHKのドラマでおばさんたちに人気があり、頼もうかなと思った。女性は裸になってくれることが前提なので、“愛の渦”で脱いだ門脇麦で行こうと思ったがスケジュールが合わなかった」という。
二階堂ふみについて「バストトップはだめだと聞いていたが、現場へ入ればなんとかなるんじゃないかと。おっぱいだめなら脇毛を撮ろうとしたが……」と舞台裏の秘話。でも、背後からのヌードはあったし、工藤夕貴の脇毛シーンはあったぞ。これが、処女喪失の場面が淡白だった理由だ。
戦時中でも、いろいろなものを食べるシーンがあった。「戦時中でも食料が豊富だったじゃないか、と言われるが、配給があった戦時中よりも、外地から兵隊が戻ってきた戦後のほうがなかった。きれいな服を着ていると言われたが、日本中に爆弾が落ちたわけではない」と述べた。
劇中で、原爆被害を避けるため、白い服を着る場面があったが、なるほどと思った。これが「言葉を撮る」ということらしい。
↓サイン会も行われた

↓「この国の空」予告
今日の足跡
最低気温26.9度、最高気温34.4度。晴れ。猛暑日は免れたが暑い一日。
○……10日ぐらいウクレレを弾かないでいたら、4曲ほど暗譜していたはずの曲が弾けなくなってしまった。また、楽譜を見て練習しないと記憶が戻らない。記憶力も若い頃と違う。筋力が落ちるのも早いし、これが老化ということか。
○……裏庭のミョウガもそろそろ終わり。最後のミョウガを取るためにTシャツに短パンという格好で収穫したら、右腕の至るところが虫に食われてしまった。蚊ではなく、ダニのような感じ。ただれたように皮膚が腫れている。あまりにかゆいので、ドラッグストアにかゆみ止めを買いに行った。ミョウガは5個ほどしか取れず、高いミョウガについてしまった。
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29日11時43分=2020年=
坂口安吾原作の映画「戦争と一人の女」

上越市の高田世界館で戦後75年の戦争映画特集に行ってきた。午後2時30分から10時までの8時間半の長丁場。「戦争と一人の女」「この国の空」「アジアの純真」の3本を見てきた。いずれも監督や脚本家などのゲストトークがあった。まずはその1本目。

「戦争と一人の女」(2013年)は、県人・坂口安吾の原作を井上淳一が初監督で挑む官能ドラマ。坂口安吾はほとんど読んでいるけれど、既に内容は忘れかけていた。文庫本で調べたら「外套と青空」(角川文庫)に収められた20ページほどの短編だ。
映画の上映後には井上監督のトークショーもあるので、楽しみにしていた。客の入りがなかなかすばらしい。若い人が多かったのがうれしい。
さて、原作ではあまり強い印象がなかった激しいレイプシーンが何度も出てくる。太平洋戦争末期から終戦後の東京を舞台に、ドロドロとした愛欲が交錯する。戦争の裏側の顔だ。
映画では2組の男女が出てくる。坂口安吾とみられる作家(永瀬正敏)は飲み屋を営む女性(江口のりこ)と一緒に住み始め貪るように体を重ねるが、幼少期に遊郭に売り飛ばされた彼女は体を重ねても喜びを感じられない。
一方、中国戦線で右腕をなくして帰国した男(村上淳)は、精神的後遺症(PTSD)から勃起できない体になっていた。ある時、強姦される現場を見て性的興奮を覚えたことから、女を山に誘い出し強姦し殺す行為を重ねる。

上映後のトークショーには井上淳一監督、共同脚本を手掛けた新潟市出身の中野太さん、「この国の空」(15年)の荒井晴彦監督の3人で行われた。
日本の戦争映画は自然災害のように「被害」を描くものばかりで、「加害」を描くものが少ないという。荒井さんは「広島になぜ原爆にやられたかというと、軍都だったから。広島は加害の町から被害の町になった。『この世界の片隅に』のように『何の罪もないすずちゃんが』みたいなのが良い映画とされた」と言う。井上監督は「広島の平和記念資料館がリニューアルされたとき、被害を描いた蝋人形がなくなった。また広島がどうして原爆が落とされたのかという過程があった」と言う。
激しいレイプシーンが多かったことについて井上監督は「東京で十数万、広島の原爆で十数万という数になってしまうが、その一人ひとりに親兄弟がいて、好きな人がいて、それぞれのが苦しみの中で死んでいく。それを低予算の中で空襲ではなく、レイプでやった」という。
↓予告編
今日の足跡
最低気温26.7度、最高気温35.3度。晴れ。2日連続で猛暑日。

○……大潟区「とくっと」のステーキ重。これだけ肉の量が多くても5年ぐらい前までならぺろっと食べられたのだが、今は完食が難しい。胃袋が小さくなったのか。単なる加齢か。
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28日21時10分=2020年=
北代ぶどう園へ 絶品の「藤稔」

ブドウの季節がやってきた。上越市三和区の北代ぶどう園でブドウを買ってきた。いつもの「あまや農園」にした。
写真を撮らせてもらったが、いまは全部のブドウに袋をかけるので、絵にならない。
味見用のブドウが2種類出てきた。黒くて大きな「藤稔」と、淡赤紫の「紅瑞鳳」である。藤稔は巨峰かと思ったが、味は酸味もあって甘すぎない。絶品だと思う。紅瑞鳳もさっぱりした味。どちらもおいしかったが、お土産は藤稔にした。

箱入り、1kgで1050円。これだけ入っていればお得かな。ちなみに、ネットでは1kg5400円の値段が付いたものもあった。
シャインマスカットが欲しかったが、9月20日頃だという。
今日の足跡
最低気温 25.4、最高気温35.3度。晴れて暑い。猛暑日である。2階のトイレで手を洗ったら熱湯が出てきた。2階は暑い。サウナのようだ。
○……朝のワイドショーで、「人気(ひとけ)のない商店街」を「人気(にんき)のない商店街」と読んでしまい、訂正が出た。原稿を書いた放送記者が悪い。

○……今日の新潟日報。1面に「首相続投意欲表明へ」の見出し。だが、安倍首相は夕方の記者会見で辞意を表明。持病である潰瘍性大腸炎の再発だという。最悪の誤報となった。情報源は何だったのか。日報の誤報というより、共同通信の誤報なのだが。
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27日22時41分=2020年=
村上春樹の短編小説集「一人称単数」②
村上春樹の6年ぶり短篇小説集「一人称単数」の後半を読み終えた。8編はどれも面白く、読み終えるのがもったいなかった。

ほとんどの話に音楽がからんでくる。クラシックやジャズであるが、出てくる度にYouTubeで検索し、その曲をかけながら読むのが楽しい。村上春樹ならではの楽しみ方である。
8編の中で異質なのが「ヤクルト・スワローズ詩集」。村上春樹のヤクルトファンの歴史を記している。
弱小球団ヤクルトがなぜ好きなのか、負けている試合の楽しみ方など、とてもおもしろい。ちょうど、今夜は巨人対ヤクルトの3連戦の3戦目。ヤクルトは巨人に3連敗を喫した。ヤクルトは全然いい所がなかったし、覇気もなかった。
小説の中で紹介されている自費出版本「ヤクルト・スワローズ詩集」を読みたいと思って、Amazonや古本屋のサイトを探したが、どこにもない。この本は存在せず、架空の本だったのだ。あやうく春樹マジックにひっかかるところだった。
村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』に出てくる作家デレク・ハートフィールドは架空の人物だという。
◇「ヤクルト・スワローズ詩集」
村上春樹の野球歴の自伝。野球が好きで、生の試合が好きで、神宮球場が好きで、ヤクルトが好き。弱小球団で、球場が常に閑散としている。「ビールを飲みながら野球を観戦し、ときどきあてもなく空を見上げていれば、それでまずまず幸福だった。たまにチームが勝っているときにはゲームを楽しみ、負けているときには『まあ人生、負けることに慣れておくのも大事だから』と考えるようにしていた」。「人生の本当の知恵は『どのように相手に勝つか』よりはむしろ、『どのようにうまく負けるか』というところから育っていく」。1982年、観戦しながら書いた「ヤクルト・スワローズ詩集」を自費出版した。500部作って200部が売れ、あとは配った。それがコレクターズアイテムになって高値が付いているという。村上氏の手元に2部しか残っていないが、その詩の一部が掲載されている。
↓今日の試合も巨人が完勝。ヤクルトはいい所がなかった

◇謝肉祭
簡単に言えば“ブス遍歴”。その中で最も醜い女性がコンサート会場で出会った「F*」だった。醜さについて語ることは、美しさについて語ることでもある。美しい女性たちの多くは、自分の美しくない部分を不満に思い、あるいは苛立ち、その不満や苛立ちに恒常的に心をさいなまれているようだった。「F*」の力強い個性‐あるいは「吸引力」とでも称すべきもの‐はまさにその普通ではない容貌があってこそ有効に発揮されるものだった。
2人はピアノの独奏曲が好きなことで趣味が一致した。そして究極のピアノ音楽として選んだのが、シューマンの「謝肉祭」だった。2人は「謝肉祭」について語り合い、レコードを聞き、コンサートに行った。
彼女は自らについて何一つ語らなかった。半年後、彼女と突然連絡がとれなくなった。数か月後、彼女が詐欺容疑で逮捕されたニュースを見た。ハンサムな夫との共犯だった。その後、「謝肉祭」が演奏されるたび客席を探すが、彼女の姿はなかった。
↓シューマン ≪謝肉祭≫ 作品9 ルービンシュタイン
◇「品川猿の告白」
群馬県の小さな温泉旅館で年老いた猿に出会った。温泉に入っていると言葉が話せる猿が入ってきて、背中を流してくれた。旅館で働いているという。以前、大学の先生と暮らしていたため、無類の音楽好きで、ブルックナーの七番が好きだという。
猿に仕事が終わってからビールを飲みながら身の上話を聴かせてもらった。品川で長く人間と暮らしていたので、猿ともコミュニケーションが取れないという。猿は人間の女性にしか恋情を抱けない体質になっており、これまで7人の女性から名前を盗んだ。盗まれた女性は、名前が思い出せないことがあるという。翌日、宿を出る時、ビール代を払おうとしたら、自販機の缶ビールしかないと、ビール代を受け取らない。
それから5年。旅行雑誌の美人女性編集者と仕事の打ち合わせをしていて、彼女が自分の名前を思い出せないという。女性は最近、品川区で運転免許証をなくしたことがあるという。品川猿の仕業なのか。
↓ブルックナー: 交響曲 第7番 ホ長調 ヴァント, ベルリン・フィル
◇「一人称単数」
普段スーツを着る機会がないので、試しに着てみることがある。すると、外出してみようという気持ちになる。ある日スーツを着てビルの地下にあるバーに入った。ウオッカ・ギムレットを飲みながらミステリー小説を読んでいると、人生の分岐点で別の選択をしていたら、一人称単数である私はいなかったはずだと思う。「でもこの鏡に映っているのはいったい誰なんだろう」と思う。
近くにいた客の女性が話しかけてきた。「そんなことをしていて、なにか愉しい?」と。そして、3年前に水辺で、友達に不愉快なことをしたと言う。「恥を知りなさい」とその女は言った。
今日の
最低気温24.0度、最高気温35.7度。晴れ。
○……「きき酒マラソン」が11月8日、オンラインで開催するとの通知ハガキが届いた。自分で走るコースを設定し、4時間ほど走るらしい。参加費は5000円。きき酒はどうするのだろう。

ほとんどの話に音楽がからんでくる。クラシックやジャズであるが、出てくる度にYouTubeで検索し、その曲をかけながら読むのが楽しい。村上春樹ならではの楽しみ方である。
8編の中で異質なのが「ヤクルト・スワローズ詩集」。村上春樹のヤクルトファンの歴史を記している。
弱小球団ヤクルトがなぜ好きなのか、負けている試合の楽しみ方など、とてもおもしろい。ちょうど、今夜は巨人対ヤクルトの3連戦の3戦目。ヤクルトは巨人に3連敗を喫した。ヤクルトは全然いい所がなかったし、覇気もなかった。
小説の中で紹介されている自費出版本「ヤクルト・スワローズ詩集」を読みたいと思って、Amazonや古本屋のサイトを探したが、どこにもない。この本は存在せず、架空の本だったのだ。あやうく春樹マジックにひっかかるところだった。
村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』に出てくる作家デレク・ハートフィールドは架空の人物だという。
◇「ヤクルト・スワローズ詩集」
村上春樹の野球歴の自伝。野球が好きで、生の試合が好きで、神宮球場が好きで、ヤクルトが好き。弱小球団で、球場が常に閑散としている。「ビールを飲みながら野球を観戦し、ときどきあてもなく空を見上げていれば、それでまずまず幸福だった。たまにチームが勝っているときにはゲームを楽しみ、負けているときには『まあ人生、負けることに慣れておくのも大事だから』と考えるようにしていた」。「人生の本当の知恵は『どのように相手に勝つか』よりはむしろ、『どのようにうまく負けるか』というところから育っていく」。1982年、観戦しながら書いた「ヤクルト・スワローズ詩集」を自費出版した。500部作って200部が売れ、あとは配った。それがコレクターズアイテムになって高値が付いているという。村上氏の手元に2部しか残っていないが、その詩の一部が掲載されている。
↓今日の試合も巨人が完勝。ヤクルトはいい所がなかった

◇謝肉祭
簡単に言えば“ブス遍歴”。その中で最も醜い女性がコンサート会場で出会った「F*」だった。醜さについて語ることは、美しさについて語ることでもある。美しい女性たちの多くは、自分の美しくない部分を不満に思い、あるいは苛立ち、その不満や苛立ちに恒常的に心をさいなまれているようだった。「F*」の力強い個性‐あるいは「吸引力」とでも称すべきもの‐はまさにその普通ではない容貌があってこそ有効に発揮されるものだった。
2人はピアノの独奏曲が好きなことで趣味が一致した。そして究極のピアノ音楽として選んだのが、シューマンの「謝肉祭」だった。2人は「謝肉祭」について語り合い、レコードを聞き、コンサートに行った。
彼女は自らについて何一つ語らなかった。半年後、彼女と突然連絡がとれなくなった。数か月後、彼女が詐欺容疑で逮捕されたニュースを見た。ハンサムな夫との共犯だった。その後、「謝肉祭」が演奏されるたび客席を探すが、彼女の姿はなかった。
↓シューマン ≪謝肉祭≫ 作品9 ルービンシュタイン
◇「品川猿の告白」
群馬県の小さな温泉旅館で年老いた猿に出会った。温泉に入っていると言葉が話せる猿が入ってきて、背中を流してくれた。旅館で働いているという。以前、大学の先生と暮らしていたため、無類の音楽好きで、ブルックナーの七番が好きだという。
猿に仕事が終わってからビールを飲みながら身の上話を聴かせてもらった。品川で長く人間と暮らしていたので、猿ともコミュニケーションが取れないという。猿は人間の女性にしか恋情を抱けない体質になっており、これまで7人の女性から名前を盗んだ。盗まれた女性は、名前が思い出せないことがあるという。翌日、宿を出る時、ビール代を払おうとしたら、自販機の缶ビールしかないと、ビール代を受け取らない。
それから5年。旅行雑誌の美人女性編集者と仕事の打ち合わせをしていて、彼女が自分の名前を思い出せないという。女性は最近、品川区で運転免許証をなくしたことがあるという。品川猿の仕業なのか。
↓ブルックナー: 交響曲 第7番 ホ長調 ヴァント, ベルリン・フィル
◇「一人称単数」
普段スーツを着る機会がないので、試しに着てみることがある。すると、外出してみようという気持ちになる。ある日スーツを着てビルの地下にあるバーに入った。ウオッカ・ギムレットを飲みながらミステリー小説を読んでいると、人生の分岐点で別の選択をしていたら、一人称単数である私はいなかったはずだと思う。「でもこの鏡に映っているのはいったい誰なんだろう」と思う。
近くにいた客の女性が話しかけてきた。「そんなことをしていて、なにか愉しい?」と。そして、3年前に水辺で、友達に不愉快なことをしたと言う。「恥を知りなさい」とその女は言った。
今日の足跡
最低気温24.0度、最高気温35.7度。晴れ。
○……「きき酒マラソン」が11月8日、オンラインで開催するとの通知ハガキが届いた。自分で走るコースを設定し、4時間ほど走るらしい。参加費は5000円。きき酒はどうするのだろう。
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26日20時43分=2020年=
村上春樹の短編小説集「一人称単数」①
村上春樹の6年ぶり短篇小説集「一人称単数」。相変わらず、装丁がすばらしい。2018年から2020年までに「文學界」に掲載されていた短編8作をまとめたものだ。まだ最後まで読み終えていないので、2回に分けて紹介したい。

村上春樹らしい青春の香り漂う佳編ばかり。音楽をかけてビールを飲みながら読むのがお薦め。
音楽関連の短編が2編あったので、関連する動画を張った。
◇「石のまくらに」
大学2年生の主人公と、同じアルバイト先の職場で働いていた20代半ばの女性の話。彼女の送別会の帰りの電車の中で、「今日きみのところに泊めてもらえないかな?」と言われる。女性の気まぐれにより一夜を過ごすが、彼女はイクときに好きな男の名前を連呼する。彼女は不思議な短歌を作り、冊子まで出していた。つい数時間前に、自分の腕の中であえいでいた女性とのギャップに逡巡する。
◇「クリーム」
浪人生の主人公がピアノ演奏会の招待状を受け取った。彼女は学年が一つ下で、同じ先生にピアノを習っていた。完成な高級住宅街でのリサイタルに出席するため、バラの花束を持ってでかけた。だが、会場の建物は鉄扉が閉ざされていた。あきらめて帰る途中、公園のベンチで腰を下ろしていると、過呼吸に陥った。その時一人の老人が現れ「中心がいくつもあって、しかも外周を持たない円」について話しかけてきた。老人は「時間をかけて手間を掛けて、そのむずかしいことを成し遂げたときにな、それがそのまま人生のクリームになるんや」という。
◇「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」
主人公が大学時代、文芸誌に書いた音楽書評。チャーリー・パーカー(バード)が、1963年にヘロイン中毒から復活し、ボサノヴァを演奏したレコードを発売したという架空の評論だ。
それから15年後、その架空のレコードを、ニューヨークの中古レコード店で発見する。自家製のレコードで35ドルの値段が付いていたので、買わずに店を出た。しかし、気になって翌日再び店に行くと、レコードはなかった。その後のある夜、チャーリー・パーカーが夢の中にでてきて、そのレコードの1曲目「コルコヴァド」を演奏してくれた。「私が死んだとき、私はまだ三十四歳だった。三十四歳だよ」とバードは言った。バードが死にゆく時、頭の中で鳴り響いていたメロディーは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲一番、三楽章の一節だった。「ベートーベンの書いたメロディーの中では、こいつは最高にスイングする一節だ」と言った。
↓ベートーヴェンのピアノ協奏曲1番、3楽章
◇「ウィズ・ザ・ビートルズ」
1964年、ビートルズ旋風が世界中を吹き荒れていた時代。学校の廊下でビートルズの「ウィズ・ザ・ビートルズ」を抱えてすれ違った美しい少女とすれ違ったときの胸の息苦しさと耳の奥に聞こえる小さな鈴の音は、その後女性と付き合うときの「憧憬の水準器」であった。翌年、初めてのガールフレンドができた。彼女の家のソファーでステレオでかかるパーシー・フェイス楽団の「夏の日の恋」を聞きながら、キスをし乳房に手を触れた。
ある日、約束の時間に彼女の家を尋ねると留守で、ときどき記憶が飛ぶ病気がある彼女の兄と話し、国語の教科書を読むはめになった。それから18年後、渋谷で兄と偶然に再開し、彼女は3年前に睡眠薬を飲んで自殺したという。
↓パーシー・フェイス「夏の日の恋」
今日の
最低気温23.2度、最高気温35.5度。晴れ。猛暑日になった。ランニング2km.
○……暑いのと、夜ふかしをして朝が起きられなく、しばらくランニングをしていなかった。マラソン大会がみんななくなって走る意欲がなかったことも大きい。でも、もうすぐ9月。そろそろ走り始めようと思う。
今日は暗くなる前に仕事から帰ってきたので、文化ホールの回りを2周半した。少しずつ、元に戻したいと思う。

村上春樹らしい青春の香り漂う佳編ばかり。音楽をかけてビールを飲みながら読むのがお薦め。
音楽関連の短編が2編あったので、関連する動画を張った。
◇「石のまくらに」
大学2年生の主人公と、同じアルバイト先の職場で働いていた20代半ばの女性の話。彼女の送別会の帰りの電車の中で、「今日きみのところに泊めてもらえないかな?」と言われる。女性の気まぐれにより一夜を過ごすが、彼女はイクときに好きな男の名前を連呼する。彼女は不思議な短歌を作り、冊子まで出していた。つい数時間前に、自分の腕の中であえいでいた女性とのギャップに逡巡する。
◇「クリーム」
浪人生の主人公がピアノ演奏会の招待状を受け取った。彼女は学年が一つ下で、同じ先生にピアノを習っていた。完成な高級住宅街でのリサイタルに出席するため、バラの花束を持ってでかけた。だが、会場の建物は鉄扉が閉ざされていた。あきらめて帰る途中、公園のベンチで腰を下ろしていると、過呼吸に陥った。その時一人の老人が現れ「中心がいくつもあって、しかも外周を持たない円」について話しかけてきた。老人は「時間をかけて手間を掛けて、そのむずかしいことを成し遂げたときにな、それがそのまま人生のクリームになるんや」という。
◇「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」
主人公が大学時代、文芸誌に書いた音楽書評。チャーリー・パーカー(バード)が、1963年にヘロイン中毒から復活し、ボサノヴァを演奏したレコードを発売したという架空の評論だ。
それから15年後、その架空のレコードを、ニューヨークの中古レコード店で発見する。自家製のレコードで35ドルの値段が付いていたので、買わずに店を出た。しかし、気になって翌日再び店に行くと、レコードはなかった。その後のある夜、チャーリー・パーカーが夢の中にでてきて、そのレコードの1曲目「コルコヴァド」を演奏してくれた。「私が死んだとき、私はまだ三十四歳だった。三十四歳だよ」とバードは言った。バードが死にゆく時、頭の中で鳴り響いていたメロディーは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲一番、三楽章の一節だった。「ベートーベンの書いたメロディーの中では、こいつは最高にスイングする一節だ」と言った。
↓ベートーヴェンのピアノ協奏曲1番、3楽章
◇「ウィズ・ザ・ビートルズ」
1964年、ビートルズ旋風が世界中を吹き荒れていた時代。学校の廊下でビートルズの「ウィズ・ザ・ビートルズ」を抱えてすれ違った美しい少女とすれ違ったときの胸の息苦しさと耳の奥に聞こえる小さな鈴の音は、その後女性と付き合うときの「憧憬の水準器」であった。翌年、初めてのガールフレンドができた。彼女の家のソファーでステレオでかかるパーシー・フェイス楽団の「夏の日の恋」を聞きながら、キスをし乳房に手を触れた。
ある日、約束の時間に彼女の家を尋ねると留守で、ときどき記憶が飛ぶ病気がある彼女の兄と話し、国語の教科書を読むはめになった。それから18年後、渋谷で兄と偶然に再開し、彼女は3年前に睡眠薬を飲んで自殺したという。
↓パーシー・フェイス「夏の日の恋」
今日の足跡
最低気温23.2度、最高気温35.5度。晴れ。猛暑日になった。ランニング2km.
○……暑いのと、夜ふかしをして朝が起きられなく、しばらくランニングをしていなかった。マラソン大会がみんななくなって走る意欲がなかったことも大きい。でも、もうすぐ9月。そろそろ走り始めようと思う。
今日は暗くなる前に仕事から帰ってきたので、文化ホールの回りを2周半した。少しずつ、元に戻したいと思う。
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25日21時20分=2020年=
「ばかうけ」南蛮海老風味
新潟市にある栗山米菓の「ばかうけ」南蛮海老風味を買ってきた。新潟県内限定商品で、おそらくみやげ向けか。

先日、道の駅あらいで400円(正確には378円)のところ、200円の特価で販売していた。賞味期限が9月18日に迫っているので、安くしたのだろう。

いわゆる「ご当地限定ばかうけ」シリーズで、他には「若鶏の半身揚げカレー風味」「イカ七味マヨネーズ一夜干し風」が出ている。
2枚入の袋が8袋入っている。とにかく、エビの風味がすごい。もう一袋買ってくれば良かった。
今日の
最低気温22.4度、最高気温34.3度。晴れ。腹筋、スクワット30分。
○……安倍総理の病状をめぐって、「ポスト安倍」論議が盛んだ。元新潟県知事の君健男さんが1989年、病気のため辞任したことを思い出した。その時は「ポスト君」と新聞が書き立てた。「ポスト君」って、郵便ポストのゆるきゃらみたいで可愛くない?

先日、道の駅あらいで400円(正確には378円)のところ、200円の特価で販売していた。賞味期限が9月18日に迫っているので、安くしたのだろう。

いわゆる「ご当地限定ばかうけ」シリーズで、他には「若鶏の半身揚げカレー風味」「イカ七味マヨネーズ一夜干し風」が出ている。
2枚入の袋が8袋入っている。とにかく、エビの風味がすごい。もう一袋買ってくれば良かった。
今日の足跡
最低気温22.4度、最高気温34.3度。晴れ。腹筋、スクワット30分。
○……安倍総理の病状をめぐって、「ポスト安倍」論議が盛んだ。元新潟県知事の君健男さんが1989年、病気のため辞任したことを思い出した。その時は「ポスト君」と新聞が書き立てた。「ポスト君」って、郵便ポストのゆるきゃらみたいで可愛くない?
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24日21時19分=2020年=
素敵な隠れ家「姫川原カフェ KOTARO」

昨年11月にオープンした「姫川原カフェ KOTARO」に行ってきた。知人が脱サラをして畑違いのカフェをオープンし、好評だというので、ランチに訪ねてみた。
場所は妙高市姫川原の久保田という集落内。カーナビがないとたどり着けない隠れ家的なカフェだ。築30年の民家を買ってリノベーションしたもので、店主1人で料理やらスイーツまで手作りし提供している。

店内の柱や梁は艶があって素晴らしい。古民家の古材を生かして建てたものらしく、傷一つなく、ニスを塗ったばかりのような輝きをしている。
↓長めが良いカウンター席

テーブル席が5つと、カウンター席、ソファー席があり、奥にはグループで使える部屋もある。窓からは春には桜も眺められるという。緑いっぱいの農村風景を見ながら食べる料理は格別だ。
↓メニュー

さて、料理は「日替わり膳」(800円)がお薦め。ほかに、焼きカレー、ドリア(各800円)もある。ドリンクを付けると各1100円、ドリンクとデザートを付けると1300円となる。
店主は野菜ソムリエの資格があり、料理は地元で採れた野菜をふんだんに使ったもの。素敵な小鉢に少しずつ入って提供される。
↓日替わり膳

この日は焼き魚(鮭)、チキンのトマトソース煮、野菜サラダ、小鉢3種類。あとはご飯と味噌汁。肉と魚、野菜というバランスの取れた料理である。味付けは薄味でおいしい。
↓おしゃれな陶器のコップで出てくるアイスコーヒー

アイスコーヒーを頼んだが、業務用のボトルコーヒーではなく、一杯ずつコーヒー豆からいれた本格的なもので、おいしかった。
コロナ禍のため入店数を制限しており、ランチタイムは予約必須。
店名の「KOTARO」は親しみやすいように名付けたものだが、地元鳥坂山で鎌倉幕府と戦った越後領主、城小太郎の名と偶然にも一致したという。
◇所在地:妙高市姫川原2921
◇営業時間:11:00~18:00
◇定休日:水曜
◇電話:0255-77-4213
↓Facebookページ
https://www.facebook.com/pages/category/Cafe/%E5%A7%AB%E5%B7%9D%E5%8E%9F%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7kotaro-105637851091051/
今日の足跡
最低気温23.1度、最高気温32.1度。晴れ。スクワット、腹筋30分。


○……「姫川原カフェ KOTARO」の店内に上越市大和4のアトリエ・ユキで作っているクラフト作品が展示されていた。脳出血により右半身麻痺のユキさん(男性)が、砂浜で拾ったシーグラス(すり減って丸くなったガラス片)を使ったもので、小物やスタンドに生まれ変わらせた。この店にいくつも展示してあり、販売している。素晴らしいものだ。
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23日20時20分=2020年=
赤倉観光ホテルのレーズンパン

赤倉観光ホテルのレーズンパン。昼頃には早くも売り切れる人気のパンである。10時から販売するので、どうしても手に入れたい人は早めに行った方がいい。
4種類のレーズンがびっしり入っている。その量も半端ではなく、パンがずっしり重い。パン生地もきめ細かくてバターの風味が生きている。
フルーツケーキ(小1650円)は高いけれど、年に数回は食べている。絶品である。
【付記】
ホテルの宿泊客がチェックアウトの際に買って帰るので、オープン直後の午前10時すぎには売り切れになることが多いそうだ。手に入れたい場合は、予約がお薦め。レーズンが多く、切るのが難しいため、切ってもらうのがいいという。
今日の足跡
最低気温22.5度、最高気温32.4度。晴れ。今日はスクワットや腹筋で筋トレ。

○……道の駅あらいの農産物直売所ひだなんで買い物。ナスのいろいろな品種があった。紫水、十全、丸えんぴつ、丸なす、長なす、水なす、大長なすなど、いろいろあった。さすが新潟県はナス王国だ。

○……道の駅あらいの拡張エリアにウォーキングコースがあった。ランニングでもOKだと思う。カラー舗装されていて気持ちがいい。一周回って距離を測ったら、170mあった。


○……24時間テレビで、高橋尚子が115kmを走った。金メダルから20年。現在48歳。現役引退後も毎日20kmを走っていたそうだ。それでも80km以上を走ったのは初めてだったそうだ。今年はコロナ禍でマラソン大会がなかったが、高橋尚子の素晴らしい走りを見て元気が出た。来月から走るぞ。
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22日21時58分=2020年=
お好み焼き&喫茶「華」
妙高市白山町3に昨年11月オープンした「華(はな)」で、お好み焼きを食べてきた。車で店の前を通る度に、食べてみたかった。
最近は上越市の「お好み焼き本舗」が閉店し、その前にはパティオの「お好み焼きもんじゃ」もやめちゃったし、最近はお好み焼きが食べられる店が少なくなった。
「華」は、大阪出身のおばちゃん(岩澤さん)が、自宅敷地内で1人でやっている小さな店で、鉄板の席が2つしかない。10人も入ればいっぱいになる。
お好み焼きは大阪風(500円)と広島風(600円)の両方をやっていて、もんじゃ焼き(600円)もある。ほかに、焼きそば(500円)や、たこ焼き(300円)、餃子(300円)など。お好み焼きなどはセルフではなく、ちゃんと焼いてくれる。

↓お好み焼きの焼き上がり

↓手作り餃子

大阪風と餃子にビールを注文。餃子をつまみに飲んでいるうちに、お好み焼きができた。分厚くボリューム感抜群。1枚食べたら満腹になりそう。
ふわっと焼き上がっていて、キャベツのシャキシャキ感も残っている。おばちゃんいわく、山芋を入れすぎるとふわっと焼けないという。確かにそのとおり。味変用にからしマヨネーズも出てきた。これもうまい。
昼間は喫茶として営業中。コーヒーやケーキセットがあるそうだ。
テイクアウトもやっている。予約も可。
◇所在地:妙高市白山町3-1-10
◇営業時間:11時~21時
◇定休日:日、月曜
◇電話:090-2335-4989
今日の
最低気温25.7度、最高気温31.9度。曇り。ウォーキング3km。

○……ワタミの株主優待品、「農園工房」のアイスクリームとフローズンヨーグルトのセット(3000円分)が届いた。ワタミは今年3月、陸前高田市に農業テーマパークをオープンさせた。これが吉と出るか凶と出るか。どちらにしろ、来年3月期の決算はコロナの影響でかなり厳しくなる。まだ高いうちに売っちゃったけど。
最近は上越市の「お好み焼き本舗」が閉店し、その前にはパティオの「お好み焼きもんじゃ」もやめちゃったし、最近はお好み焼きが食べられる店が少なくなった。
「華」は、大阪出身のおばちゃん(岩澤さん)が、自宅敷地内で1人でやっている小さな店で、鉄板の席が2つしかない。10人も入ればいっぱいになる。
お好み焼きは大阪風(500円)と広島風(600円)の両方をやっていて、もんじゃ焼き(600円)もある。ほかに、焼きそば(500円)や、たこ焼き(300円)、餃子(300円)など。お好み焼きなどはセルフではなく、ちゃんと焼いてくれる。

↓お好み焼きの焼き上がり

↓手作り餃子

大阪風と餃子にビールを注文。餃子をつまみに飲んでいるうちに、お好み焼きができた。分厚くボリューム感抜群。1枚食べたら満腹になりそう。
ふわっと焼き上がっていて、キャベツのシャキシャキ感も残っている。おばちゃんいわく、山芋を入れすぎるとふわっと焼けないという。確かにそのとおり。味変用にからしマヨネーズも出てきた。これもうまい。
昼間は喫茶として営業中。コーヒーやケーキセットがあるそうだ。
テイクアウトもやっている。予約も可。
◇所在地:妙高市白山町3-1-10
◇営業時間:11時~21時
◇定休日:日、月曜
◇電話:090-2335-4989
今日の足跡
最低気温25.7度、最高気温31.9度。曇り。ウォーキング3km。

○……ワタミの株主優待品、「農園工房」のアイスクリームとフローズンヨーグルトのセット(3000円分)が届いた。ワタミは今年3月、陸前高田市に農業テーマパークをオープンさせた。これが吉と出るか凶と出るか。どちらにしろ、来年3月期の決算はコロナの影響でかなり厳しくなる。まだ高いうちに売っちゃったけど。
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