19日23時17分=2016年=
動き、風が吹き、フラッシュする4DX! 映画「オデッセイ」で初体験
【評】★5つが最高
★★★★☆
県内で最初に4DXの上映を始めた新潟市のユナイテッド・シネマ新潟で、映画のシーンに合わせて「椅子が動き」「水が降り」「風が吹き付け」「フラッシュする」という映画を初体験してきた。


昨年12月4日から上映が始まった4DXデジタルシアター。簡単に言うと、体感型の映画館だ。まずは、シートが映画のシーンに合わせ、前後、左右、上下に動く。マッサージ椅子のような細かい振動もある。嵐のシーンでは水が吹き出し、風が吹き付ける。雷が鳴ると劇場全体がフラッシュする。
新潟市まで高速を飛ばして行くわけだから「満席で見られなかった」というわけにはいかない。そこで、ネット予約をした。1週間前から受け付けでき、座る席まで自分で決められるので安心だ。もちろん、どまんなかの席を確保した。カード引き落としで決済するので、キャンセルはできない。
さて、映画館に到着。4DXを上映するのは3番スクリーン。荷物は足元に置けないので、ロッカーに入れないとだめ。館内で買った蓋付きのドリンクやフードは持ち込める。中に入ると、黒と赤色のかっこいいシートが4つ1組で並んでいる。足元は十分すぎるほど広く、ホールの広さの割にシートの数は少ない。シートはゆったりしていて、ドリンクホルダーが付いている。
映画が始まる前に4DXのプロモーション映像が始まって、これがグラグラ動きまくり、水しぶきがドバっと出て度肝を抜かれた。劇場内から「キャー」の声が出るほどで、まるでアトラクションだ。
さて、いよいよ本編の上映開始。「ゼロ・グラビティ」「インターステラー」と、このところリアルな宇宙を疑似体験できる映画が続いている。「オデッセイ」+4DXなら、どんな疑似体験ができるか楽しみだ。

映画は、火星での有人探査の最中、ワトニー(マット・デイモン)が嵐に巻き込まれてしまうところから始まる。仲間たちは緊急事態を脱するため、死亡したとみられるワトニーを置いて探査船を発進させ、火星を去ってしまうのだ。ところがワトニーは、アンテナが宇宙服を貫通し、腹部に達していたにもかかわらず、奇跡的に死を免れていた。だが、酸素は残り少なく、水も通信手段もなく、食料は31日分という絶望的環境だということを悟る。
嵐の場面、探査船が飛び立つ場面などは4DXの効果で、なんだか嵐のまっただ中にいる気分だった。しかし、その後は動きが少なく、その分だけドラマに集中できた。火星にひとり取り残されたワトニーは、植物学者であり、極限状態にあっても1日でも長く生き延びようと、万策を尽くす。次の探査船が火星にやってのは4年後だ。食料を補おうと火星の土でジャガイモを栽培するため、化学反応で水まで生成してしまうのだ。もちろん、肥料は宇宙飛行士のウン○。4DXはにおいも出る仕掛けだが、この異臭は出なかった(残念)。
これ以上書くとネタバレになるが、過酷な火星でのサバイバルを強いられながらも、超ポジティブ思考で、ユーモアにあふれ、お喋りな宇宙飛行士ワトニーを巧みに演じるマット・デイモンが見事。火星で一人取り残される孤独な状況にもかかわらず、「ビデオ日記に記録する」という方法を採用して、おしゃべりなワトニーを演出したリドリー・スコット監督は見事。さすが「エイリアン」「ブレードランナー」などSF映画の傑作を残してきた巨匠だけのことはある。火星の苛酷さや救助の困難さをきっちりと描きながらも、明るさやユーモアを忘れない演出もアメリカ的でいい。
人間はどんな極限状態に置かれても人間性を失わず、生きるためにあらゆる可能性を考え、実行していく大切さを実感した。普通の人間だったら、食料を運ぶロケットやジャガイモ畑が爆発したら絶望で気がおかしくなっちゃうよ。
最初にも書いたが、基本的に静かな映画なので、4DX効果は少なめ。だが、その分メリハリがあったし、4DXをあまり意識しないで良かったので、映画に没頭できた。激しい動きだけでなく、マッサージチェアのように振動したり、背中をドンって押されたりする細かい効果が面白かった。特に上空から俯瞰するとき、ゆらゆら動く感じが、鳥になったようで感動した。宇宙船の中を遊泳する気分も味わえた。水の噴出がいやな人は、手元にOFFボタンが付いている。エアの噴出口は耳元にあり、ビュッって吹きかけてくるのが分かった。
もう一つ。古い洋楽ヒット曲が効果的に使われていた。女船長がパソコンに残した曲は、古いディスコミュージックばかり。一人ぽっちの火星で、こんな音楽ばかりを聞いて滅入ってしまうワトニー。その中でも「まし」な曲で孤独をまぎらわせる。ドナ・サマーの「Hot Stuff」や、エンドロール1曲目の「Love Train」。なんといい曲なんだろう。宇宙映画に1990年代の名曲をうまくマッチングさせたのは、リドリー・スコット監督のマジックだろうね。
ところで、4DXのネックは鑑賞料金の高さ。通常鑑賞料金にプラス1000円、3D作品はプラス1300円である。つまり、この作品の一般料金は3100円ということになる。年配の人はシニア割引、夫婦50割引を使うと2300円なるのでいいけれど、お金があまりない若い人は、何回も劇場に足を運べないだろうな。
最低気温-1.4度、最高気温13.5度。曇りときどき晴れ。

高田公園の極楽橋の看板。「一休さん」にこんな話があったね。「このはしを渡るべからず」の看板があるが、一休さんはトンチをきかせ橋の真ん中を渡るという話。こういう駄洒落、好きだね。一休さん、最高。

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★★★★☆
県内で最初に4DXの上映を始めた新潟市のユナイテッド・シネマ新潟で、映画のシーンに合わせて「椅子が動き」「水が降り」「風が吹き付け」「フラッシュする」という映画を初体験してきた。


昨年12月4日から上映が始まった4DXデジタルシアター。簡単に言うと、体感型の映画館だ。まずは、シートが映画のシーンに合わせ、前後、左右、上下に動く。マッサージ椅子のような細かい振動もある。嵐のシーンでは水が吹き出し、風が吹き付ける。雷が鳴ると劇場全体がフラッシュする。
新潟市まで高速を飛ばして行くわけだから「満席で見られなかった」というわけにはいかない。そこで、ネット予約をした。1週間前から受け付けでき、座る席まで自分で決められるので安心だ。もちろん、どまんなかの席を確保した。カード引き落としで決済するので、キャンセルはできない。
さて、映画館に到着。4DXを上映するのは3番スクリーン。荷物は足元に置けないので、ロッカーに入れないとだめ。館内で買った蓋付きのドリンクやフードは持ち込める。中に入ると、黒と赤色のかっこいいシートが4つ1組で並んでいる。足元は十分すぎるほど広く、ホールの広さの割にシートの数は少ない。シートはゆったりしていて、ドリンクホルダーが付いている。
映画が始まる前に4DXのプロモーション映像が始まって、これがグラグラ動きまくり、水しぶきがドバっと出て度肝を抜かれた。劇場内から「キャー」の声が出るほどで、まるでアトラクションだ。
さて、いよいよ本編の上映開始。「ゼロ・グラビティ」「インターステラー」と、このところリアルな宇宙を疑似体験できる映画が続いている。「オデッセイ」+4DXなら、どんな疑似体験ができるか楽しみだ。

映画は、火星での有人探査の最中、ワトニー(マット・デイモン)が嵐に巻き込まれてしまうところから始まる。仲間たちは緊急事態を脱するため、死亡したとみられるワトニーを置いて探査船を発進させ、火星を去ってしまうのだ。ところがワトニーは、アンテナが宇宙服を貫通し、腹部に達していたにもかかわらず、奇跡的に死を免れていた。だが、酸素は残り少なく、水も通信手段もなく、食料は31日分という絶望的環境だということを悟る。
嵐の場面、探査船が飛び立つ場面などは4DXの効果で、なんだか嵐のまっただ中にいる気分だった。しかし、その後は動きが少なく、その分だけドラマに集中できた。火星にひとり取り残されたワトニーは、植物学者であり、極限状態にあっても1日でも長く生き延びようと、万策を尽くす。次の探査船が火星にやってのは4年後だ。食料を補おうと火星の土でジャガイモを栽培するため、化学反応で水まで生成してしまうのだ。もちろん、肥料は宇宙飛行士のウン○。4DXはにおいも出る仕掛けだが、この異臭は出なかった(残念)。
これ以上書くとネタバレになるが、過酷な火星でのサバイバルを強いられながらも、超ポジティブ思考で、ユーモアにあふれ、お喋りな宇宙飛行士ワトニーを巧みに演じるマット・デイモンが見事。火星で一人取り残される孤独な状況にもかかわらず、「ビデオ日記に記録する」という方法を採用して、おしゃべりなワトニーを演出したリドリー・スコット監督は見事。さすが「エイリアン」「ブレードランナー」などSF映画の傑作を残してきた巨匠だけのことはある。火星の苛酷さや救助の困難さをきっちりと描きながらも、明るさやユーモアを忘れない演出もアメリカ的でいい。
人間はどんな極限状態に置かれても人間性を失わず、生きるためにあらゆる可能性を考え、実行していく大切さを実感した。普通の人間だったら、食料を運ぶロケットやジャガイモ畑が爆発したら絶望で気がおかしくなっちゃうよ。
最初にも書いたが、基本的に静かな映画なので、4DX効果は少なめ。だが、その分メリハリがあったし、4DXをあまり意識しないで良かったので、映画に没頭できた。激しい動きだけでなく、マッサージチェアのように振動したり、背中をドンって押されたりする細かい効果が面白かった。特に上空から俯瞰するとき、ゆらゆら動く感じが、鳥になったようで感動した。宇宙船の中を遊泳する気分も味わえた。水の噴出がいやな人は、手元にOFFボタンが付いている。エアの噴出口は耳元にあり、ビュッって吹きかけてくるのが分かった。
もう一つ。古い洋楽ヒット曲が効果的に使われていた。女船長がパソコンに残した曲は、古いディスコミュージックばかり。一人ぽっちの火星で、こんな音楽ばかりを聞いて滅入ってしまうワトニー。その中でも「まし」な曲で孤独をまぎらわせる。ドナ・サマーの「Hot Stuff」や、エンドロール1曲目の「Love Train」。なんといい曲なんだろう。宇宙映画に1990年代の名曲をうまくマッチングさせたのは、リドリー・スコット監督のマジックだろうね。
ところで、4DXのネックは鑑賞料金の高さ。通常鑑賞料金にプラス1000円、3D作品はプラス1300円である。つまり、この作品の一般料金は3100円ということになる。年配の人はシニア割引、夫婦50割引を使うと2300円なるのでいいけれど、お金があまりない若い人は、何回も劇場に足を運べないだろうな。
最低気温-1.4度、最高気温13.5度。曇りときどき晴れ。

高田公園の極楽橋の看板。「一休さん」にこんな話があったね。「このはしを渡るべからず」の看板があるが、一休さんはトンチをきかせ橋の真ん中を渡るという話。こういう駄洒落、好きだね。一休さん、最高。

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