09日23時38分=2017年=
ロマンポルノの名作「悶絶!!どんでん返し」
11日からロマンポルノの新作上映
上越市本町6の高田世界館で、明後日11日から1週間にわたり、話題の「ロマンポルノ・リブート」作品を上映する。なにしろ、「ヒミズ」の園子温監督や、「リング」の中田秀夫監督、「北の零年」の行定勲監督ら、現代日本の第一線の監督が、初めてロマンポルノを撮り下ろすのだ。少なくとも、この3監督の作品は全部見たいと計画している。
そして、今回は旧作の「悶絶!! どんでん返し」(1977年)と「妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…」(1980年)、「狂った果実」(1981年)も上映するという。
神代辰巳監督の「悶絶!!どんでん返し」
↓悶絶!!どんでん返し

当時の映画ノートを見ると、「悶絶!! どんでん返し」のことが記されている。監督は「一条さゆり・濡れた欲情」「ひらけ!チューリップ」の神代辰巳である。あらすじは忘れてしまったが、ロマンポルノというよりは、やくざ(チンピラ)の映画、オカマの映画という印象が強い。断片的な記憶を、ネットの映画情報で補足して紹介してみる。
↓問題のオカマ場面

主演は谷ナオミとクレジットに出る。谷ナオミは団鬼六原作の「花と蛇」を始め、団鬼六のSM映画に多数出演し、SMの女王として日活ロマンポルノを代表する女優になった人だ。
しかし、本当の主演女優は、鶴岡修。つまりオカマの男である。この男が、色白ぽっちゃりで、女装をするとお色気たっぷり。なかなかの名演だった。
男同士の濡れ場
その主人公は大会社の常務の息子で東大卒のぼんぼん。ある日上司に連れられて入ったノーパンキャバクラで、あけみ嬢(谷ナオミ)を気に入り、彼女のアパートに入り込む。ところが彼女にはチンピラの男(遠藤征慈)がいて、イカサマのサイコロゲームで負け、罰として犯されてしまう。
ロマンポルノなのに、いきなり男同士の濡れ場という展開に唖然。
チンピラ男は、手下の女にセーラー服を着せて中年男を引っ掛け、一発やらせている現場に踏み込み、金を揺すって生活しているのだ。ある時、スケベ爺が引っかかって腹上死する展開もあり、どうなることやらと思っている間に、あの北山がまた引っかかってしまう。
再び犯される北山だが、今度は恍惚の表情だ。男の良さを知った北山は、オカマ街道まっしぐら。エリートの道を捨て、チンピラの愛人となり、化粧をしてオカマバーで働き人気を得る。そしてついにはチンピラと結婚式まで挙げてしまうというめちゃくちゃぶり。最後は豊胸手術で豊かになった胸を披露するも、チンピラに捨てられるという哀れな最後を迎える。
↓後半にはケーキ投げも

暴力シーンや、笑わせる場面が多く、とても興奮するような展開にならないのがご愛嬌。ロマンポルノの新しい境地であった。
なつかしの「花電車」
この中で、「花電車」の芸を仕込む場面がある。今の若い人なら、何をやっているのか分からないだろうな。花電車というのは、ストリップ劇場などで客に見せる女性器を使ったパフォーマンス。あそこを使って舞台の上で習字をしたり、バナナ切り、タバコ吸いなどをやってみせた。
↓吹き戻し

この映画の中でやったのは、女性器で「吹き戻し」を吹くという芸である。吹き戻しとは、縁日や駄菓子屋で売っていた笛のおもちゃで、口で息を吹き込むと、ピローッと音を出しながら伸びる笛である。映画では、音が出るように女をスパルタ調教する場面があった。
映画の最後の方に、チンピラが「ゴッドファーザーみたいになりたかったなあ」というせりふがある。「ゴッドファーザー」が5年前の1972年公開の作品。多少なりともゴッド・ファーザーを意識して作られたというのが面白い。
音楽もいい。矢野顕子の「あんたがたどこさ」、藤圭子の「女ですもの」、北原ミレイの「懺悔の値打ちもない」など、歌が効果的に使われていた。
それにしても、この時代ってバイタリティーがあるなぁ。
今日の足跡
最低気温0.2度、最高気温5.7度。曇り。
○……台湾の九份でロケをした映画「悲情城市」を見たいのだが、ネット動画にもないし、レンタルビデオ店にもなかった。DVDを買うと中古で3000円もしているので、二の足を踏んでいる。
○……今日2月9日は「肉の日」なので、昼にトンカツ定食を食べた。明日のブログで。

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