27日23時52分=2017年=
なぜ空からカエルが降ってきたのか 映画「マグノリア」

ポール・トーマス・アンダーソン監督による1999年の名作映画。3時間もの長い映画だが、退屈しない。ぜひ見たいと思っていた映画で、レンタル店を探していたらあった。
LA警察官、その警察官が恋した女性、クイズ番組の司会者、クイズ少年、元クイズ少年、死にかけた老人、若い妻、老人の息子……いろいろな人々がサンフランシスコの場所で起こす出来事を互いに結びつけながら、最後には一つの物語として完成するようになる作品。綿密に計算された脚本が素晴らしい。このような構成の映画を、「群像劇」と呼ぶそうだ。
若いころのトム・クルーズが出ていたのには驚いた。女をものにするセミナーの怪しげな主宰者である。巨大な邸宅に住む寝たきりの老人は番組制作会社のオーナーで、ガンに侵され余命いくばくもない。老人は、介護人に自分の息子、ジャックを探してくれるように頼むのだ。そのジャックがトム・クルーズなのだ。女をたぶらかすセミナーで生計を立てていて、過去を明かさない。一方で、老人の妻は薬局で、薬をたくさん出すように頼んだり、遺書を書き換えるように弁護士に頼むが、思うようにいかない。
次はクイズ番組の司会者。ガンを宣告され、家を出て行った娘に会おうとアパートを訪ねるが、彼女は怒って父親を追い出す。ロサンゼルス市警に勤務するジムは勤務中に無線を拾い、司会者の娘のアパートへ向かう。アパートに行くと、彼女がコカインを吸っていた。彼女に一目ぼれするが、銃をなくしてしまう大失態を犯す。
番組司会者の方は番組内で倒れてしまうが、司会を強行する。老人の妻は罪悪感にさいなまれ、服毒自殺を図る。しかし、少年が通りかかり、妻は病院へ運ばれていく。そのとき、空から大量のカエルが降ってきた。
彼らはそれぞれ、偶然の巡りあわせによって互いの人生に絡みながら、やがて思いがけない一日の終わりを迎えようとしている。
映画の冒頭、3つの「偶然」のストーリーが面白く、最初からぐいぐい引き込まれた。
①3人の強盗殺人犯の名字、Green、Berry、Hill をつなげると被害者の住んでいた地名 "Greenberry Hill" になるという偶然。
②消防士が湖から消火用の水と共に引き上げてしまったダイバーは、その2日前に、消防士がカジノで喧嘩をしたディーラーだったというエピソード。
③飛び降り自殺を図った息子が建物から落ちていく途中で、夫婦喧嘩をしていた母親が偶然、窓から息子を射殺してしまったという信じられないような話。現実には驚くような偶然があるということなんだな。

さて、問題のラストシーン。なんでカエルが空から降ってきたのか。
旧約聖書の「出エジプト記」8章2節のモーゼの十災なんだとか。ユダヤ人を奴隷として迫害していたエジプト王に神が天から蛙を含めた十の災難を天罰として降らしたというエピソード。つまり、カエルは罪と贖いの象徴だった。
最悪の人生の中の、最後の戒めを示しているわけだ。キリスト教徒なら、ピンとくるのだろうか。
↓カエルが降ってくるラストシーン
今日の足跡
最低気温14.4度、最高気温22.3度。曇り。ランニング6.9km。半袖だと少し肌寒い。

○……午後0時29分、2人目の孫が誕生。体重2600g。昼休みに顔を見に行った。しっかりした顔つきだった。名前が付くのはいつになるのだろう。

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Comment
あら、可愛い!
また鼻の下が伸びますね。
また鼻の下が伸びますね。
お久しぶりです。
今日は休みだったので、孫の顔を見てきました。
生まれたばかりの赤ちゃんって、すごく小さくて、こわれもののようです。
まだ入院中なので抱くことはできませんが、そのうちにできるでしょう。
孫というのは、わが子と違ったかわいらしさがありますね。
今日は休みだったので、孫の顔を見てきました。
生まれたばかりの赤ちゃんって、すごく小さくて、こわれもののようです。
まだ入院中なので抱くことはできませんが、そのうちにできるでしょう。
孫というのは、わが子と違ったかわいらしさがありますね。