26日20時48分=2017年=
映画の音声ガイド製作に「光」与える映画
【評】★5つが最高
★★★★

この映画の核心はもっと違うところにあるかと思うが、映画の音声ガイド製作という地味な仕事に「光」を与えた。
視覚障碍者はどのようにして「映画」を捉えるか、つまりどのように映画を認識するか、ということが分からないと、音声ガイドの製作はできない。この映画では、視覚障碍者が映画の中に入り込めるかどうかが肝要だと言っている。「見る」ということはどういうことなのかを改めて認識した。
音声ガイドは画面の描写を説明しているので、例えばミステリーの場合は、説明してはからくりがばれてしまう。見えていても見逃すことを狙っている映画は、音声ガイドには適さないのかもしれない。
この映画にも描かれているが、視覚障碍者はパソコンやスマホを駆使している人が多い。Siriのような音声アシスタントがあれば、かなりのことができる。今は点字が読めない人も多いそうだ。これからAIが発達すれば、自動車の自動運転、目の代わりになる道案内などもできるようになるだろう。


さて、この映画だが、ヒロインの美佐子(水崎綾女)が、音声ガイドの仕事で、弱視のカメラマン雅哉(永瀬正敏)と出会い、彼が撮影した夕日の写真に衝撃を受ける。そして、視力を失いつつある雅哉に次第にひかれていく。そして、夕日を見ながら、むさぼるようなキスシーンに収れんされていく。
見ているときは違和感があった。どうしてあんなにむさぼるようなキスをする心の動きがあったのだろうか。いろいろ考えてみた。
性愛ではなく、究極の愛おしさである。2人の関係は、異常ともいえるアップの多用で、表情を読み取らせる。その試みは成功していると思う。
河瀬監督の前作「あん」(2015)は、ハンセン病差別がテーマだったが、内容は深かった。今回も社会的弱者をテーマにしているが、簡単に理解できるような映画ではない。
雅哉が使っているカメラは二眼レフのローライフレックス。一眼レフが出る前のクラシックタイプ。上からのぞいて撮影するのが、ちょっとかっこいい。その最高峰であるローライは、いまでも人気があるらしい。
↓公式サイト
http://hikari-movie.com/info/
↓予告編
今日の足跡
最低気温22.8度、最高気温30.1度。晴れ。ランニング8.3km。朝のうちは涼しく走れた。


○……2013年の「クリスマスの約束」に吉田拓郎がゲストに出た。DVDで見たけれど、小田和正と吉田拓郎が二人で歌うとは信じられない。貴重なものを見た。40年ぶりというか、初めてのステージだ。
MCでも言っていたけれど、若いころはステージどころか、ほとんど話したこともなかったようだ。
「落陽」「リンゴ」「今日までそして明日から」「人生を語らず」の4曲を歌った。小田和正がハーモニーを付けていたが、やっぱり吉田拓郎の世界になってしまう。
小田和正が「フィクション」なら、吉田拓郎は「ノンフィクション」なのかもしれない。吉田拓郎の歌は、拓郎の経験や人生そのものを歌っている。"私小説"といってもいい。だから、吉田拓郎の歌は誰が歌っても、吉田拓郎の呪縛から逃れることはできないのだ。
小田和正の曲に吉田拓郎がハーモニーを付けることはあり得ない。そんなことを思いながら、見た。
2人のギターも注目。小田さんはマーチンのD-28、それとギブソンのJ-45。
吉田拓郎は黒いギブソンのJ-45と、YAMAHAのThe FG sunsetを使っていた。いい音、出してたな。
○……「24時間テレビ」のチャリティーマラソンランナーは、ブルゾンちえみだとな。驚いた。

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