26日23時10分=2017年=
なぜか葛飾北斎の娘、応為(お栄)が注目


NHKで9月18日に「眩(くらら)〜北斎の娘〜」が放送され、12月9日にはBS11で「北斎ミステリー~幕末美術秘話 もう一人の北斎を追え!」が放送された。いずれも葛飾北斎と、北斎の娘を追ったものだ。
葛飾北斎は、ライフ誌の特集で「この1000年の重要人物」に選ばれた唯一の日本人だ。なんと3万点以上を書き上げた。だが「もう一人の北斎」と言われる謎の女絵師がいた。北斎の娘である。
○……「眩(くらら)〜北斎の娘〜」は、お栄(葛飾応為)を宮崎あおいが好演。恋人?の池田善次郎をやった松田龍平も良かった。
葛飾北斎の壮絶なほどの最後。なんと90歳まで絵筆を握った。絶筆の「富士越之龍図」を全身全霊で書き上げる。娘のお栄はあまりの見事さに溜息をつく。素晴らしい場面だった。お栄の絵は、今年訪ねた小布施の北斎館で見たことがある。
出戻った応為は、晩年の北斎と起居を共にし、作画を続け、北斎の制作助手も務めたとされている。タバコと酒が好きだったらしい。応為は不美人だとされるので、宮崎あおいはいい女すぎるかも。
↓「吉原格子先之図」。光と影を描いた傑作

葛飾応為の代表作「吉原格子先之図」は、光と影の美しさが素晴らしい。日本にもこのような幻想的な絵があったのだ。この絵の本物を見てみたい。いま、どこの美術館にあるんだろう。

↓小布施も取材

○……12月9日に放送された「北斎ミステリー~幕末美術秘話 もう一人の北斎を追え!」も素晴らしかった。クロード・モネをはじめとするヨーロッパの画家が北斎の影響を受けたことは良く知られている。モネは浮世絵の色彩にひかれた。絵の構図も影響されている。富嶽三十六景が西洋に与えた影響は計り知れない。
前半では北斎のすごさを紹介した。着物の柄のデザインまでしていたとは驚いた。まるで服飾デザイナー、イラストレーターである。
北斎の絵はシーボルトを通じて、出島からオランダに流出した。そして、シーボルトが北斎に依頼して書いた西洋の水彩画風の5枚の絵が昨年オランダで発見されたのだ。北斎は当時、西洋の技法を身に付けていたというのが信じられぬ。
後半では娘のお栄(葛飾応為)を追う。江戸末期に描かれた葛飾応為の代表作「吉原格子先之図」から謎を追う。浮世絵とは全く違う幻想的な絵である。
オランダ・ライデン国立民族学博物館、フランス・ジヴェルニ-のモネの邸宅、あべのハルカス、小布施北斎館、国立西洋美術館、太田記念美術館、長崎歴史文化博物館ほかを徹底取材した。
現在、北斎作とされる作品の中に、応為作のものも多く混じっているのではないか。北斎作とした方が、高く売れるからだ。それと応為は女性を描くのが上手だったので、春画も描いたのではないかという。むろん、落款はない。「名前のない女……」か。
信州小布施北斎館の安村館長、そして小説「北斎と応為」の著者であるキャサリン・ゴヴィエ氏と共に北斎作品と知られる「吉原格子先之図」の新解釈を披露。そこから見えてくる「父と娘の絆」にも迫った。北斎の最後の作品と言われる「富士越龍図」も、応為の手が加わったとみる。
この番組は来年1月3日午後9時から再放送されるそうだ。BS11の開局10周年で作った特別番組だけあって力作だ。DVDでも発売されるという。
今日の足跡
最低気温0.6度、最高気温5.9度。小雨のち雪。荒天。
○……毎朝食べているヨーグルトに、いつもは酵素シロップをかけているが、なくなってしまった。冬の間は室温が低いのでうまく発酵しない。それで、冬の間は、以前土産にいただいた黒糖を使うことにした。宮古島産の本物の黒糖である。くせはあるが、素晴らしい香りである。黒糖は体を温める効果がある。そのまま食べると、ずいぶんガツンとくる味だ。

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