04日22時04分=2018年=
最果タヒの詩集を映画化した傑作「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
【評】★5つが最高、☆は半分
★★★★☆

昨年5月公開の映画だが、

最果タヒという詩人は知っていたが、本を読んだことはない。その詩人の最新詩集を映像化したのだ。今は漫画を実写映画化するのがはやっているが、詩集を実写映画化したのは聞いたことがない。それがこの映画の一番の素晴らしさである。詩は本で活字として読むものではなく、人によって語られることに意味のあることだということが実感できた。石井裕也監督、渾身の名作となった。
ヒロイン・美香をやった新人の石橋静河が素晴らしい。石橋凌と原田美枝子の次女だという。涼し気な目元、色っぽい唇が魅力的だ。2017年の新人賞はもう決まりかな。

ストーリーはこんな感じ。……看護師をしながら夜はガールズバーで働く美香は、言葉にできない不安や孤独を抱えつつ毎日をやり過ごしている。一方、工事現場で日雇いの仕事をしている慎二は、常に死の気配を感じながらも希望を求めてひたむきに生きていた。排他的な東京での生活にそれぞれ居心地の悪さを感じていた2人は、ある日偶然出会い、心を通わせていくが、がつがつしていない2人の距離感が面白い。
詩は映像の中で人がしゃべるとかっこいい
◇「誰も本当のことを教えてくれない」
◇「スマホで全部調べられる時代に、知らないことがあったら怖いじゃん。だからみんなおびえているんだ」
◇「月ってあんなに青かったっけ。それより、誰も気にしていないみたいだ」
◇「君がどこかにいる。心臓を鳴らしてる」
◇「恋愛しないと狂っちゃう。動物がおりの中をぐるぐる回っているのは、気が狂いそうになるから」
◇「愛は今までたくさん人を殺してきたから、血の匂いがする」
◇「ほんとに幸せにになれんのかな。幸せの意味も分かってないのに」(池松が美香にプロポーズ後)
◇「ありがとう、ありがとう」「そんなに何回も言わなくていい。1200円なんだから」(髪飾りのプレゼントに対し)
◇「朝までにまたニュース速報が入ると思うの。地震とか爆発でまた誰かが死ぬ。そうなったらどうする?」「募金する」「そうだね。募金しよう。朝起きたらおはようって言おう。ごはん食べる前にいただきますって言おう。そういうことだね」(ラストシーン)
ところで、「がんばれぇ~えっ」って路上ライブをしていた下手な歌手が最後に「Tokyo Sky」という曲でデビューする。Ryokoという名前がようやくわかったが、いったいあの女性は誰?
隣室の孤独死した老人。池松が本を借りていて、ゴミ出しを手伝ってあげた。お礼に「元祖浪花屋の柿の種」をいつももらっていた。新潟県の代表的なお菓子が出てきてうれしい。
飛行船が空を飛んでいた。大瀧詠一みたいだが、いったいあれは何だろう。東京では当たり前なのだろうか。
↓予告編
今日の足跡
最低気温0.4度、最高気温4.1度。曇り一時雨。

○……若い頃、音楽活動を一緒にやっていた友達が亡くなった。まだ57歳。大腸がんで入院していたらしい。自分より若い友達が亡くなるのはすごくショックだ。
○……先日、「そばかつ」に行ったら、手打ちそばコーナーに色紙が何枚か飾ってあった。千昌夫のほか、コワモテの竹内力、ボクサーの亀田興毅などの色紙が飾ってあった。パチンコ店のイベントで来たのだろうか。
↓そばかつセット。量が多すぎてやっと食べた


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