03日23時15分=2018年=
ジャンゴのジャズライブ&映画「永遠のジャンゴ」

【評】★5つが最高
★★★★

まるで伝説のジャズ・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトがよみがえったような演奏に感激した。ジャンゴ・ラインハルト役のレダ・カティブの演奏のことだ。映像と指使いが合っていたし、何よりもジャンゴが若いころに火傷して左の薬指と小指がほとんど使えなくなり、2本だけの独特の指運びで知られるが、それをほぼ完ぺきに再現していだ。2本指でのコードトレモロまできちんと再現されていたのには驚いた。
ところがどっこい、レダ・カティブはギター未体験で特訓したとか。演奏シーンでは左手や右手がアップになる場面も多く、実際に弾いているいるのは間違いない。動画処理もしているのだろうが、音の切れが良く、まるで弾いているようにしか見えないのは見事。
実際のジャンゴの曲を演奏しているのは、25年以上のキャリアを持つ第一人者ローゼンバーグ・トリオだという。哀愁、力強さを感じる完璧なジプシー・スイングの演奏である。
でもカイゼル髭のレダ・カティブが帽子(シルクハット?)をかぶると、どうみても谷村新司にしか見えなくなっちゃって、困った。
ストーリーの紹介は省略するけれど、映画のラストで、ジャンゴが作曲して一度だけ演奏され、楽譜が一部しか残っていないという「レクイエム」をジャンゴ指揮する。厳かなミサ曲だ。ギターだけじゃなくて、鍵盤楽器(パイプオルガン)も弾けたのには驚き。
もう一つ、面白かったのが、ナチス官僚が集う晩餐会での演奏を頼まれたとき、「ブルースはダメ」「ベースは弓で弾け」「シンコペーションは5%まで」などと細かな条件をつけられたこと。でも、実際に演奏が始まったらおとなしかったのは最初だけ。最高にノリノリの演奏で、みんな盛り上がって踊り出したのには笑えた。いやー、音楽の力だなあ。
この時代はPAどころか、高感度マイク、アンプもなかったようだ。音量不足を補うためにギターを3本使ったりしたのではないか。ジャンゴのレコードを聴くと、ずいぶん強く弦を弾いている。ギターマイクがない時代なので、ライブでは音量がとても大事な時代だったと思う。
使用しているギターはOホールやDホールだったので、セルマー社なのだろうか。
ジャンゴ・ラインハルトの映画と言えば、古くは「ルシアンの青春」(1975年)のテーマ(「マイナー・スイング」)、ウディ・アレン監督のジャンゴへのオマージュ「ギター弾きの恋」(1999年)だろうか。
ジャンゴのライブ付き

さて、この映画の上映前に、新潟市を中心に活躍するトリビュートバンド ”じゃんごっこ”の4人。きちんとジャンゴの独特のギターフレーズをコピーしていて楽しませてもらった。
1曲目はジャンゴロジーのアルバム曲のような気がするが、確認できなかった。ラ・マルセイエーズの変奏曲「エコー・オブ・フランス」や、ウッディアレン監督の映画中の曲、そして代表作「マイナー・スイング」を演奏した。映画を見ていて気付いたのだけれど、この曲ってAm Dm E7の3コードだけで演奏しているのだった。
ナチスドイツがユダヤ人だけでなく、ロマ(ジプシー)にも迫害していたことなどについても書きたかったけれど、ブログを書く時間は30分と決めているので、ここまで。
最後にジャンゴの「俺は音楽を知らないが、音楽は俺を知っている」。このせりふがいいね。
↓「永遠のジャンゴ」予告編
↓本物のジャンゴ
↓もう一本おまけ
今日の足跡
最低気温-2.4度、最高気温12.2度。晴れ。ランニング5.1km。
○……ランニングコースの雪が解けていないので、妙高市文化ホールの周囲をランニング。1周が850mなので、6周すると約5kmになる。まだキロ当たり7分半のペース以上に上がらない。冬の間、走らなかったので、足の筋肉が落ちているのだろう。太陽光を体いっぱいに浴びたのですごく元気が出た。

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