16日21時45分=2018年=
ジャズの魅力にあふれた青春映画「坂道のアポロン」
【評】★5つが最高
★★★★

J-MAXシアターで上映中の「坂道のアポロン」を見てきた。
最近は漫画が原作の実写映画が多く、現実離れしているというか、オーバーアクションというか、独特のバカさ加減を感じて、引いてしまうことが多い。

だが本作は、ストーリーが素直だし、韓国映画のような交通事故の場面を除いてシナリオもいい。ジャズを軸に据え、素直で熱い青春映画が展開する。ハッピーエンドの映画は最近、あまり見ていなかったので、逆に新鮮だった。さすが、青春映画の名手、三木孝浩監督である。

この映画の中でジャズが演奏されるが、主演の薫(知念侑李)のピアノと千太郎(中川大志)のドラムスは見事としか言いようがない。2人は9か月の猛練習で習得したという。まったくの素人だったとは思えない。それも、演奏中にアイコンタクトを送りながら、ジャズの楽しさを感じさせてくれた。
先般見た「永遠のジャンゴ」でも、ジャンゴ・ラインハルト役のレダ・カティブが、音に合わせた演奏をしていたのに驚いた。プロの俳優というのはすごいものだ。

中心となる曲はフレーズが特徴的なアート・ブレイキーのアルバムで知られる「Moanin’(モーニン)」。それと、薫が律子への想いを込めて弾いていた「Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)」。ディズニー映画「白雪姫」のテーマ曲である。さらには、高校2年の文化祭で演奏した曲は、「My Favorite Things(マイ・フェイバリット・シングス)」だったな。
↓本物の演奏。アート・ブレイキー「Moanin’(モーニン)」
学園祭の停電でエレキギターが使えなくなる場面は、加山雄三の「エレキの若大将」のパクリ?
楽器店の地下室での4人での初セッション。良かったなぁ。ウッドベースは中村梅雀さん、トランペットはジェーン・フジオカさんである。そして、薫と淳一がセッションしたときの曲は、チェット・ベイカーの「But Not For Me」だった。まさにチェット・ベイカーのようにかっこよかった。
律子を演じた小松菜奈は、演技力はともかく、独特なオーラ、魅力にあふれている女優だと思う。
長大な原作を2時間に収めたのは監督の手腕か。エンドロールに流れる小田和正の曲もぴったり。それまでの感動的な場面を反芻して、涙があふれる。YouTubeで予告編を見直しただけで、また涙が出てきた。原作やアニメ版も見たくなった。
家族で見てもよし、カップルでも良し、女同士で見てもいいが、男同士はやめたほうがいい。

↓公式サイト
http://www.apollon-movie.com/
↓予告編
今日の足跡
最低気温2.8度、最高気温10.6度。雨。昨日より最高気温が10度も低く、とても寒く感じた。でも、花粉の飛散は少なく、楽だった。
○……「週刊文春」と「週刊新潮」を読んだ。2誌の論調はまったく逆に見えるが、両方とも真実なのかもしれない。
↓文春

↓新潮


↑ランキングに参加しています。クリックをお願いします
- 関連記事
-
- 転落していく男の末路は?スイス映画「まともな男」 (2018/03/21)
- 上越ロケの「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」 (2018/03/18)
- ジャズの魅力にあふれた青春映画「坂道のアポロン」 (2018/03/16)
- 背筋も凍る「シャイニング」見直す (2018/03/15)
- 宇宙人に覚醒した家族描く映画「美しい星」 残念ながら駄作 (2018/03/13)
スポンサーサイト