21日21時05分=2018年=
ウォーターゲート事件描く映画「ザ・シークレットマン」。ディープスロートとは何か?
【評】★5つが最高
★★★☆

「ウォーターゲート事件」を内部告発したFBI副長官マーク・フェルト(リーアム・ニーソン)の実話を映画化したサスペンスドラマ「ザ・シークレットマン」。高田世界館で上映中だ。
リーアム・ニーソンは「96時間」ですごいと思ったが、この映画の存在感が半端ない。苦み走ったキャラクターを感情を表に出さず、淡々と演じていて素晴らしかった。

ウォーターゲート事件は1972年6月17日にワシントンD.C.の民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まったアメリカの政治スキャンダル。1972年というと、私はまだ高校を卒業したばかり。政治にはまったく関心がなかった年齢だ。
この年は1月24日、グアム島で元日本陸軍兵士横井庄一発見。2月19日には連合赤軍によるあさま山荘事件。5月15日にはアメリカから日本へ沖縄返還といういろいろあった年。田中角栄が首相になり、「日本列島改造論」が発売される。歌では、よしだたくろうの「結婚しようよ」など、フォークソングがはやった。
このころ、反戦フォークソングに「栄ちゃんのバラード」というのがあった。「ニクソンの家に泥棒が入ったよ/だけど泥棒は 居直るだろう/お前もベトナムで 強盗をやっているぜ/お前と俺は同罪さ」という歌詞だった。
先日、「ペンダゴンペーパーズ/最高機密文書」を観ているので、ラストの意味は良く分かった。この映画を見る前に「大統領の陰謀」をもう一度、見ておくべきだった。1976年の映画だったので、もう内容は忘れていた。
「ウォーターゲート事件」でワシントン・ポストへ情報提供を行ったとされる人物「ディープ・スロート」をリーアム・ニーソンを演じるのだが、ディープ・スロートとは、この年(1972年)公開のアメリカのポルノ映画の題名。口を使って行う特殊な性行為を指す。リーアム・ニーソンが「ディープ・スロート」と言った時の異様な雰囲気は、ポルノ映画の題名だからだ。
この映画は社会人になってから見に行った。、いたるところにぼかしが入り、ズタズタにカットされていたが、大満足したような気がする。のちにノーカット無修正版を見たが、気持ち悪さだけが残った。ぼかしが入っていた方が想像力を掻き立てるようだ。
ウォーターゲート事件は、1972年の大統領選挙戦のさなかに当時のニクソン共和党政権の野党だった民主党本部があるウォーターゲート・ビル(事件はビルの名称だった!)に、何者かが盗聴器を仕掛けようと侵入し警備員に発見されて警察に逮捕されたことから始まった。
ワシントンポストなどの報道で、犯人はニクソン大統領とホワイトハウスがかかわっていることが分かる。そして、妨害工作が行われ、世論が猛反発して、米国史上初めて、大統領が任期中に辞任に追い込まれたのだった。
「ペンダゴンペーパーズ」が新聞社側からの視点であったのに対し、この映画はFBI副長官マーク・フェルトの視点から国家権力に立ち向かう。それにしても、FBI副長官が政権と癒着せず、独立機関という立場を保ったのはアメリカならでは。FBI副長官がワシントンポスト社のバーンスタイン記者に情報をリークする場面は緊張した。副長官に上り詰めた男が内部情報をマスコミに漏らすとは。
↓予告編
今日の足跡
最低気温20.1度、最高気温27.4度。曇り。ランニング10㎞。
○……曇り空で朝方は涼しく、ランニングが気持ち良かった。梅雨時なので走れない日も多いが、涼しいのは助かる。コースの途中には梅雨時に咲く花、タチアオイがきれいだった。

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