10日20時48分=2018年=
読んでよかった!「知らなきゃよかった」

池上彰さんと佐藤優さんの対談本の最新作「知らなきゃよかった~予測不能時代の新・情報術」(文春新書)。この本の内容を知らなくても、日常生活にはなんの支障がない。だが、この本を読めば知ってしまうことになる。誰かに話したくなる裏事情が満載の本だ。対談になっているので、難しい内容がすっと入ってくる。
面白かった部分を何か所か抜き出してみた。面白いと思った人は、ぜひ読んでほしい。830円(税別)。
◇独裁者と民主主義では、独裁者が圧倒的に有利
6月の米朝首脳会談は「北朝鮮の大勝利」とする。「北朝鮮は『朝鮮半島の非核化』という何ら具体性のない約束だけで、体制の保証という一番重要なものを手に入れた」(佐藤)とする。
そして、北朝鮮側は当初から非核化は「段階的」とし、アメリカの出方を見ながらやると宣言している。そうすると「北朝鮮の方が圧倒的に有利なんです。民主主義の制度によってトップが選ばれている国と独裁者がいる国とが長期にわたって交渉すると、独裁者の方が圧倒的に有利なんです」(佐藤)という。つまり、引き延ばしをすれば、北朝鮮の勝ちということだ。
◇日本が核武装できない理由
池上さんは、核武装は現実的には無理だという。その理由は
①日本はウランをほぼ全量輸入に頼っているので、もし核兵器を作れば輸入は停止される
②日本では核の実験場を引き受ける地方自治体はない
③核兵器を地上に配備すれば有事の際に真っ先に攻撃される。配備できるのは原子力潜水艦しかない。しかも、最低でも3隻必要。
◇トランプに拉致問題を頼んだのは間違い
さらに「日本政府は明らかに大きな間違いをしました。それは、トランプ大統領に拉致問題を頼んだことです」(佐藤)。「その結果、今、日本政府がもっとも恐れているのが、トランプ経由で北朝鮮から拉致問題についての回答が来ることだという」。つまり、金正恩がトランプに「これを安倍晋三に渡してくれないか。これが真相だから」との回答を渡し、それをトランプが持ってきたら、受け入れないわけにはいきません、とする。これは厳しい分析だ。
◇カジノは賄賂を渡すのに便利
カジノ問題についても佐藤氏は「賄賂を渡すのにとても便利なんです」という。「マカオでも、中国の官僚たちへ賄賂を渡す手段としてカジノが利用されていたといわれていますね」(池上)と続けた。
◇北朝鮮を崩壊させる方法
佐藤さんは提言する。「北朝鮮も、今の方向だと、ソ連と同じことを繰り返すと思います。だから、われわれは北朝鮮を積極的にサポートすればいい。早く大量消費文明を入れてあげて、国民が自分の意志で働いて、自分の金で食えるようにしてあげる。家庭の幸せを物質的に実現できるようにしてあげれば、必ず内側から崩れます」。
◇米山知事スキャンダル
辞職した本県の米山知事スキャンダル。「もし、『週刊文春』が来たときに私がそばにいたら、『すぐにその女性にプロポーズしろ』とアドバイスしましたね。そして会見ではそのことを言う。『お恥ずかしい話ですが、じつは学生時代から女性と付き合ったことがありません。それで、この女性と出会い系で知り合ったことは間違いありませんが、愛してしまいました。そして彼女と家庭を持ちたいと思いました』と佐藤さん。
確かに、これで押し通したらどうなっていたか。
◇独裁者が求められる時代?
「先進技術によってあらゆるもののスピードが上がっているのに、政治はそれに追いつけていない。結局、それに追いつけるのは、すぐれたリーダー。英明な指導者だということになって、独裁者が求められる」(池上)。
今日の足跡
最低気温12.9度、最高気温18.6度。曇り。
○……義理の母が誤嚥性肺炎で死去。肺に食べ物が逆流し、容体が急変。昨夜からドタバタして、疲れた。これから通夜、葬儀と続く。自分の母の葬儀のときは、客観的に見られなかったが、今回は死去から医師の対応、葬儀店の対応など、一部始終を見たので、勉強になった。

○……日米野球、4番柳田が2試合連続ホームラン。日本打者のパワーを発揮。素晴らしい。

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