映画「宮本から君へ」 本当に池松壮亮の前歯3本がない!?

【評】★５つが最高、☆は半分
★★★☆



キネマ旬報ベストテン3位。そして、池松壮亮が主演男優賞を受賞した映画「宮本から君へ」（2019年）。レンタルで見た。愛する人のために“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む宮本の奮闘が描かれて、熱い映画だった。

飲み会でダウンし、いびきをかいて寝ている部屋で、愛する人がラグビー部の男に強姦される。体力でかなうはずもなく、仕返しに行って一発で前歯3本折られる。やみくもに突き進む熱血漢ぶりがすごいのだが、あまりにむちゃくちゃすぎて、アホらしくなるほど。

池松は当初自らの歯を抜くつもりだったが、原作者である新井氏の説得により思いとどまったという。撮影には特製のマウスピースをつけて撮影したようだ。

演技のために前歯を折った俳優として、木下恵介監督の「楢山節考」（1958年）でおりん役をやった田中絹代である。歯を折る場面のために自らの前歯を何本か抜いて演技した。まさに鬼気迫る演技であり、キネ旬の主演女優賞を得ている。ベストテンでは1位となった。俳優というのは、そのくらい役に入れ込むものらしい。

靖子役の蒼井優も素晴らしかった。そして、麻薬取締法違反の容疑で逮捕、起訴されたピエール瀧の演技もすごみがあった。

さて、男の意地をかけてのケンカの場面だが、結局股間蹴りだったのが残念。弱い者が勝つには「髪の毛引っ張り」と「股間蹴り」が２大戦法。映画の流れからして、仕方がないのはわかるけど、股間蹴りは男として一番卑怯な戦法だ。

↓予告編

今日の足跡（そくせき）

最低気温11.4度、最高気温17.5度。曇り一時晴れ。



○……スーパーに買い物に行くと、レトルト食品などに欠品が出ている。首都圏などの「巣ごもり需要」の増加で、生産が間に合わないらしい。先日は冷凍うどん、パスタソースがなかった。

野菜類も高い。キャベツが400円近くするし、白菜は4分の1で250円前後。大根やレタスも高い。