11日21時35分=2021年=
新しい才能発見! 映画「37セカンズ」
【評】★5つが最高
★★★★

映画というのは無限の可能性を秘めているものだと思った。あらゆる技法が試され、奇抜なアイデアが盛り込まれてきた映画という表現に、まだまだ余地があったのだ。映画「37セカンズ」は、ドラマとしても素晴らしく、女性監督のHIKARIさんの無限の才能を感じた。
映画「37セカンズ」は、主演が本当の障害者。主人公のユマと同じく出生時に呼吸が止まったことによる脳性麻痺を抱えながらも社会福祉士として活動していた佳山明(めい)が、オーディションで見い出されたという。
タイトルの「37セカンズ」は、主人公・貴田ユマは出生時たった37秒息をしていなかったことを指す。そのため、脳性麻痺を抱えることになった。
ユマは漫画の才能があるものの売れず、人気漫画家・SAYAKAのゴーストライターをしている。独り立ちしようと、アダルト漫画を描き始めるが、移動には車椅子が必要で、入浴など生活するには母親が必須のため、うっとうしい。漫画を編集者に持ち込むが、「性体験がないと良い漫画は描けない」と言われ、性体験をするために母に黙って夜の歌舞伎町に繰り出す。
家出により、母の呪縛から解き放たれ、ユマの始めての挑戦を支える人も現れて、お酒を飲んだり、かわいい服を着たり、化粧も経験する。そして、所在が分からない父や双子の姉を探す旅へ。ラストシーンも感動的だ。

本当の障害者だけに、母と二人で風呂に入るシーンなども、リアルで生々しい。主人公を俳優が演じたら、こうはいかなかっただろう。ドキュメンタリーとフィクションの中間のような映画である。
「障害者と性」については、テレビ番組で乙武洋匡さんが男性障害者の性を語って話題になったことがあるが、女性障害者の性についてはあまりない。その意味でも、画期的な映画である。
主人公のユマはセックスどころか、キスの経験もない。漫画にキスを描くため、自分の腕に唇を当て想像する場面がある。男性器を見たことがないので、大人のおもちゃを買うのだ。
キネマ旬報ベスト・テン第5位。ベルリン国際映画祭で2冠。主演の佳山明は、毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞受賞。風俗嬢を演じた渡辺真起子は日刊スポーツ映画大賞・助演女優賞受賞。
今日の
最低気温2.5度、最高気温8.5度。曇り。高田の積雪135cm。
○……東京オリ・パラ組織委員会の森会長が、女性蔑視発言の責任を取り、辞任するという。国際問題にまで発展しかねない状況なので、追い込まれたのだろう。だが、森会長が辞任して、それで終わりになるのだろうか。まずは、きちんと辞任会見し、本当の反省を表明しなければ意味がない。
それから、森会長を遺留してきた組織委員会も問題だろう。発言を容認したことになるのだ。
★★★★

映画というのは無限の可能性を秘めているものだと思った。あらゆる技法が試され、奇抜なアイデアが盛り込まれてきた映画という表現に、まだまだ余地があったのだ。映画「37セカンズ」は、ドラマとしても素晴らしく、女性監督のHIKARIさんの無限の才能を感じた。
映画「37セカンズ」は、主演が本当の障害者。主人公のユマと同じく出生時に呼吸が止まったことによる脳性麻痺を抱えながらも社会福祉士として活動していた佳山明(めい)が、オーディションで見い出されたという。
タイトルの「37セカンズ」は、主人公・貴田ユマは出生時たった37秒息をしていなかったことを指す。そのため、脳性麻痺を抱えることになった。
ユマは漫画の才能があるものの売れず、人気漫画家・SAYAKAのゴーストライターをしている。独り立ちしようと、アダルト漫画を描き始めるが、移動には車椅子が必要で、入浴など生活するには母親が必須のため、うっとうしい。漫画を編集者に持ち込むが、「性体験がないと良い漫画は描けない」と言われ、性体験をするために母に黙って夜の歌舞伎町に繰り出す。
家出により、母の呪縛から解き放たれ、ユマの始めての挑戦を支える人も現れて、お酒を飲んだり、かわいい服を着たり、化粧も経験する。そして、所在が分からない父や双子の姉を探す旅へ。ラストシーンも感動的だ。

本当の障害者だけに、母と二人で風呂に入るシーンなども、リアルで生々しい。主人公を俳優が演じたら、こうはいかなかっただろう。ドキュメンタリーとフィクションの中間のような映画である。
「障害者と性」については、テレビ番組で乙武洋匡さんが男性障害者の性を語って話題になったことがあるが、女性障害者の性についてはあまりない。その意味でも、画期的な映画である。
主人公のユマはセックスどころか、キスの経験もない。漫画にキスを描くため、自分の腕に唇を当て想像する場面がある。男性器を見たことがないので、大人のおもちゃを買うのだ。
キネマ旬報ベスト・テン第5位。ベルリン国際映画祭で2冠。主演の佳山明は、毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞受賞。風俗嬢を演じた渡辺真起子は日刊スポーツ映画大賞・助演女優賞受賞。
今日の足跡
最低気温2.5度、最高気温8.5度。曇り。高田の積雪135cm。
○……東京オリ・パラ組織委員会の森会長が、女性蔑視発言の責任を取り、辞任するという。国際問題にまで発展しかねない状況なので、追い込まれたのだろう。だが、森会長が辞任して、それで終わりになるのだろうか。まずは、きちんと辞任会見し、本当の反省を表明しなければ意味がない。
それから、森会長を遺留してきた組織委員会も問題だろう。発言を容認したことになるのだ。
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