15日21時00分=2021年=
「Fukushima 50」とは別の視点で描いた「太陽の蓋」
【評】★5つが最高。☆は半分
★★★☆

「Fukushima 50」をテレビで見た翌日に見た映画なので、両方が頭の中で入り混じってしまった。
「Fukushima 50」は最後まで現場にとどまり、奮闘し続けた50人を中心に描いていた。いわば“英雄譚”だ。「太陽の蓋」は、原発事故の真相を追う新聞記者を中心に、当時の政権や官邸内部、東京や福島で暮らす市井の人の姿を対比させて描いている。
数多くの報告書や資料を分析し、事故に対応した政治家や閣僚、被災地である福島での取材を行い、大事故をあぶり出す。震災当時の菅内閣の政治家を全て実名で登場させているが、企業やマスコミは匿名だ。これが限界なのか。
その菅直人首相は、「Fukushima 50」では震災直後で現場が混乱する中、視察を強行したため作業に支障が出たと描いていたが、「太陽の蓋」では、東京電力本社が官邸に情報を出さないため、現場に行くしかないという判断として描かれている。
2本の映画を見る限り、海水注入をやめさせようとしたのは、東京電力なのか、官邸側なのか分からない。どちらにしろ、両者の迷走ぶりは情けない。
両作品とも、商店街の横断幕「原子力、明るい未来のエネルギー」をラストにもってきているが、これまで津波のことを無視して原発を推進し、甘い汁を吸ってきた政治家や関連会社のことについては、何も触れていない。政府の危機管理の甘さを痛感した映画だった。
2016年公開の映画だが、震災から10年経ったのを機会に90分に再編集した新バージョンである。高田世界館で上映中。
↓つづきは
今日の
最低気温3.2度、最高気温13.9度。晴れ。高田の積雪36cm。新井の積雪63cm。

○……妙高市下町にある池田屋の銘菓「養老」。明治末期から受け継がれる製法で作られている。特に黄身餡がおいしい。
町内会の新年会がコロナ禍で中止になったため、大きな菓子箱が配られた。2人家族では食べ切れない。

○……きれいな三日月が出ていたのでiPhoneで撮影。カメラの性能がすごい。
★★★☆

「Fukushima 50」をテレビで見た翌日に見た映画なので、両方が頭の中で入り混じってしまった。
「Fukushima 50」は最後まで現場にとどまり、奮闘し続けた50人を中心に描いていた。いわば“英雄譚”だ。「太陽の蓋」は、原発事故の真相を追う新聞記者を中心に、当時の政権や官邸内部、東京や福島で暮らす市井の人の姿を対比させて描いている。
数多くの報告書や資料を分析し、事故に対応した政治家や閣僚、被災地である福島での取材を行い、大事故をあぶり出す。震災当時の菅内閣の政治家を全て実名で登場させているが、企業やマスコミは匿名だ。これが限界なのか。
その菅直人首相は、「Fukushima 50」では震災直後で現場が混乱する中、視察を強行したため作業に支障が出たと描いていたが、「太陽の蓋」では、東京電力本社が官邸に情報を出さないため、現場に行くしかないという判断として描かれている。
2本の映画を見る限り、海水注入をやめさせようとしたのは、東京電力なのか、官邸側なのか分からない。どちらにしろ、両者の迷走ぶりは情けない。
両作品とも、商店街の横断幕「原子力、明るい未来のエネルギー」をラストにもってきているが、これまで津波のことを無視して原発を推進し、甘い汁を吸ってきた政治家や関連会社のことについては、何も触れていない。政府の危機管理の甘さを痛感した映画だった。
2016年公開の映画だが、震災から10年経ったのを機会に90分に再編集した新バージョンである。高田世界館で上映中。
↓つづきは
今日の足跡
最低気温3.2度、最高気温13.9度。晴れ。高田の積雪36cm。新井の積雪63cm。

○……妙高市下町にある池田屋の銘菓「養老」。明治末期から受け継がれる製法で作られている。特に黄身餡がおいしい。
町内会の新年会がコロナ禍で中止になったため、大きな菓子箱が配られた。2人家族では食べ切れない。

○……きれいな三日月が出ていたのでiPhoneで撮影。カメラの性能がすごい。
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Comment
長州5に引っ掛けてFukushima 50?英雄譚なの。
ザ・ニュースペーパーのニセ小泉純一郎のコント
さようなら原発講演会「原発を東京湾に造らなかったのは万が一の事を考えて」を見ました。
昔、広瀬隆「東京湾に原発を」を読んでこの人のトンデモ本の全部は納得できなくても東京に
作れば?と言うところだけはそりゃそうだ!と思いました。
万が一を考えて東京に作らなかったのに万が一どころか福島で事故が起きたでしょ。
企業名も忖度せずに描ける映画は作れないのでしょうね。
ザ・ニュースペーパーのニセ小泉純一郎のコント
さようなら原発講演会「原発を東京湾に造らなかったのは万が一の事を考えて」を見ました。
昔、広瀬隆「東京湾に原発を」を読んでこの人のトンデモ本の全部は納得できなくても東京に
作れば?と言うところだけはそりゃそうだ!と思いました。
万が一を考えて東京に作らなかったのに万が一どころか福島で事故が起きたでしょ。
企業名も忖度せずに描ける映画は作れないのでしょうね。
コメントありがとうございました。
日本は「和」を重んじることが多く、映画もそんな「甘さ」が目立ちました。
原発事故は「人災」なのに「天災」であるが如く描いています。
広島の原爆死没者慰霊碑の「過ちは繰返しませぬから」の碑文のように、責任の所在をあいまいにしていますね。
日本は「和」を重んじることが多く、映画もそんな「甘さ」が目立ちました。
原発事故は「人災」なのに「天災」であるが如く描いています。
広島の原爆死没者慰霊碑の「過ちは繰返しませぬから」の碑文のように、責任の所在をあいまいにしていますね。