23日21時02分=2021年=
原作と違った面白さ 映画「ドライブ・マイ・カー」
村上春樹の小説が好きなので、同名の原作を映画化した「ドライブ・マイ・カー」は、見るのを楽しみにしていた。当然ながら、この短編が収められている単行本『女のいない男たち』を再読した。だが。50ページたらずの短編をどう膨らませて映像化するのかに興味があった。
↓予告編

上映時間は179分。約3時間の大作だ。村上春樹の小説はクライマックスがなく、物語の流れとしては平坦だ。見終わって、3時間があっという間だったことに驚いた。原作にはない大事件が起こるわけだが、飽きさせないのは脚本の力だろう。
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画では初となる脚本賞を受賞しただけのことはある。
原作とずいぶん違う部分があった。舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)は、脚本家の妻・音(霧島れいか)を愛しており、と幸せに暮らしていた。だが、妻には性癖があり、オーガズムを感じながら脚本の物語をつむぐ。そして、家福は、妻が男優4人と関係を持っていたことに気付いていた。そして、妻は「今晩帰ったら少し話せる?」との言葉を残して他界してしまう。


その後の展開が随分異なっている、家福は広島の演劇祭で演出を担当することになるのだ。愛車のサーブで広島へ向かい、そこで寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と出会う。

演劇祭を通じて外国人が多数出演し、多言語や手話で「ワーニャ伯父さん」を演じるのが面白い。それと、舞台劇を作り上げていく過程がわかって興味深かった。
内容は非常に観念的な映画だが、それを説明せずに映像とセリフだけで展開していくシナリオの強さを感じた。
物語の別の核が、スウェーデン製の愛車「SAAB(サーブ) 900ターボ」。確かにクラシックな感じでかっこよく、運転は快適そうだ。原作の車はコンバーチブルで色は黄色だったが、映画は3ドアの赤だった。
車の中では、妻がカセットテープに吹き込んだセリフに合わせ、家福が練習するのが日課。このセリフの数々と、舞台が連動していくのも見事。
↓村上春樹の原作「女のいない男たち」

今日の
最低気温23.8度、最高気温31.3度。曇り。

○…… Tシャツの通販サイトで、前島密の1円切手をデザインした「密です」というのを見つけた。コロナ禍の「密」回避をパロった製品。とてもおもしろい。欲しくなった。2630円と高めなのが難。地元上越で着て歩くのはちょっと勇気がいる。
↓予告編

上映時間は179分。約3時間の大作だ。村上春樹の小説はクライマックスがなく、物語の流れとしては平坦だ。見終わって、3時間があっという間だったことに驚いた。原作にはない大事件が起こるわけだが、飽きさせないのは脚本の力だろう。
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画では初となる脚本賞を受賞しただけのことはある。
原作とずいぶん違う部分があった。舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)は、脚本家の妻・音(霧島れいか)を愛しており、と幸せに暮らしていた。だが、妻には性癖があり、オーガズムを感じながら脚本の物語をつむぐ。そして、家福は、妻が男優4人と関係を持っていたことに気付いていた。そして、妻は「今晩帰ったら少し話せる?」との言葉を残して他界してしまう。


その後の展開が随分異なっている、家福は広島の演劇祭で演出を担当することになるのだ。愛車のサーブで広島へ向かい、そこで寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と出会う。

演劇祭を通じて外国人が多数出演し、多言語や手話で「ワーニャ伯父さん」を演じるのが面白い。それと、舞台劇を作り上げていく過程がわかって興味深かった。
内容は非常に観念的な映画だが、それを説明せずに映像とセリフだけで展開していくシナリオの強さを感じた。
物語の別の核が、スウェーデン製の愛車「SAAB(サーブ) 900ターボ」。確かにクラシックな感じでかっこよく、運転は快適そうだ。原作の車はコンバーチブルで色は黄色だったが、映画は3ドアの赤だった。
車の中では、妻がカセットテープに吹き込んだセリフに合わせ、家福が練習するのが日課。このセリフの数々と、舞台が連動していくのも見事。
↓村上春樹の原作「女のいない男たち」

今日の足跡
最低気温23.8度、最高気温31.3度。曇り。

○…… Tシャツの通販サイトで、前島密の1円切手をデザインした「密です」というのを見つけた。コロナ禍の「密」回避をパロった製品。とてもおもしろい。欲しくなった。2630円と高めなのが難。地元上越で着て歩くのはちょっと勇気がいる。
- 関連記事
-
- アレサ・フランクリンの半世紀前のライブ蘇る (2021/09/18)
- ビリー・ホリデイの激動の人生描く「BILLIE ビリー」 (2021/09/02)
- 原作と違った面白さ 映画「ドライブ・マイ・カー」 (2021/08/23)
- 葛飾北斎の生涯を描く「HOKUSAI」 (2021/08/19)
- 山田洋次監督の映画愛が詰まった「キネマの神様」 (2021/08/10)
スポンサーサイト