01日22時37分=2021年=
今年一番の映画「MINAMATA ミナマタ」
【評】★5つが最高
★★★★
日本の高度経済成長期の負の側面である公害。その中で犠牲者が最も多く、「公害の原点」といわれたのが水俣病だった。現在のチッソ株式会社の水俣工場から出る廃液に含まれるメチル水銀化合物が原因だった。その公害が社会に認知され、被害者が裁判で勝利するまでに、一人のアメリカ人カメラマンが重要な役割を果たしたのだ。

映画「MINAMATA ミナマタ」の舞台は1971年のニューヨーク。かつてアメリカを代表する写真家と称えられたユージン・スミスは、現在は酒に溺れる日々を送っていた。ある日、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市のチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しんでいる人々を撮影してほしいと頼まれる。そこで彼が見たのは、水銀に冒され歩くことも話すこともできない子供たちの姿や、激化する抗議運動、それを力で押さえ込もうとする工場側という信じられない光景だった。
衝撃を受けたユージンだったが、彼がかつて発表していた写真誌「LIFE」は経営危機で、広告を半分以上載せても青息吐息の状況。だが、「LIFE」の編集長は特ダネを狙ってユージンの取材にOKを出した。

ユージンの写真撮影は困難を極める。水俣病患者が入院する病院に潜入して撮影もした。だが、患者にカメラを向けると顔をそむけられてしまう。苦労して撮影したフィルムを現像する暗室小屋には火を付けられた。5万ドルで買収されそうにもなる。チッソ工場前での抗議運動を撮影するうち、殴られて大怪我をする。

火災でフィルムを失い、大怪我で入院したユージンに大逆転の出来事が起こり、ついに写真は「LIFE」に掲載され、水俣病は世界中に認知されることになる。その写真の中で最も有名なのは、水俣病の娘を入浴させる母の写真「入浴する智子と母」であった。写真がすべてを物語っている。1枚の写真が世の中を動かし変えることができるのだ。
この映画では、ジョニー・デップが製作・主演を務めた。ユージン役は非の打ち所がなく、見事だった。生々しい映像もあるのだが、映像が実に美しい。カット割りも無駄がなく、坂本龍一の音楽も素晴らしい。すべてにおいて完璧な映画だった。
ユージンが言った「写真は撮られる者の魂を奪う。でも撮る者の魂も奪うんだ」とのせりふは重かった。
J-MAXシアターでは1日1回しか上映がなく、11月11日で上映が終了する。未見の人は早めに。
今日の
最低気温8.8度、最高気温20.5度。曇り。
○……0時過ぎまで選挙速報を見ていたので、今日は眠くてたまらない。衆院第6区は梅谷さんが130票の僅差で初当選。高鳥さんは復活当選したし、有権者にとっては最高の結果だった。上越市では革新が強い伝統が今回も発揮された。
上越市長選は中川さんが下馬評通り勝った。中継のテレビを見ていたら、11時15分頃、明らかに中川さんの方が8000票ほど多くなった。残票を計算すると、当選ラインを超えていた。圧勝だった。
4区も大接戦で菊田さんが238票差で7期目の当選を果たした。だが、当選の報を聞く前に夫が急逝したという。菊田陣営では本人がいないバンザイ。非常に驚いた。
★★★★
日本の高度経済成長期の負の側面である公害。その中で犠牲者が最も多く、「公害の原点」といわれたのが水俣病だった。現在のチッソ株式会社の水俣工場から出る廃液に含まれるメチル水銀化合物が原因だった。その公害が社会に認知され、被害者が裁判で勝利するまでに、一人のアメリカ人カメラマンが重要な役割を果たしたのだ。

映画「MINAMATA ミナマタ」の舞台は1971年のニューヨーク。かつてアメリカを代表する写真家と称えられたユージン・スミスは、現在は酒に溺れる日々を送っていた。ある日、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市のチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しんでいる人々を撮影してほしいと頼まれる。そこで彼が見たのは、水銀に冒され歩くことも話すこともできない子供たちの姿や、激化する抗議運動、それを力で押さえ込もうとする工場側という信じられない光景だった。
衝撃を受けたユージンだったが、彼がかつて発表していた写真誌「LIFE」は経営危機で、広告を半分以上載せても青息吐息の状況。だが、「LIFE」の編集長は特ダネを狙ってユージンの取材にOKを出した。

ユージンの写真撮影は困難を極める。水俣病患者が入院する病院に潜入して撮影もした。だが、患者にカメラを向けると顔をそむけられてしまう。苦労して撮影したフィルムを現像する暗室小屋には火を付けられた。5万ドルで買収されそうにもなる。チッソ工場前での抗議運動を撮影するうち、殴られて大怪我をする。

火災でフィルムを失い、大怪我で入院したユージンに大逆転の出来事が起こり、ついに写真は「LIFE」に掲載され、水俣病は世界中に認知されることになる。その写真の中で最も有名なのは、水俣病の娘を入浴させる母の写真「入浴する智子と母」であった。写真がすべてを物語っている。1枚の写真が世の中を動かし変えることができるのだ。
この映画では、ジョニー・デップが製作・主演を務めた。ユージン役は非の打ち所がなく、見事だった。生々しい映像もあるのだが、映像が実に美しい。カット割りも無駄がなく、坂本龍一の音楽も素晴らしい。すべてにおいて完璧な映画だった。
ユージンが言った「写真は撮られる者の魂を奪う。でも撮る者の魂も奪うんだ」とのせりふは重かった。
J-MAXシアターでは1日1回しか上映がなく、11月11日で上映が終了する。未見の人は早めに。
今日の足跡
最低気温8.8度、最高気温20.5度。曇り。
○……0時過ぎまで選挙速報を見ていたので、今日は眠くてたまらない。衆院第6区は梅谷さんが130票の僅差で初当選。高鳥さんは復活当選したし、有権者にとっては最高の結果だった。上越市では革新が強い伝統が今回も発揮された。
上越市長選は中川さんが下馬評通り勝った。中継のテレビを見ていたら、11時15分頃、明らかに中川さんの方が8000票ほど多くなった。残票を計算すると、当選ラインを超えていた。圧勝だった。
4区も大接戦で菊田さんが238票差で7期目の当選を果たした。だが、当選の報を聞く前に夫が急逝したという。菊田陣営では本人がいないバンザイ。非常に驚いた。
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