スピルバーグの「ウエスト・サイド・ストーリー」

【評】★５つが最高、☆は半分
★★★☆



旧作「ウエストサイド物語」は、1961年の公開であるが、69年、71年にも再上映が行われた。最初に見たのは69年か、71年のどちらかだろう。テレビ放映もあり、吹き替えを沢田研二と大竹しのぶがやった（下手だったが）。吹き替えをスターがやるという風潮の先駆けだったかもしれない。ダンスシーンが見事で、日本人は足の長さでかなわないと思った。J-MAXシアターで上映中。



「ウエストサイド物語」は、アカデミー賞10冠という驚異的な記録を持っている。なぜ巨匠スティーブン・スピルバーグがこのミュージカル映画に初挑戦しようと思ったのだろうか。「ウエスト・サイド・ストーリー」を見た後の第一印象は「ほぼ忠実に最映画化した」という印象。細かなところまで気を配って演出し、文句ない出来である。ゴールデングローブ賞の作品賞をはじめ各映画賞を多数受賞したほか、アカデミー賞では7部門にノミネートされているが、最終的な評価はどう下されるだろうか。



俗な言い方をすれば、チンピラ版の「ロミオとジュリエット」。やくざ同士の抗争を題材にした「仁義なき戦い」にラブストーリーをかませた感じ。「許されぬ恋」という王道の設定でありながら小さくまとまることなくスケール感があり、ダンスや歌が楽しめる娯楽作になっている。157分という長さも気にならない。



主人公のトニーとマリアの歌声が重なり合う「Tonight」や、町中をダンスをしながら踊って歌うアップテンポな「America」など、名曲の数々が懐かしい。

旧作は、マリアをナタリー・ウッドが演じたが、今回は3万人のオーディションを勝ち抜いた新星レイチェル・ゼグラーが演じた。歌は抜群にうまい。だが、もっときれいな人を選べなかったものか。ナタリー・ウッドに比べるべくもない。ミスユニバース常勝国として知られるプエルトリコ系移民という設定なのに、納得がいかない。

前作で首領ベルナルド（ジョージ・チャキリス）の愛人アニタを演じたリタ・モレノが、上品な高齢女性役で特別出演した。なんと、年齢は90歳だという。この人もプエルトリコ出身。

↓予告編

今日の足跡（そくせき）

最低気温-0.1度、最高気温6.0度。晴れ。16日から寒波到来で大雪になるらしい。

○……富山のJ-MAXではネットで事前に座席指定のチケットが買えるけれど、上越では券売機での現金決済しかできない。今後、導入されるだろうけれど、券売機になってから行列ができるようになって不便だ。



○……孫たちの手作りバレンタインチョコ。もったいなくて食べられない。