16日22時48分=2022年=
「戦争童話集」と「残像に口紅を」
2015年に亡くなった新潟県出身の作家、野坂昭如の「戦争童話集」や、現在87歳の超ベテラン作家、筒井康隆の旧作「残像に口紅を」が売れているという。

「戦争童話集」はNHKラジオ第一「すっぴん!」で高橋源一郎が紹介して注目された。映画「火垂るの墓」で、清太たちの自己責任論が出ているのを憂慮して選んだとのこと。
12の物語が収録されていて、どの作品も「昭和20年8月15日」から始まる。
その第1話がアニメにもなっているので紹介する。「小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話」である。巨大なクジラが主人公。大きな体をひどく気にして、メスのクジラとなかなか仲良くなれない。ところが、日本軍の潜水艦をクジラだと思いこみ、恋をする。最後は身代わりになって米国の爆雷にやられて粉微塵になってしまうのが悲しい。
↓TikTokで取り上げられた

「残像に口紅を」は、大御所筒井康隆の実験小説。1989年に発表したSF小説だが、TikTokで人気に火がついた。読むのにすごいパワーが必要な難解な小説である。
主人公は、佐治勝夫という小説家の男。友人の評論家から「言語そのものがこの世界から少しずつ消えていくというテーマの虚構」という奇抜な設定の小説が提案される。「君とぼくとがこうやって話している現実がすでに虚構だとすれば、この小説はもう始まっている」という。
世界からひとつずつ音がなくなり、言葉がなくなる。言葉がなくなれば物がなくなるというのは、「あ」が消えれば「愛」や「あなた」が消えるのだ。テレビCMでこんなのがあったな。
消えていく世界の中で、小説家は情事を行い、講演をし、殴られ、旅に出る。自伝も書く。筒井氏の語彙の豊富さ、ストーリーを展開させていく能力、いずれも凄さを感じさせてくれた。
言葉が1文字ずつ消えていき、話す語彙もなくなって、言葉が表すものも消えていくのがすごい。
今日の
最低気温18.4度、最高気温27.7度。曇り。
○……坂城町のバラまつりで買ってきた「Rose Cider」を飲んでみた。ラベルを見たら静岡のメーカーだった。バラエキスが入っていて、優雅な香りがする。


「戦争童話集」はNHKラジオ第一「すっぴん!」で高橋源一郎が紹介して注目された。映画「火垂るの墓」で、清太たちの自己責任論が出ているのを憂慮して選んだとのこと。
12の物語が収録されていて、どの作品も「昭和20年8月15日」から始まる。
その第1話がアニメにもなっているので紹介する。「小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話」である。巨大なクジラが主人公。大きな体をひどく気にして、メスのクジラとなかなか仲良くなれない。ところが、日本軍の潜水艦をクジラだと思いこみ、恋をする。最後は身代わりになって米国の爆雷にやられて粉微塵になってしまうのが悲しい。
↓TikTokで取り上げられた

「残像に口紅を」は、大御所筒井康隆の実験小説。1989年に発表したSF小説だが、TikTokで人気に火がついた。読むのにすごいパワーが必要な難解な小説である。
主人公は、佐治勝夫という小説家の男。友人の評論家から「言語そのものがこの世界から少しずつ消えていくというテーマの虚構」という奇抜な設定の小説が提案される。「君とぼくとがこうやって話している現実がすでに虚構だとすれば、この小説はもう始まっている」という。
世界からひとつずつ音がなくなり、言葉がなくなる。言葉がなくなれば物がなくなるというのは、「あ」が消えれば「愛」や「あなた」が消えるのだ。テレビCMでこんなのがあったな。
消えていく世界の中で、小説家は情事を行い、講演をし、殴られ、旅に出る。自伝も書く。筒井氏の語彙の豊富さ、ストーリーを展開させていく能力、いずれも凄さを感じさせてくれた。
言葉が1文字ずつ消えていき、話す語彙もなくなって、言葉が表すものも消えていくのがすごい。
今日の足跡
最低気温18.4度、最高気温27.7度。曇り。
○……坂城町のバラまつりで買ってきた「Rose Cider」を飲んでみた。ラベルを見たら静岡のメーカーだった。バラエキスが入っていて、優雅な香りがする。

- 関連記事
-
- 朝鮮戦争が勃発!「角栄に花束を」7巻 (2022/10/13)
- お盆は音楽と本三昧 (2022/08/15)
- 「戦争童話集」と「残像に口紅を」 (2022/06/16)
- LINEマンガ「越後幕府」 上杉謙信が天下を統一! (2022/06/01)
- 映画「大河への道」の原作 (2022/05/25)
スポンサーサイト