26日20時27分=2022年=
新潟県内ロケの映画「峠 最後のサムライ」
【評】★5つが最高
★★★

原作である司馬遼太郎の長編時代小説「峠」は、若い頃に読んだので、ストーリーを忘れてしまっていた。映画になった「峠 最後のサムライ」を見てもつながらない。河井継之助がいきなり家老として登場したので驚いた。前半省略? こんな話だっけ? 本筋よりも、河井継之助と妻おすがの夫婦愛の物語に感じた。

それだけ継之助を演じた役所広司と、おすがを演じた松たか子の存在感が強いのだろう。一度決意したら、命をなげうって徳川家に尽くす姿は、まさに“最後のサムライ”だった。
大政奉還で天皇に政権を返してもで、すんなり新政府が樹立するわけもない。明治維新は一種の革命なのである。日本は旧幕府の東軍と、薩摩・長州を中心にした新政府軍(西軍)に二分し、「戊辰戦争」という内戦に突入する。コロナ禍で公開が3回も延期されるうち、ロシアのウクライナ侵攻が起き、重ねて見てしまうのは仕方がないことか。
内戦が長引くと、日本は外国の植民地にされかねない。無用な争いで多数の武士や領民の命が失われることも防ぎたい。福沢諭吉の『学問のすゝめ』が説くように、継之助はこれからの日本は「教育」が一番重要で、「侍は民のために存在する」(民は国の本、吏は民の雇)という先進的な考えを持っていた。恥も外聞もなく内戦を防ごうとする継之助の気持ちは痛いほど分かる。同じ長岡人の山本五十六と似ていると感じた。五十六も役所広司が演じたからなおさらだ。


役所広司はセリフが多く、大変だったと思うが、力強く説得力のある台詞回し、サムライとしての最後が迫る中での悲壮感など、どれをとっても素晴らしい。黒澤明の時代なら、三船敏郎か、仲代達矢が主役をやっただろうな。
松たか子の所作が美しく見とれてしまった。夫の芸者遊びに連れ出され、「長岡甚句」を踊る場面も上手な踊りを見せてくれた。
長岡藩が先駆けて導入した最新の機関銃「ガトリング砲」の威力がすごい。うまく活用すれば、勝てたかもしれないのに。誰もガトリング砲を使えず、家老自ら撃っているのでは仕方がない。訓練をする時間がなかったのかも。予算が足りなかったのか、戦闘シーンがゆるすぎた。主要人物が誰も死なない。
継之助は足を負傷し、破傷風で42歳で亡くなった。次の助は死期を悟り、火葬の準備をさせる場面で映画は終わる。ラストシーンは物足りない。
今日の
最低気温23.1度、最高気温32.2度。晴れ。連日暑い。


○……息子が「父の日」にビールやチューハイの350ml缶がすっぽり入る「サーモス 保冷缶ホルダー」をプレゼントしてくれた。自分で使ってみて、すごく良かったからだという。
さっそく使ってみた。口部分がゴム状の素材になっていて、抜け落ちないようになっている。350ml用だが、500ml缶でもいいと思う。最初はぐっと飲むので、内容量が減るからだ。
缶が汗をかかないのもいいと思う。
★★★

原作である司馬遼太郎の長編時代小説「峠」は、若い頃に読んだので、ストーリーを忘れてしまっていた。映画になった「峠 最後のサムライ」を見てもつながらない。河井継之助がいきなり家老として登場したので驚いた。前半省略? こんな話だっけ? 本筋よりも、河井継之助と妻おすがの夫婦愛の物語に感じた。

それだけ継之助を演じた役所広司と、おすがを演じた松たか子の存在感が強いのだろう。一度決意したら、命をなげうって徳川家に尽くす姿は、まさに“最後のサムライ”だった。
大政奉還で天皇に政権を返してもで、すんなり新政府が樹立するわけもない。明治維新は一種の革命なのである。日本は旧幕府の東軍と、薩摩・長州を中心にした新政府軍(西軍)に二分し、「戊辰戦争」という内戦に突入する。コロナ禍で公開が3回も延期されるうち、ロシアのウクライナ侵攻が起き、重ねて見てしまうのは仕方がないことか。
内戦が長引くと、日本は外国の植民地にされかねない。無用な争いで多数の武士や領民の命が失われることも防ぎたい。福沢諭吉の『学問のすゝめ』が説くように、継之助はこれからの日本は「教育」が一番重要で、「侍は民のために存在する」(民は国の本、吏は民の雇)という先進的な考えを持っていた。恥も外聞もなく内戦を防ごうとする継之助の気持ちは痛いほど分かる。同じ長岡人の山本五十六と似ていると感じた。五十六も役所広司が演じたからなおさらだ。


役所広司はセリフが多く、大変だったと思うが、力強く説得力のある台詞回し、サムライとしての最後が迫る中での悲壮感など、どれをとっても素晴らしい。黒澤明の時代なら、三船敏郎か、仲代達矢が主役をやっただろうな。
松たか子の所作が美しく見とれてしまった。夫の芸者遊びに連れ出され、「長岡甚句」を踊る場面も上手な踊りを見せてくれた。
長岡藩が先駆けて導入した最新の機関銃「ガトリング砲」の威力がすごい。うまく活用すれば、勝てたかもしれないのに。誰もガトリング砲を使えず、家老自ら撃っているのでは仕方がない。訓練をする時間がなかったのかも。予算が足りなかったのか、戦闘シーンがゆるすぎた。主要人物が誰も死なない。
継之助は足を負傷し、破傷風で42歳で亡くなった。次の助は死期を悟り、火葬の準備をさせる場面で映画は終わる。ラストシーンは物足りない。
今日の足跡
最低気温23.1度、最高気温32.2度。晴れ。連日暑い。


○……息子が「父の日」にビールやチューハイの350ml缶がすっぽり入る「サーモス 保冷缶ホルダー」をプレゼントしてくれた。自分で使ってみて、すごく良かったからだという。
さっそく使ってみた。口部分がゴム状の素材になっていて、抜け落ちないようになっている。350ml用だが、500ml缶でもいいと思う。最初はぐっと飲むので、内容量が減るからだ。
缶が汗をかかないのもいいと思う。
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