07日20時52分=2022年=
伊香保の365段の石段街 映画にも登場
10月末に友人とでかけた群馬県一泊旅行の続き。帰りに伊香保温泉に立ち寄った。昼食に大沢うどんを食べた後、伊香保のシンボル石段街に行った。伊香保温泉は若い頃に来たはずだが、石段を登った記憶がない。バスツアーだったので、時間がなかったのだろう。この石段街は、「テルマエロマエ」や「浮雲」のロケ地であり、「千と千尋の神隠し」の赤い橋のモデルだという。
↓伊香保温泉の石段街



↓365段目

友人は体が大きく、365段の石段を登る自信がないというので、私一人で登ることになった。大沢うどんで満腹になったので、腹ごなしにもなる。
石段ができたのは天正4年(1576年)頃だと看板に書いてあった。織田信長、徳川家康の連合軍に敗れた武田勝頼が、長篠の戦いによる負傷者治療のため、温泉を引湯させる目的で造らせた。石段の中央に湯樋が通っている。当時は13軒の旅館があったという。
◇石段で「テルマエロマエ」のロケ
↓映画「テルマエロマエ」より



石段は御影石で造られており、365段ある。365日繁盛するようにという願いが込められているそうだ。途中に旅館や土産店、食堂、カフェのほか、射的と弓(的あて)の店があった。
1作目の「テルマエロマエ」で、ルシウスがバナナを盗んだ猿を追いかけ、大弓の腕前を発揮した場所である。石段も映った。
◇成瀬巳喜男監督の名作「浮雲」でロケ
林芙美子の原作を、成瀬巳喜男監督がメガホンを取った名作「浮雲」(1955年)にも、この石段街が出てくる。録画してあったのを見返してみた。高峰秀子の代表作であり、森雅之が共演している。この年(1955年度)のキネマ旬報ベストテン第1位、監督賞、主演女優賞、主演男優賞を獲得している。キネ旬戦後復刊1000号記念の「日本映画史上ベストテン」では、第4位という大名作だ。
高峰秀子演ずるゆき子と、農林省技師の富岡の恋愛映画だが、2人は何度も衝突しては別れ、新たに別の人と関係を持ちつつも、別れられない腐れ縁。最後はゆき子が何日も雨が降り続く屋久島で死んでしまう。無常観と悲哀感が漂うなんともいえない雰囲気の映画だった。



↓混浴風呂での高峰秀子と森雅之

階段街が出てくるのは、終戦後の混乱で富岡は職がなく、ゆき子はパンパンになって食いつなぐ始末。再会した2人は「どこか遠くへ行こうか」と伊香保温泉に行く。滞在費は富岡が腕時計を売ってまかなった。映画には石段を登って共同浴場に行くシーンが出てくる。なんと、共同浴場は男女混浴である。そこで富岡は、意気投合して泊めてもらった清吉の年下の女房おせい(岡田茉莉子)と関係を持ってしまう。高峰秀子と森雅之、岡田茉莉子と森雅之の混浴シーンも出てくる。戦後間もない頃の石段街が映っているのが貴重だと思う。
◇石段に与謝野晶子の詩
↓石段にある与謝野晶子の詩

登りはじめてすぐに、石段に歌人の与謝野晶子の詩が刻まれていたのが分かった。短歌ではなく、詩なのが珍しい。
「伊香保の街」
榛名山の一角に、段また段を成して、
羅馬(ローマ)時代の野外劇場の如く、
斜めに刻み附けられた 桟敷形の伊香保の街、
屋根の上に屋根、部屋の上に部屋、
すべてが温泉宿である、そして榛(ハンノキ)の若葉の光が
柔かい緑で 街全體を濡らしてゐる。
街を縦に貫く本道は 雑多の店に縁どられて、
長い長い石の階段を作り、伊香保神社の前にまで、
Hの字を無数に積み上げて、
殊更に建築家と繪師とを喜ばせる。
365段の石段は急だったが、お店を見たりしているうちに、あっという間に登り終えてしまった。石段の途中には、今何段目なのかの表示もあった。
◇「千と千尋の神隠し」の赤い橋のモデル
↓伊香保神社

↓河鹿橋

石段を登りきった所に「伊香保神社」がある。そこから徒歩5分ほどの湯元通りに出ると、朱色が綺麗な木造「河鹿(かじか)橋」がある。映画「千と千尋の神隠し」に登場する油屋の前の神々の赤い橋のモデルになったという。
温泉に入っていく予定だったが、駐車場が満車で断念した。
今日の
最低気温8.5度、最高気温18.4度。晴れ。

○……初日の昼食は万座高原ホテルへ。標高1800mにあるホテルなので“高い”のは仕方がない。ここでは「鬼押出しカレー」(1540円)を食べた。ハンバーグが切ってのせてあって、鬼押出しの奇岩を表現したという。野菜もたっぷりはいっていて、美味だった。
↓トイレの排水口に仕掛けられたカメラ

↓シャンプーのポンプに仕込まれたカメラ

○……10月26日放送のクローズアップ現代は「急増する盗撮 暮らしに潜む危険と対策」だった。公衆トイレの排水溝、銭湯のお風呂セットなど、生活のあらゆる場所に小型カメラが潜み、盗撮被害が急増しているという。検挙数は10年前の2倍に。
番組では被害の実態を追跡し、対策はどうしたらいいかを検証していた。手口や加害者の心理などを具体的に伝えていて、参考(?)になった。
何回かそのような動画を見たことがあるが、いったいどうやって撮影したのか不思議だった。シャンプーのポンプの中に仕込んだ小型カメラはちょっと分からない。防ぎようもない場合もあるので、不自然な動きをする人などに気をつけた方がいいと思う。まずは、駅や電車、職場、学校、自宅にまで「盗撮」のリスクがあることを知らなくてはならない。多くの女性がこの番組を見てくれたらいいのだが。
↓伊香保温泉の石段街



↓365段目

友人は体が大きく、365段の石段を登る自信がないというので、私一人で登ることになった。大沢うどんで満腹になったので、腹ごなしにもなる。
石段ができたのは天正4年(1576年)頃だと看板に書いてあった。織田信長、徳川家康の連合軍に敗れた武田勝頼が、長篠の戦いによる負傷者治療のため、温泉を引湯させる目的で造らせた。石段の中央に湯樋が通っている。当時は13軒の旅館があったという。
◇石段で「テルマエロマエ」のロケ
↓映画「テルマエロマエ」より



石段は御影石で造られており、365段ある。365日繁盛するようにという願いが込められているそうだ。途中に旅館や土産店、食堂、カフェのほか、射的と弓(的あて)の店があった。
1作目の「テルマエロマエ」で、ルシウスがバナナを盗んだ猿を追いかけ、大弓の腕前を発揮した場所である。石段も映った。
◇成瀬巳喜男監督の名作「浮雲」でロケ
林芙美子の原作を、成瀬巳喜男監督がメガホンを取った名作「浮雲」(1955年)にも、この石段街が出てくる。録画してあったのを見返してみた。高峰秀子の代表作であり、森雅之が共演している。この年(1955年度)のキネマ旬報ベストテン第1位、監督賞、主演女優賞、主演男優賞を獲得している。キネ旬戦後復刊1000号記念の「日本映画史上ベストテン」では、第4位という大名作だ。
高峰秀子演ずるゆき子と、農林省技師の富岡の恋愛映画だが、2人は何度も衝突しては別れ、新たに別の人と関係を持ちつつも、別れられない腐れ縁。最後はゆき子が何日も雨が降り続く屋久島で死んでしまう。無常観と悲哀感が漂うなんともいえない雰囲気の映画だった。



↓混浴風呂での高峰秀子と森雅之

階段街が出てくるのは、終戦後の混乱で富岡は職がなく、ゆき子はパンパンになって食いつなぐ始末。再会した2人は「どこか遠くへ行こうか」と伊香保温泉に行く。滞在費は富岡が腕時計を売ってまかなった。映画には石段を登って共同浴場に行くシーンが出てくる。なんと、共同浴場は男女混浴である。そこで富岡は、意気投合して泊めてもらった清吉の年下の女房おせい(岡田茉莉子)と関係を持ってしまう。高峰秀子と森雅之、岡田茉莉子と森雅之の混浴シーンも出てくる。戦後間もない頃の石段街が映っているのが貴重だと思う。
◇石段に与謝野晶子の詩
↓石段にある与謝野晶子の詩

登りはじめてすぐに、石段に歌人の与謝野晶子の詩が刻まれていたのが分かった。短歌ではなく、詩なのが珍しい。
「伊香保の街」
榛名山の一角に、段また段を成して、
羅馬(ローマ)時代の野外劇場の如く、
斜めに刻み附けられた 桟敷形の伊香保の街、
屋根の上に屋根、部屋の上に部屋、
すべてが温泉宿である、そして榛(ハンノキ)の若葉の光が
柔かい緑で 街全體を濡らしてゐる。
街を縦に貫く本道は 雑多の店に縁どられて、
長い長い石の階段を作り、伊香保神社の前にまで、
Hの字を無数に積み上げて、
殊更に建築家と繪師とを喜ばせる。
365段の石段は急だったが、お店を見たりしているうちに、あっという間に登り終えてしまった。石段の途中には、今何段目なのかの表示もあった。
◇「千と千尋の神隠し」の赤い橋のモデル
↓伊香保神社

↓河鹿橋

石段を登りきった所に「伊香保神社」がある。そこから徒歩5分ほどの湯元通りに出ると、朱色が綺麗な木造「河鹿(かじか)橋」がある。映画「千と千尋の神隠し」に登場する油屋の前の神々の赤い橋のモデルになったという。
温泉に入っていく予定だったが、駐車場が満車で断念した。
今日の足跡
最低気温8.5度、最高気温18.4度。晴れ。

○……初日の昼食は万座高原ホテルへ。標高1800mにあるホテルなので“高い”のは仕方がない。ここでは「鬼押出しカレー」(1540円)を食べた。ハンバーグが切ってのせてあって、鬼押出しの奇岩を表現したという。野菜もたっぷりはいっていて、美味だった。
↓トイレの排水口に仕掛けられたカメラ

↓シャンプーのポンプに仕込まれたカメラ

○……10月26日放送のクローズアップ現代は「急増する盗撮 暮らしに潜む危険と対策」だった。公衆トイレの排水溝、銭湯のお風呂セットなど、生活のあらゆる場所に小型カメラが潜み、盗撮被害が急増しているという。検挙数は10年前の2倍に。
番組では被害の実態を追跡し、対策はどうしたらいいかを検証していた。手口や加害者の心理などを具体的に伝えていて、参考(?)になった。
何回かそのような動画を見たことがあるが、いったいどうやって撮影したのか不思議だった。シャンプーのポンプの中に仕込んだ小型カメラはちょっと分からない。防ぎようもない場合もあるので、不自然な動きをする人などに気をつけた方がいいと思う。まずは、駅や電車、職場、学校、自宅にまで「盗撮」のリスクがあることを知らなくてはならない。多くの女性がこの番組を見てくれたらいいのだが。
- 関連記事
-
- 会津若松で半日周遊 しかしアクシデント発生! (2022/11/23)
- 近年注目の観光スポット「チャツボミゴケ公園」 (2022/11/08)
- 伊香保の365段の石段街 映画にも登場 (2022/11/07)
- 矢木沢ダムと八ッ場ダム (2022/11/02)
- 群馬県みなかみ町の「太宰治文学碑」 (2022/11/01)
スポンサーサイト