12日20時54分=2022年=
三遊亭白鳥師匠、10年ぶり上越で高座
昨日行われた謙武祭の一環で、上越市出身の落語家、三遊亭白鳥師匠の「独演会」が開かれた。

家を出るのが遅かったため、満席で断られるかもしれないと思い、立ち見覚悟で会場の謙信公武道館に入った。だが、広い畳敷きの道場が会場なのに開演20分前になっても、客は20人しかいない。雨とPR不足だと思うが、これじゃ白鳥師匠に申し訳ない。
謙武祭に来ていた人を動員したのか、最終的に70~80人ほど集まったが、少々寂しい。

出囃子もなく白鳥さんが登壇し、開口一番「なんでしょ、この広い空間にわずかな人数…さすが地元という感じですね」と笑わせる。
そして、「故郷に戻ってくるのは10年ぶり。コロナで寄席が中止、落語家全員が仕事がなくなった。ようやく戻りかけてきたときに呼んでいただいた。ここは謙信公武道館ですか、いつの間にかこんなの建ったんですか。俺の友達もけっこう来ているんですが、ここは初めて見たと言っていた」と切り出した。
白鳥師匠の落語は、三遊亭新潟だった二つ目時代から聴いているが、既に59歳だという。実家が本町4丁目23にあるが、父親は96歳、母が86歳だという。
コロナ禍ではあったが、「私、9月13日に笑点に出たんです。びっくりしたでしょ」。で、大きな拍手。
今年9月に亡くなった6代目三遊亭円楽の先代である三遊亭圓楽 (5代目)は、名人三遊亭圓生(6代目)の一番弟子。その7番目の弟子が三遊亭円丈で、白鳥さんの師匠。新作落語の中興の祖と言われた。その円丈と先代の圓楽は兄弟弟子で、仲が悪かった。どうして仲が悪かったかは、「師匠、御乱心!」(三遊亭円丈著)という本が出ている。それを読めば分かる。だから、円丈一門は「笑点」に出さないという不文律があったという。
ところが、2年前に神奈川県逗子市で「三遊亭円楽・白鳥親子会」という落語会があった。円丈は昨年11月に亡くなったので、円楽師匠が「白鳥、俺が圓生を継いでいいか」というから、「いいんじゃないですか」と言ったら「ありがとな」と。それが「笑点」に出られた真相だという。
さて1席目は、年末に合わせて古典落語「尻餅」を披露した。江戸時代は、年末になると臼と杵を持ち歩いて餅をつく餅屋に餅つきを頼んだという。隣近所では餅つきの音もにぎやかに、正月の支度を整えているというのに、八公の家はびんぼうで餅がつけない。
八公は寒い日の真夜中、「えー、八五郎さんの家はどちらかな~」「えー、餅屋でございます」「餅屋さん、夜遅くにすいません」と一人二役で大奮闘。いよいよ餅をつく段になって、「おっかあ、臼を出せ」「尻?」「お前のお尻だよ。早く尻を出せ」。かみさんの尻をひっぱたいて、餅をついている様子を演出する。おかみさんは尻が痛くて、悲鳴を上げている。尻はまっ赤になった。
「あと幾臼あるの?」「ようやく2臼ついたばかりで、あと1臼あるよ」「あとはおこわにしてください」というオチだ。
そして2席目は、白鳥さんの新作落語で最も知られ、多くの落語家がレパートリーに取り入れている「マキシム・ド・呑兵衛」をやった。「オウム返し」という手法を使った落語である。人から習ったことを、間違えて失敗してしまうという昔からある手法である。「子ほめ」「牛ほめ」などが代表的だ。さて、「マキシム・ド・呑兵衛」は、新作落語なのでネタバレ厳禁。さわりだけ紹介する。
老夫婦が細々と営んでいる居酒屋「呑兵衛」は、いつも閑古鳥が鳴いている。ある日、銀座のフレンチレストランに行かないかと孫娘に誘われる。一流店のサービスに感激した夫婦は、居酒屋の名前を「マキシム・ド・呑兵衛」に改め、常連客相手に営業するが……。
今日の
最低気温3.6度、最高気温10.8度。曇り一時晴れ。

○……謙信公武道館に初めて入った。コンクリートの塊みたいで頑丈そうな建物。北朝鮮からミサイルが飛んできても、大丈夫そうだ(笑)。

1周200mのランニングコースもあった。

大道場には立派な客席があり、ライブができそうだが、ステージがないし、音響設備もないという。どうせ作るなら、ライブができる仕様にできなかったものか。
「武道館ライブ」をキャッチフレーズにすれば、人気が出るかもしれない。

家を出るのが遅かったため、満席で断られるかもしれないと思い、立ち見覚悟で会場の謙信公武道館に入った。だが、広い畳敷きの道場が会場なのに開演20分前になっても、客は20人しかいない。雨とPR不足だと思うが、これじゃ白鳥師匠に申し訳ない。
謙武祭に来ていた人を動員したのか、最終的に70~80人ほど集まったが、少々寂しい。

出囃子もなく白鳥さんが登壇し、開口一番「なんでしょ、この広い空間にわずかな人数…さすが地元という感じですね」と笑わせる。
そして、「故郷に戻ってくるのは10年ぶり。コロナで寄席が中止、落語家全員が仕事がなくなった。ようやく戻りかけてきたときに呼んでいただいた。ここは謙信公武道館ですか、いつの間にかこんなの建ったんですか。俺の友達もけっこう来ているんですが、ここは初めて見たと言っていた」と切り出した。
白鳥師匠の落語は、三遊亭新潟だった二つ目時代から聴いているが、既に59歳だという。実家が本町4丁目23にあるが、父親は96歳、母が86歳だという。
コロナ禍ではあったが、「私、9月13日に笑点に出たんです。びっくりしたでしょ」。で、大きな拍手。
今年9月に亡くなった6代目三遊亭円楽の先代である三遊亭圓楽 (5代目)は、名人三遊亭圓生(6代目)の一番弟子。その7番目の弟子が三遊亭円丈で、白鳥さんの師匠。新作落語の中興の祖と言われた。その円丈と先代の圓楽は兄弟弟子で、仲が悪かった。どうして仲が悪かったかは、「師匠、御乱心!」(三遊亭円丈著)という本が出ている。それを読めば分かる。だから、円丈一門は「笑点」に出さないという不文律があったという。
ところが、2年前に神奈川県逗子市で「三遊亭円楽・白鳥親子会」という落語会があった。円丈は昨年11月に亡くなったので、円楽師匠が「白鳥、俺が圓生を継いでいいか」というから、「いいんじゃないですか」と言ったら「ありがとな」と。それが「笑点」に出られた真相だという。
さて1席目は、年末に合わせて古典落語「尻餅」を披露した。江戸時代は、年末になると臼と杵を持ち歩いて餅をつく餅屋に餅つきを頼んだという。隣近所では餅つきの音もにぎやかに、正月の支度を整えているというのに、八公の家はびんぼうで餅がつけない。
八公は寒い日の真夜中、「えー、八五郎さんの家はどちらかな~」「えー、餅屋でございます」「餅屋さん、夜遅くにすいません」と一人二役で大奮闘。いよいよ餅をつく段になって、「おっかあ、臼を出せ」「尻?」「お前のお尻だよ。早く尻を出せ」。かみさんの尻をひっぱたいて、餅をついている様子を演出する。おかみさんは尻が痛くて、悲鳴を上げている。尻はまっ赤になった。
「あと幾臼あるの?」「ようやく2臼ついたばかりで、あと1臼あるよ」「あとはおこわにしてください」というオチだ。
そして2席目は、白鳥さんの新作落語で最も知られ、多くの落語家がレパートリーに取り入れている「マキシム・ド・呑兵衛」をやった。「オウム返し」という手法を使った落語である。人から習ったことを、間違えて失敗してしまうという昔からある手法である。「子ほめ」「牛ほめ」などが代表的だ。さて、「マキシム・ド・呑兵衛」は、新作落語なのでネタバレ厳禁。さわりだけ紹介する。
老夫婦が細々と営んでいる居酒屋「呑兵衛」は、いつも閑古鳥が鳴いている。ある日、銀座のフレンチレストランに行かないかと孫娘に誘われる。一流店のサービスに感激した夫婦は、居酒屋の名前を「マキシム・ド・呑兵衛」に改め、常連客相手に営業するが……。
今日の足跡
最低気温3.6度、最高気温10.8度。曇り一時晴れ。

○……謙信公武道館に初めて入った。コンクリートの塊みたいで頑丈そうな建物。北朝鮮からミサイルが飛んできても、大丈夫そうだ(笑)。

1周200mのランニングコースもあった。

大道場には立派な客席があり、ライブができそうだが、ステージがないし、音響設備もないという。どうせ作るなら、ライブができる仕様にできなかったものか。
「武道館ライブ」をキャッチフレーズにすれば、人気が出るかもしれない。
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