14日21時12分=2023年=
性の多様性と悲劇描いた「流浪の月」
【評】★5つが最高
★★★★

少女しか愛せない男佐伯文(松坂桃李)と、伯母に引き取られてその息子にセクハラを受けていた更紗(広瀬すず)。虐待されて家出した少女を自分の部屋にかくまった青年は世間からロリコン扱いされ、世間から隠れて生きている。性的関係がなく、むじゃきに過ごした2か月間の2人の暮らしはとても美しい。大人になって、お互いに恋人がいながら愛しあうことができず、傷つけ合いながらも、文と更紗は磁石のように引き寄せられていく。「流浪の月」は李相日監督だけあって見逃せない作品だったが、残念ながら上越市内での上映は叶わず、DVDレンタルでようやく見ることができた。150分の大作だが、緊張感が最後まで途切れない素晴らしい作品。広瀬すずと、その恋人である中瀬亮を演じた横浜流星の演技が素晴らしかった。松坂桃李もベスト演技だった。


簡単にストーリーを書いておこう。ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗(広瀬すず)に、19歳の大学生・佐伯文(松坂桃李)が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に文が経営する喫茶店で再会する……。
「性の多様性」を題材にしているのだろうが、世間からはみ出した「性」は、痛みと苦悩を伴う。その中に「救い」はあるのかが李相日監督らしいテーマ。とても難解な映画だが、今日を象徴しているからだろう。
◇副音声を聴く楽しみ
DVDで見たので、難解な場面は戻って、何回も見直した。DVDなので解像度が低く、肝心の部分の意味が分からない場面があった。最後の方で文(松坂桃李)が全裸になり、更紗(広瀬すず)に裸を見せる場面だ。肝心な部分がよく見えない。そんなときは視覚障害者用の副音声を聴くという方法がある。どういう場面であるか、言葉で語ってくれる。その場面は次のように説明されていた。
「文(ふみ)がトランクスに手をかける」「震えながらトランクスを下ろす」「全裸になる」「背中を丸めたガリガリの体が薄明かりに照らされる」「少しずつ更紗の方に体の向きを変える」「体毛のない下腹部。性器が見える」「子供のままの小さな陰茎」……文が大人の女性を愛せない理由が明確に分かった。
副音声はなかなか便利で、濡れ場を解説付きで見る楽しみがある。例えば、更紗と亮の2回目のベッドシーンは、副音声では次のように説明されている。実況アナウンサーのように淡々と状況を説明しているが、かえって生々しくて、想像力をかきたてる。
「亮がTシャツを脱ぐ」「布団をめくり更紗の胸をつかむ」「頭を抑えキスをする」「パジャマのボタンを外し、首筋に舌をはわせる」「更紗は宙を見ている」「亮が布団の中で更紗の下腹部に手を伸ばす」「更紗が顔を背ける」「亮が指に唾を付け、もう一度下腹部に手をやる」「『もうよそう』と(更紗が)手を抑える」「キスを拒む」。
副音声マニアになりそう……(笑)。
今日の
最低気温0.5度、最高気温4.1度。曇り時々雪か雨。明日朝までの降雪予報は、高田が10cm、新井が15cm。久しぶりに除雪しなくてはならないようだ。

○……今日はバレンタインデー。富山にいる娘から可愛らしいチョコレートが送られてきた。開けてみると、葛飾北斎の「黒富士」のパッケージで、中に和菓子を小さくしたような色とりどりのチョコが入っていた。鯛焼きや桜餅、ぜんざい、うさぎ饅頭などを形どっていた。食べるのがもったいないな。

○……昨日の仕事帰りに原信に寄って買い物をしていたら、ハート型のコロッケが半額で売っていた。バレンタイン用なのだろう。ハート型はコロッケが一番作りやすい。
★★★★

少女しか愛せない男佐伯文(松坂桃李)と、伯母に引き取られてその息子にセクハラを受けていた更紗(広瀬すず)。虐待されて家出した少女を自分の部屋にかくまった青年は世間からロリコン扱いされ、世間から隠れて生きている。性的関係がなく、むじゃきに過ごした2か月間の2人の暮らしはとても美しい。大人になって、お互いに恋人がいながら愛しあうことができず、傷つけ合いながらも、文と更紗は磁石のように引き寄せられていく。「流浪の月」は李相日監督だけあって見逃せない作品だったが、残念ながら上越市内での上映は叶わず、DVDレンタルでようやく見ることができた。150分の大作だが、緊張感が最後まで途切れない素晴らしい作品。広瀬すずと、その恋人である中瀬亮を演じた横浜流星の演技が素晴らしかった。松坂桃李もベスト演技だった。


簡単にストーリーを書いておこう。ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗(広瀬すず)に、19歳の大学生・佐伯文(松坂桃李)が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に文が経営する喫茶店で再会する……。
「性の多様性」を題材にしているのだろうが、世間からはみ出した「性」は、痛みと苦悩を伴う。その中に「救い」はあるのかが李相日監督らしいテーマ。とても難解な映画だが、今日を象徴しているからだろう。
◇副音声を聴く楽しみ
DVDで見たので、難解な場面は戻って、何回も見直した。DVDなので解像度が低く、肝心の部分の意味が分からない場面があった。最後の方で文(松坂桃李)が全裸になり、更紗(広瀬すず)に裸を見せる場面だ。肝心な部分がよく見えない。そんなときは視覚障害者用の副音声を聴くという方法がある。どういう場面であるか、言葉で語ってくれる。その場面は次のように説明されていた。
「文(ふみ)がトランクスに手をかける」「震えながらトランクスを下ろす」「全裸になる」「背中を丸めたガリガリの体が薄明かりに照らされる」「少しずつ更紗の方に体の向きを変える」「体毛のない下腹部。性器が見える」「子供のままの小さな陰茎」……文が大人の女性を愛せない理由が明確に分かった。
副音声はなかなか便利で、濡れ場を解説付きで見る楽しみがある。例えば、更紗と亮の2回目のベッドシーンは、副音声では次のように説明されている。実況アナウンサーのように淡々と状況を説明しているが、かえって生々しくて、想像力をかきたてる。
「亮がTシャツを脱ぐ」「布団をめくり更紗の胸をつかむ」「頭を抑えキスをする」「パジャマのボタンを外し、首筋に舌をはわせる」「更紗は宙を見ている」「亮が布団の中で更紗の下腹部に手を伸ばす」「更紗が顔を背ける」「亮が指に唾を付け、もう一度下腹部に手をやる」「『もうよそう』と(更紗が)手を抑える」「キスを拒む」。
副音声マニアになりそう……(笑)。
今日の足跡
最低気温0.5度、最高気温4.1度。曇り時々雪か雨。明日朝までの降雪予報は、高田が10cm、新井が15cm。久しぶりに除雪しなくてはならないようだ。

○……今日はバレンタインデー。富山にいる娘から可愛らしいチョコレートが送られてきた。開けてみると、葛飾北斎の「黒富士」のパッケージで、中に和菓子を小さくしたような色とりどりのチョコが入っていた。鯛焼きや桜餅、ぜんざい、うさぎ饅頭などを形どっていた。食べるのがもったいないな。

○……昨日の仕事帰りに原信に寄って買い物をしていたら、ハート型のコロッケが半額で売っていた。バレンタイン用なのだろう。ハート型はコロッケが一番作りやすい。
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