12日21時56分=2023年=
寅さんの故郷「葛飾柴又」探訪記②
ガイドさんの案内で「矢切の渡し」が見えてきた。一級河川、江戸川の河川敷は、タイトルバックで寅さんが歩く場面で出てくる。いつも金町浄水場の方向から寅さんが歩いてくる。子供が遊んだり、ランニングしている人がいるのも、映画の場面と同じだ。

金町浄水場は東京都東部の生活用水をまかなっている重要な場所だという。
江戸川は夏目漱石が「彼岸過迄」、尾崎士郎が「人生劇場」で、幸田露伴は「付焼刃」で描いた風景である。ほかに、柴又は林芙美子の「晩菊」、田山花袋は「東京の近郊」「東京近郊-一日の行楽」、松本清張は「風の視線」、井上ひさしは「東京セブンローズ」で描いている。また久保田万太郎にずばり「柴又」という作品がある。
「矢切の渡し」は小説「野菊の墓」や、細川たかしやちあきなおみが歌った歌謡曲「矢切の渡し」で有名な現存する手漕ぎの渡し船。40年前に乗ったときは、高齢のおじいさんが「ぎっちら、ぎっちらこ」と漕いでいたものだ。
矢切の渡しは、赤い旗が出ていると運行していない合図。雨もやみ、風もないので大丈夫そうだとガイドさんは言う。向こう岸を見たら、舟は動いていないが、赤い旗は立っていない。ガイドさんが手を降ってくれたら、こっちへ向かってきた。
↓矢切の渡し

↓「男はつらいよ」第1作に出てくる矢切の渡し

船は櫓のほか船外機も付けており、エンジンをかけてこちらへ向かってきた。団体客がそろわないので、そろうまでの間にこっちへ来てくれたのだ。料金は片道200円。1人しか乗らないのに、来てくれた。「男はつらいよ」(1969年公開)の第1作を見ると、料金は片道大人30円、子供20円だった。ここでガイドさんにお礼を言ってお別れ。こういう人たちに柴又の観光は支えられているのだな。
船に乗り、「学生時代の40年前に乗ったことがある。まだやっているとは思わなかった」と言うと、30代ぐらいの若い船頭さんは、「明日にでもやめたい。宝くじが当たって3億円ぐらい入ったらすぐにやめる」と真面目な顔をして話していた。コロナ禍での影響が大きかったようだ。
途中から手漕ぎにしてくれた。川幅は150mほどあるという。都内で現存する渡し舟は、ここだけ。やっぱり、手漕ぎはいいな。
↓矢切の渡しもなか

ちなみに、帝釈天参道の菓子店「代々喜(よよき)」の「矢切の渡しもなか」が有名。粒あん、こしあん、白あんの3種類があって、自由に選べる。もなかの皮が船の形をしていて、とてもおいしかった。1個120円。
↓細川たかし書の「矢切の渡し」石碑

向こう岸に着くと、細川たかし書による「矢切の渡し」(昭和59年3月建立)の石碑があった。歌の大ヒットが松戸市の観光に大きく寄与したため細川たかしに感謝状が贈られた際、お返しとして細川たかしが自筆による「矢切の渡し」を刻んだ歌碑を建立したという経緯がある。
岸に着いてから「野菊の墓」文学碑まで歩いて行くわけだが、向こう岸に渡ると、そこは千葉県松戸市。今回の葛飾柴又探訪とは違ってしまうので、後日書くことにする。

↓「矢切の渡し」歌碑

帰りも当然、渡し船に乗って戻ってきた。柴又側にも「矢切の渡し」歌碑があった。平成10年4月の建立。「つれて逃げてよ…」「ついておいでよ…」で始まり、「夕ぐれの雨が降る矢切の渡し」と続く。なぜか歌碑は斜め45度ぐらいに建てられており、雨水がたまって良く読めないし、碑面に空や景色が反射してしまう。写真に撮るには具合が悪い。
↓山本亭

↓素晴らしい庭園


さて、江戸川沿いを歩いて、来た道を戻り、まずは「山本亭」へ。ここは昭和初期の資産家の庭園が当時のまま残されている貴重な場所で、都内でも少ない。風情ある書院造りに西洋建築を取り入れた、木造瓦葺き2階建ての和洋折衷の建造物である。アメリカの日本庭園専門誌の2022年日本庭園ランキングで山本亭が3位となった。1位は島根県の足立美術館で、今年3月に行ったばかりだ。
最大の見所は書院造りの庭園。苔の保護のため、庭の散策ができないのが残念。ここでお茶を飲んだりできるが、早く「寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」に行きたくて、ざっと見ただけで出てきてしまった。入館料は100円。
続きは明日。
今日の
最低気温23.5度、最高気温33.4度。曇り。夜一時小雨。
○……今回の旅行で、Apple Watch用の充電器を忘れていってしまった。Apple WatchはSuica決済に使っているので、電池切れすると電車やバスに乗るのに不便だ。亀有駅付近でバッテリーが残り6%になった。電車に乗ってから電池切れになったときが最悪だ。
充電器は大手電機量販店で売っているが4000円ぐらいする。たしか、100均のダイソーにあったと思い、近くのダイソーを探して行ってみたらない。仕方なく、コジマ電機で充電器を買った。ちょっともったいなかった。
iPhoneなら充電する方法は多いが、Apple Watchは専用の充電器しか方法がない。電池切れのApple Watchは何の役にも立たない。先日入会した「大人の休日倶楽部」のクレジットカードにSuica機能が付いている。2000円ほどチャージして、予備にしたほうがいいかもしれない。

金町浄水場は東京都東部の生活用水をまかなっている重要な場所だという。
江戸川は夏目漱石が「彼岸過迄」、尾崎士郎が「人生劇場」で、幸田露伴は「付焼刃」で描いた風景である。ほかに、柴又は林芙美子の「晩菊」、田山花袋は「東京の近郊」「東京近郊-一日の行楽」、松本清張は「風の視線」、井上ひさしは「東京セブンローズ」で描いている。また久保田万太郎にずばり「柴又」という作品がある。
「矢切の渡し」は小説「野菊の墓」や、細川たかしやちあきなおみが歌った歌謡曲「矢切の渡し」で有名な現存する手漕ぎの渡し船。40年前に乗ったときは、高齢のおじいさんが「ぎっちら、ぎっちらこ」と漕いでいたものだ。
矢切の渡しは、赤い旗が出ていると運行していない合図。雨もやみ、風もないので大丈夫そうだとガイドさんは言う。向こう岸を見たら、舟は動いていないが、赤い旗は立っていない。ガイドさんが手を降ってくれたら、こっちへ向かってきた。
↓矢切の渡し

↓「男はつらいよ」第1作に出てくる矢切の渡し

船は櫓のほか船外機も付けており、エンジンをかけてこちらへ向かってきた。団体客がそろわないので、そろうまでの間にこっちへ来てくれたのだ。料金は片道200円。1人しか乗らないのに、来てくれた。「男はつらいよ」(1969年公開)の第1作を見ると、料金は片道大人30円、子供20円だった。ここでガイドさんにお礼を言ってお別れ。こういう人たちに柴又の観光は支えられているのだな。
船に乗り、「学生時代の40年前に乗ったことがある。まだやっているとは思わなかった」と言うと、30代ぐらいの若い船頭さんは、「明日にでもやめたい。宝くじが当たって3億円ぐらい入ったらすぐにやめる」と真面目な顔をして話していた。コロナ禍での影響が大きかったようだ。
途中から手漕ぎにしてくれた。川幅は150mほどあるという。都内で現存する渡し舟は、ここだけ。やっぱり、手漕ぎはいいな。
↓矢切の渡しもなか

ちなみに、帝釈天参道の菓子店「代々喜(よよき)」の「矢切の渡しもなか」が有名。粒あん、こしあん、白あんの3種類があって、自由に選べる。もなかの皮が船の形をしていて、とてもおいしかった。1個120円。
↓細川たかし書の「矢切の渡し」石碑

向こう岸に着くと、細川たかし書による「矢切の渡し」(昭和59年3月建立)の石碑があった。歌の大ヒットが松戸市の観光に大きく寄与したため細川たかしに感謝状が贈られた際、お返しとして細川たかしが自筆による「矢切の渡し」を刻んだ歌碑を建立したという経緯がある。
岸に着いてから「野菊の墓」文学碑まで歩いて行くわけだが、向こう岸に渡ると、そこは千葉県松戸市。今回の葛飾柴又探訪とは違ってしまうので、後日書くことにする。

↓「矢切の渡し」歌碑

帰りも当然、渡し船に乗って戻ってきた。柴又側にも「矢切の渡し」歌碑があった。平成10年4月の建立。「つれて逃げてよ…」「ついておいでよ…」で始まり、「夕ぐれの雨が降る矢切の渡し」と続く。なぜか歌碑は斜め45度ぐらいに建てられており、雨水がたまって良く読めないし、碑面に空や景色が反射してしまう。写真に撮るには具合が悪い。
↓山本亭

↓素晴らしい庭園


さて、江戸川沿いを歩いて、来た道を戻り、まずは「山本亭」へ。ここは昭和初期の資産家の庭園が当時のまま残されている貴重な場所で、都内でも少ない。風情ある書院造りに西洋建築を取り入れた、木造瓦葺き2階建ての和洋折衷の建造物である。アメリカの日本庭園専門誌の2022年日本庭園ランキングで山本亭が3位となった。1位は島根県の足立美術館で、今年3月に行ったばかりだ。
最大の見所は書院造りの庭園。苔の保護のため、庭の散策ができないのが残念。ここでお茶を飲んだりできるが、早く「寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」に行きたくて、ざっと見ただけで出てきてしまった。入館料は100円。
続きは明日。
今日の足跡
最低気温23.5度、最高気温33.4度。曇り。夜一時小雨。
○……今回の旅行で、Apple Watch用の充電器を忘れていってしまった。Apple WatchはSuica決済に使っているので、電池切れすると電車やバスに乗るのに不便だ。亀有駅付近でバッテリーが残り6%になった。電車に乗ってから電池切れになったときが最悪だ。
充電器は大手電機量販店で売っているが4000円ぐらいする。たしか、100均のダイソーにあったと思い、近くのダイソーを探して行ってみたらない。仕方なく、コジマ電機で充電器を買った。ちょっともったいなかった。
iPhoneなら充電する方法は多いが、Apple Watchは専用の充電器しか方法がない。電池切れのApple Watchは何の役にも立たない。先日入会した「大人の休日倶楽部」のクレジットカードにSuica機能が付いている。2000円ほどチャージして、予備にしたほうがいいかもしれない。
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