30日23時38分=2023年=
上越ロケの映画「はなれ瞽女おりん」 46年ぶりに鑑賞
先日、高田文化協会に立ち寄ったら、女性会員3人に囲まれて、よもやま話になった。何かの拍子で篠田正浩監督が高田や直江津でロケをして撮った映画「はなれ瞽女おりん」の話になった。「名作だよね」「岩下志麻がきれいだった」「ロケを偶然に見た」などとこの話で盛り上がった。そして「もう一度、見たいよね」「高田世界館でやってくれないかしら」ということになった。

↓メルカリで買ったDVD

私が「とりあえず、DVDで見たらどうかな」というと「見たい」「見たい」とみんなが賛同してくれた。そこでスマホで検索してみると、メルカリが1800円(送料込み)で一番安かった。事務局長のKさんが、「私買うのでみんなで見よう」というので即、注文した。
今日、DVDが届いた。私が最初に見る権利をもらうことになったので、さっそく見始めた。
映画はおそらく、公開当時の1977年に見たはずだ。つまり46年ぶりに見るわけだ。盲目の瞽女を演じた岩下志麻の美しさだけが印象に残っているが、どういう筋書きだか覚えていない。

あらすじを簡単に書くと、次の通り。
大正7年のこと。春まだ浅い山間で、おりん(岩下志麻)は阿弥陀堂で平太郎(原田芳雄)という男と出会った。おりんは瞽女だが、21歳のときに男と交わったことで瞽女仲間から外され、1人で家々を巡り、三味線を弾いて歌って門付けして暮らす盲目の旅芸人「はなれ瞽女」だった。男は下駄の鼻緒のすげかえをし、おりんは歌って投げ銭をもらうという二人の生活が始まった。夫婦のような生活だが、男はおりんを抱こうとしなかった。次のせりふが印象的だ。
おりん「せめて力強く抱いてくなんさい」
平太郎「お前はいい娘(こ)だ。こげないい娘がめくらに生まれたばっかりに、こんな苦楽をせにゃならん。今の世の中が地獄に見える。おらがあめぇを抱くことはできねぇ。抱いてしもうたら、今までお前が抱かれてきた男のように、すぐに別れが来てしまう。おらぁ、当分おめぇと2人で旅がしてぇ。もう少し、俺を男にしてくれ」
おりん「あんさまが一晩だけでもおらを抱いて寝てければ、死んでもいいと思ってる」
平太郎「抱かねぇから長続きするだ。おら、お前を美しい仏様のようにしておきてぇだ」
おりん「おらぁ、仏様でもねぇ。妹でもねぇ」
*差別用語が含まれていますが、映画の趣旨からして映画のまま掲載しました。
ある日、札をもらわず店を出したという理由で、平太郎はやくざに呼び出される。その隙に香具師の一人である別所彦三郎におりんは松林で帯を解かれていた。それを見た平太郎は道具箱からノミを取り出し、追いかけて殺してしまう。そして、おりんに「当分別れて暮らそう。俺は若狭の方へ行く。」と言い残すと姿を消した。おりんは黒川の六地蔵で出会ったはなれ瞽女のおたま(樹木希林)と共に、南の若狭方面へと向っていた。
平太郎は殺人犯としてだけではなく、脱走兵としても追われていた。若狭の片手観音堂に来ていたおりんは、そこで平太郎と会うことができた。その夜、おりんは平太郎に初めて抱かれた。翌日から二人はまた旅を始めるが、背後から追手が迫っていた。
↓おりんの入浴

この映画は1978年の第1回日本アカデミー賞で、岩下志麻が主演女優賞を獲得した。キネマ旬報ベストテンで第3位だった。何といっても、26歳の岩下志麻が凛として美しい。途中で露天風呂で裸になるシーンがあるが、胸があらわになったシーンは、すげかえだったのが残念。
ともあれ、おりんの仏様のような姿の美しさが、露天風呂の場面に一番現れていた。そして、おりんと平太郎の漂白の旅が、日本海側の自然の美しさ、古い町並みとともに描かれ、じーんと来るものがあった。まさに、日本の原風景であった。宮川一夫の撮影の素晴らしさがこの名シーンを生んだのだ。
↓時代考証に市川信次・信夫の瞽女研究家が協力

それから、映画の時代考証に上越市の市川信次・信夫の瞽女研究家が協力したことが冒頭で分かった。
さて、映画の中に、上越市内やその周辺が何箇所も出てきた。
【親不知】
天下の険、親不知の海岸を6歳のおりんが、斎藤という男に手を引かれて、波が引いた隙に走って渡るという場面。


【東本町4】
東本町では、おりんが斎藤という男に手を引かれ、雁木の下を通って高田の瞽女の親方の家に連れてこられた場面。



【五智国分寺】
赤く塗られた五智国分寺の山門が出た。おりんが瞽女をやめ、平太郎とともに下駄屋を営み、初めての縁日での商いする場面

【旧直江津銀行(ライオン像のある館)】

桑山正一扮する長岡警察署今西万三郎刑事が、聞き込みから警察署に戻り、小林薫扮する憲兵中尉・袴田虎三と会う場面に使用された。上部の半円形の窓は当時のままのようだ。明治時代の建物で、現在は「ライオン像のある館」として公開されている。
【はさ木】
はさ木が美しいが、どこだか分からない。おそらく県内のどこかである。

【善光寺】
山門に「善光寺」と書かれた扁額が出た。「善」の字は牛をかたどっていて、扁額の中に5羽の鳩が隠されている。
本堂手前の大香炉も出てきた。煙を体につければ無病息災の功徳が得られると言われている。おりんとおたまが煙を浴びていた。
一時、盗まれたおびんずる様も出た。悪い部分をなでると治るとされているため、おりんとおたまは、おびんずる様の目をなでていた。
↓善光寺の扁額

↓善光寺の大香炉

↓おびんずるさま

【小浜駅】
福井県の小浜線小浜駅。新平野駅の名も見える。

このほか、浦川原区の日光寺、佐渡などで撮影されたそうだ。
今日の
最低気温11.7度、最高気温19.2度。曇り。

○……東の空に月が出ていた。昨日が満月で、今日の月齢は15.4。その右上に一段と輝く赤い星は火星だ。それを友人に教えたら、東の空低く光っている星はなにかと聞いてきた。
スマホの星座アプリで調べると、ぎょしゃ座の首星である1等星のカペラだ。マツダの自動車「カペラ」も、この星名から取っている。
南西の空には木星と土星が見えるはずだが、今日の西の空は雲が出ていて何も見えない。
明後日11月1日から13日まで、清里区の星のふるさと館で「星の文化祭」が始まる。昼間はプラネタリウムが見られる。そして、3、4、11、18,25日には夜間観望会がある。18時から21時まで、晴れたら実施する。晴れたら行ってみようかな。土星の輪を見たい。

↓メルカリで買ったDVD

私が「とりあえず、DVDで見たらどうかな」というと「見たい」「見たい」とみんなが賛同してくれた。そこでスマホで検索してみると、メルカリが1800円(送料込み)で一番安かった。事務局長のKさんが、「私買うのでみんなで見よう」というので即、注文した。
今日、DVDが届いた。私が最初に見る権利をもらうことになったので、さっそく見始めた。
映画はおそらく、公開当時の1977年に見たはずだ。つまり46年ぶりに見るわけだ。盲目の瞽女を演じた岩下志麻の美しさだけが印象に残っているが、どういう筋書きだか覚えていない。

あらすじを簡単に書くと、次の通り。
大正7年のこと。春まだ浅い山間で、おりん(岩下志麻)は阿弥陀堂で平太郎(原田芳雄)という男と出会った。おりんは瞽女だが、21歳のときに男と交わったことで瞽女仲間から外され、1人で家々を巡り、三味線を弾いて歌って門付けして暮らす盲目の旅芸人「はなれ瞽女」だった。男は下駄の鼻緒のすげかえをし、おりんは歌って投げ銭をもらうという二人の生活が始まった。夫婦のような生活だが、男はおりんを抱こうとしなかった。次のせりふが印象的だ。
おりん「せめて力強く抱いてくなんさい」
平太郎「お前はいい娘(こ)だ。こげないい娘がめくらに生まれたばっかりに、こんな苦楽をせにゃならん。今の世の中が地獄に見える。おらがあめぇを抱くことはできねぇ。抱いてしもうたら、今までお前が抱かれてきた男のように、すぐに別れが来てしまう。おらぁ、当分おめぇと2人で旅がしてぇ。もう少し、俺を男にしてくれ」
おりん「あんさまが一晩だけでもおらを抱いて寝てければ、死んでもいいと思ってる」
平太郎「抱かねぇから長続きするだ。おら、お前を美しい仏様のようにしておきてぇだ」
おりん「おらぁ、仏様でもねぇ。妹でもねぇ」
*差別用語が含まれていますが、映画の趣旨からして映画のまま掲載しました。
ある日、札をもらわず店を出したという理由で、平太郎はやくざに呼び出される。その隙に香具師の一人である別所彦三郎におりんは松林で帯を解かれていた。それを見た平太郎は道具箱からノミを取り出し、追いかけて殺してしまう。そして、おりんに「当分別れて暮らそう。俺は若狭の方へ行く。」と言い残すと姿を消した。おりんは黒川の六地蔵で出会ったはなれ瞽女のおたま(樹木希林)と共に、南の若狭方面へと向っていた。
平太郎は殺人犯としてだけではなく、脱走兵としても追われていた。若狭の片手観音堂に来ていたおりんは、そこで平太郎と会うことができた。その夜、おりんは平太郎に初めて抱かれた。翌日から二人はまた旅を始めるが、背後から追手が迫っていた。
↓おりんの入浴

この映画は1978年の第1回日本アカデミー賞で、岩下志麻が主演女優賞を獲得した。キネマ旬報ベストテンで第3位だった。何といっても、26歳の岩下志麻が凛として美しい。途中で露天風呂で裸になるシーンがあるが、胸があらわになったシーンは、すげかえだったのが残念。
ともあれ、おりんの仏様のような姿の美しさが、露天風呂の場面に一番現れていた。そして、おりんと平太郎の漂白の旅が、日本海側の自然の美しさ、古い町並みとともに描かれ、じーんと来るものがあった。まさに、日本の原風景であった。宮川一夫の撮影の素晴らしさがこの名シーンを生んだのだ。
↓時代考証に市川信次・信夫の瞽女研究家が協力

それから、映画の時代考証に上越市の市川信次・信夫の瞽女研究家が協力したことが冒頭で分かった。
映画のロケ地
さて、映画の中に、上越市内やその周辺が何箇所も出てきた。
【親不知】
天下の険、親不知の海岸を6歳のおりんが、斎藤という男に手を引かれて、波が引いた隙に走って渡るという場面。


【東本町4】
東本町では、おりんが斎藤という男に手を引かれ、雁木の下を通って高田の瞽女の親方の家に連れてこられた場面。



【五智国分寺】
赤く塗られた五智国分寺の山門が出た。おりんが瞽女をやめ、平太郎とともに下駄屋を営み、初めての縁日での商いする場面

【旧直江津銀行(ライオン像のある館)】

桑山正一扮する長岡警察署今西万三郎刑事が、聞き込みから警察署に戻り、小林薫扮する憲兵中尉・袴田虎三と会う場面に使用された。上部の半円形の窓は当時のままのようだ。明治時代の建物で、現在は「ライオン像のある館」として公開されている。
【はさ木】
はさ木が美しいが、どこだか分からない。おそらく県内のどこかである。

【善光寺】
山門に「善光寺」と書かれた扁額が出た。「善」の字は牛をかたどっていて、扁額の中に5羽の鳩が隠されている。
本堂手前の大香炉も出てきた。煙を体につければ無病息災の功徳が得られると言われている。おりんとおたまが煙を浴びていた。
一時、盗まれたおびんずる様も出た。悪い部分をなでると治るとされているため、おりんとおたまは、おびんずる様の目をなでていた。
↓善光寺の扁額

↓善光寺の大香炉

↓おびんずるさま

【小浜駅】
福井県の小浜線小浜駅。新平野駅の名も見える。

このほか、浦川原区の日光寺、佐渡などで撮影されたそうだ。
今日の足跡
最低気温11.7度、最高気温19.2度。曇り。

○……東の空に月が出ていた。昨日が満月で、今日の月齢は15.4。その右上に一段と輝く赤い星は火星だ。それを友人に教えたら、東の空低く光っている星はなにかと聞いてきた。
スマホの星座アプリで調べると、ぎょしゃ座の首星である1等星のカペラだ。マツダの自動車「カペラ」も、この星名から取っている。
南西の空には木星と土星が見えるはずだが、今日の西の空は雲が出ていて何も見えない。
明後日11月1日から13日まで、清里区の星のふるさと館で「星の文化祭」が始まる。昼間はプラネタリウムが見られる。そして、3、4、11、18,25日には夜間観望会がある。18時から21時まで、晴れたら実施する。晴れたら行ってみようかな。土星の輪を見たい。
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